たんぱく質は摂っても摂りすぎるな‼たんぱく質摂りすぎのリスク
近年のトレーニングブームで、ボディメイクやダイエットにはたんぱく質をしっかり摂る事がとても重要という事が、一般認識となってきました。
また、美容面においても、髪、肌、爪の原材料であるという事で、女性が美容の為にたんぱく質を意識したり、プロテインを飲んでますという方も、かなり増えたと思います。
では、たんぱく質はできるだけたくさん摂るのが良いのでしょうか?
実は、タンパク質は必要量しっかり摂って不足を避けたい栄養である一方、摂りすぎは健康上のリスクにもなり得ます。
今回はそんな『たんぱく質の摂りすぎのリスク』について、皆さんにお話しさせて頂きます。
たんぱく質とは?
まずたんぱく質は、お肉、お魚、卵、大豆製品、乳製品などに含まれ、体の中では皮膚、髪の毛、爪、筋肉、臓器やホルモンなどを構成する大切な栄養です。
昨今人気のプロテインも、日本語で言えばたんぱく質という意味です。
『日本人の食事摂取基準2020年版』を参考にすると、一日に必要なたんぱく質の推奨量は、成人男性で18~64歳で65g、65歳以上で60g。成人女性では年齢を問わず50gが推奨量とされています。
あくまで推奨量なので、実際のカラダの大きさや生活の強度でこれよりも多く必要とする方もおられます。
たんぱく質の摂りすぎのリスク!
では早速今回の本題に入りましょう。皆さんは、たんぱく質を意識して摂る事はあっても、摂りすぎの事を考えた事はありますか?
実は、たんぱく質を摂りすぎと主に以下のようなリスクがあります。
●便秘
●肝臓への負担
●内科的疾患のリスク
この3つを覚えておくと良いと思います。
●便秘
たんぱく質は、主に胃で消化されますが、胃の消化能力が低い方や、又はたんぱく質を摂りすぎて胃で消化をしきれなかった場合、未消化の状態で大腸へ運ばれていきます。
すると、大腸で悪玉菌のエサとなり悪玉菌を増やす事となってしまいます。その結果として、腸内環境が乱れて『便秘』になられているという方をよく見聞きします。
自分の消化能力以上のたんぱく質を摂った場合、それは消化しきれず、結果的に大腸で悪玉菌のエサになる、それが便秘に繋がるという事ですね。
実は、ダイエットジムに通って食事指導でたんぱく質を摂るよう言われて、たんぱく質を積極的に増やしたら便秘になった、という事をよく聞きます。(おそらく、そこと便秘が繋がっていないので気づいていない方も多いのですが…)
カラダ作りには確かにたんぱく質、しかし反対に便秘の原因になっている方もいるという事を覚えておきましょう。
●肝臓への負担
たんぱく質は、代謝されていく過程でアンモニアという毒素が生まれます。そのアンモニアを無毒化する為に働いてくれる臓器の一つが、肝臓です。
この事からたんぱく質の摂りすぎは、代謝されていく過程で発生する毒素を処理するために、肝臓へ負担をかける事になり、それが長く続けば肝臓が疲弊していく事が考えられます。
カラダ作りの為に食事を意識して取り組む事は素晴らしい事ですが、健康の事を考えると、やみくもにたくさん摂ればいいという事でもありませんね。
●内科的疾患のリスク
これは先ほどの肝臓もそうですし、先述の便秘の部分のお話とも関連してきますが、たんぱく質の摂りすぎで未消化のまま大腸で悪玉菌のエサとなるとお話ししました。
その悪玉菌が増えて腸内環境が悪くなった状態が長く続くと、大腸に様々な問題を引き起こす可能性があります。最悪の場合、大腸がんも考えられます。
カラダは、常に私たちに『症状』という形でカラダのトラブルをお知らせしてくれています。
その症状が続くとやがてそれは『病状』となり、病院にいかなくてはいけない状況となってしまします。
何も問題のない健康な状態が一番ですが、何かしらの症状が現れた時には、そのカラダからのお知らせをキャッチして早めに対処していきたいものですね。
こうした、予防医学の考え方が、もっと日本に広まるといいなと思います。
今回は、たんぱく質を積極的に摂る方が増えている中で、たんぱく質の摂りすぎのリスクについてご紹介させて頂きました。
すぐには何も起きなくても、長期的になると問題になっていく事が多いのが人間のカラダなので、『私たんぱく質摂りすぎていたかも?』という方へ、この情報が役立てば幸いです。
東京・自由が丘で活動するパーソナルトレーナー
江川陽介