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支援バカのつぶやき

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いち支援者としての気づきや考えを2021年から書き綴っています。まぁ、日記みたいなもんです。
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#水島

当たり前の人生を当たり前に送れる支援をそろそろ考えよう

当たり前の人生を当たり前に送れる支援をそろそろ考えよう

夕方から、去年結婚した利用者さん夫婦のコミニュケーション相談及び課題整理と講義、みたいな対応をしてました。

 
 
ちょうどお昼、当事者の恋愛にまつわる話をしこたましてきた後だっただけに、なかなかタイムリーな感じ😅

仕事や生活、お金なんかは、生きていくためのセーフティネットだから、というのもあるんでしょう。様々な支援が国の法律によって整備されています。
ここをきちんと整備することは確かに絶対

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支援バカが支援に携われないボヤキ

支援バカが支援に携われないボヤキ

今日はほとんど現場にいなかったので、利用者さんともなんかほとんど関われていないという、個人的には若干の消化不良を覚える1日でした。

でも明日もほぼ1日会議と外部の仕事なのでまたもや1日ほぼ利用者さんと関われないという・・・。

僕は現場で利用者さんと関わりながら過ごすのがとても好きです。
もともと福祉の仕事をしているのは、自分が直接何かしら困りごとを持っている人の役に立てるから、なので、やっぱり

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その支援は誰のため? って考える

その支援は誰のため? って考える

今日も会議で一日支援現場にいなかったんですが、終業後に福祉業仲間といつも録ってるラジオの収録をしていたんです。

ネタバレになっちゃうかもなんだけど、そこで話した事をもう少し掘り下げたいと思ったのでこっちに書きます。
多分今日録ったラジオを聴いてから読むともう少し面白い記事になるかもしれません。

僕ら支援者は、「支援しなきゃいけないこと」と「支援の大義名分を使ってしてはいけないこと」の区別をきち

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人の人生に「◯◯期」なんて切れ目はない

人の人生に「◯◯期」なんて切れ目はない

僕は支援をする時に「障がい特性」よりも「アセスメント(能力評価)」よりも重要視している視点があります。

 
 
それは利用者さんの「人生史」です。

 
生育歴とか生活歴とか、家族との関わり方とか。
 
  
何でそれを重視しているのか、というと、それが障がい特性と呼ばれるものにも、能力にも、社会性にもコミニュケーション能力にも全てに影響を及ぼしているからです。
 
 
 
僕ら成人期の支援をし

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支援バカがつくる事業所の話

支援バカがつくる事業所の話

年度末も近づいてきているところで、来年度以降の事業所のあり方についてスタッフと話をしています。

なにぶん所長の僕が普段何考えてんのか分からないけど、急に思考がまとまった時に「こういう風にしてはどうかと思ってる」って振るもんだから、それにスタッフもよくついてきてくれるなぁ、といつも思うわけなんですが…。

就労する事を目的にした支援をするのを僕はあまり好まないんです。
僕らはもしかしたら就労さえし

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何を以って「しょうがい」と呼ぶのか

何を以って「しょうがい」と呼ぶのか

昨日、高校の時の同級生に以前から少し投げかけていた「障がい者の婚活支援」について打ち合わせをしていたんです。
(その話はまた後日)

その中で少し興味深いやりとりをしたので、「これって考えさせられるなぁ」と思った話なので書かせてもらいます。

婚活支援を行う、というところにあたって友人がポツリと
「前にお前のところの利用者さん同士が結婚する時にお披露目会の相談に乗っただろ?その時に会って話した時に

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めくらめっぽうに支援をしてるわけじゃない

めくらめっぽうに支援をしてるわけじゃない

こんな話をすると不謹慎かも知れませんが…。

支援を行っていく上で、ある程度早めの段階で僕らは「予後予測」というのを立てていきます。
語弊はありますが、分かりやすい言葉で言うと「あたりをつける」というやつです。

利用者さんを受け入れさせてもらって、日々の過ごし方を見ている中で、その時点でのアセスメント(能力分析)をしていきます。
今の時点でどういう力を持っていて、どういう部分に課題があって、とい

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関心という「フック」の綱渡り

関心という「フック」の綱渡り

対象者へ支援をしていく上で、よく出てくる問題なんですが、

「どうやったらやる気になるだろうか?」
「何がこの方のモチベーションになるんだろう?」

という議論です。

ご本人を盛り上げる、掻き立てるためにどうやったらいいのか、そもそもどういう事にモチベーションがあるのか分からないケースは少なくありません。
社会に出ていく力があるが、何のためにはたらくのかってことが分からなかったり、通所をする理由

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「考えてもらう」という支援

「考えてもらう」という支援

考える、というプロセスを踏んでたどり着く結論と、考えるプロセスを踏まずに同じ結論にたどり着くのはぜんぜん違う。
何故なら「考える」から自分ごとになっていく。考えないまま得る結論は「他人事」みたいになりやすい。

えらい小難しい話のようですが、そんな複雑な話ではなくて、要するに人間は何事も自分の経験を通じたほうが成長する、という話です。

これは「就労移行」という場所だからかもしれませんが、毎月月末

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「行動する」って簡単じゃない

「行動する」って簡単じゃない

これは、いわゆる障がいの有無に関わらないことかも知れませんが、今までとは違う「行動」、今まで起こさなかった「行動」を起こしていくって、勇気が要ることなんです。

よく聞くんです。「この行動を起こして失敗したら・・・と思うと踏ん切りがつかない」って。
他にも「誰かを傷つけたり迷惑をかけたら」とか、「やったことないことだから」とか。

それに対して、「行動を起こさないと何も変わらない」とか、「そのまま

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「自己責任」とか「自立」の定義

「自己責任」とか「自立」の定義

今週は、大半の記事が、僕の運営している就労移行支援事業の中で、社会の中で生きていく上でどうしても必要な要素について書かせていただいていました。

「自分なりに考える」(相談する事も含めて)

「自分なりに行動する」

「よくても悪くても結果を受け止める」

これは、それぞれが独立しているものではなく、繋がっている考え方なんです。

よく「自己責任」とか「自立」とかいう言葉を僕らの業態の中では耳にし

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支援の構築はどれだけ「切れるカード」を持っているかにかかっている

支援の構築はどれだけ「切れるカード」を持っているかにかかっている

僕はソーシャルワーカーではありません。立派な資格も持ってはいないし、膨大な社会福祉の知識も持っていません。

知らない制度もたくさんあるし、知らない法律もたくさんあります。
もっと勉強すればいいんですが、あてのない勉強はどうしても苦手で、いつも支援の場で壁にぶち当たったケースの時に教えてもらったり勉強したりしてかれこれ20年近く経ちました。

今でもちょいちょい皆さんにいろんな知識を教わりながらな

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経験という名の財産を奪うな、と思う

経験という名の財産を奪うな、と思う

これは「支援」という枠組みだけの話ではないんですが、世の中は何故かややもすると「短期的な結果や成果」に偏重しているような気がするのは僕だけなんでしょうか?
短期的な、というよりも因果の輪っかが単純でシンプルなものにばかり目が向きがちな感じでひどく結論を急いで出したがっていて、単純なアクションでスパンと成果を得たいのだろうか、と思えることが多いなぁ、と感じます。

僕は大学を家庭の事情で中退していま

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2:8あたりが支援の一番いいバランスだと思う

2:8あたりが支援の一番いいバランスだと思う

この前「現場の支援って何なんだろう」ということについて書かせてもらいました。
そこからもう少し踏み込んで、どんな風に支援へのスタンスを考えていくのか、ということについて書いてみようと思います。

僕が自分の事業所の支援の方針として大事にしているのは、語弊があるんですが「たくさん失敗させてあげられる」ことと、「たくさん悩ませてあげられる」ことです。
要は、いいことも悪いことも含めてできるだけ多くの経

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