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【メンテしよう】 「認知の歪み」の原因と対処法

はじめに

こんにちは沢水(さわみ)です。
認知の歪み」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

物事を必要以上に悪く捉えてしまうこの思考パターンは、知らず知らずのうちに心を蝕んでいきます。

なぜネガティブな思考にとらわれてしまうのか、どうすればそこから脱却できるのか…。

本記事では、認知の歪みの定義から原因、そして効果的な対処法までを解説します。

※YouTubeでもご覧いただけます。


認知の歪みとは?

独立行政法人 国立病院機構・鳥取医療センターの資料によれば、認知の歪みとは、物事を極端に捉えたり、必要以上に悲観的に解釈したりする思考パターンを指します。

そして認知の歪みは、大きく以下の10パターンに分けられます。

独立行政法人 国立病院機構・鳥取医療センター『認知のゆがみ 10パターン』より

このような思考の癖により、実際の状況よりもネガティブに物事を捉えてしまい、日常生活に様々な影響を及ぼすことがあるのです。

なお、これらの思考パターンは、程度の差こそあれ誰もが持っているものです。

歪みという言葉のネガティブな響きは気になるかもしれませんが、「歪みがある自分が悪いんだ」などと考える必要はないと思います。

自分の特徴を理解した上で、「歪みが極端に強い部分だけトレーニングしよう」くらいの捉え方をすれば、多少は心が楽になるのではないかと、個人的には想像しています。

認知が歪む原因

なぜ私たちはこのような思考パターンを身につけてしまうのでしょうか?

認知行動療法の専門メディア『コグラボ』様のコラムを拝見したのですが、「自動思考」と「スキーマ」という2つの概念が関係しているそうです。

順に解説していきます。

原因1:自動思考

自動思考とは、ある出来事に対して瞬間的に浮かぶ考えやイメージのことです。

例えば、友人があくびをした時…

  • 「寝不足なのかな?」と考える人

  • 「自分といるとつまらないのかな?」と考える人

このように同じ状況でも異なる反応が生まれます。

自動思考とスキーマのイメージ

認知の歪みを持つ方は、自動思考がネガティブな方向に働きやすくなっています。

上の図で言うところのBさんは、認知の歪みを抱えている可能性があるでしょう。

原因2:スキーマ

スキーマとは、人生の様々な体験から形成された価値観や人生観で、自動思考の土台となります。特に幼少期の体験が大きく影響します。

例えば、幼少期にトラウマを抱えた方が「自分は魅力のない人間だ」というスキーマを形成すると、様々な出来事に対して自分を卑下するネガティブな自動思考が生まれやすくなるのです。

認知の歪みへの対処法

認知の歪みを解消するには、「認知行動療法」が効果的だとされています。

認知行動療法とは、自分の自動思考やスキーマを客観的に観察して、考え方や行動を修正していく治療法です。

認知の歪みに限らず、うつ病、不安障害、不眠症など、様々な精神疾患に有効性が実証されています。

認知行動療法の進め方

認知行動療法の概要が、こちらの本に記載されていました。

※参考:坪井 康次(2021) . 『患者のための最新医学 うつ病 改訂版』. (高橋書店)

本の内容を基に、治療の進み方について概要をお伝えします。

大まかなイメージですが、定期的な面接と日常生活での実践を通して、少しずつ考え方の癖を修正していく感じです。

なお、認知行動療法を受けられる場所については厚生労働省が公表しています。

認知療法・認知行動療法の届出

ご興味あれば、こちらのリンクからご確認ください。

ゲームで学ぶ認知行動療法

余談ですが、認知行動療法を学べるゲームもあります。タイトルは「SPARX」です。

本ゲームでは、ストーリーを進めながら、認知行動療法について学ぶことができます。

私も以前プレイしたことがあり、(個人的な感想ですが)心が楽になりました。

「なるほど、こんな考えをすれば良いのか」と、考え方の幅が広がるイメージです。

基本的にはお医者さんの指示のもと治療を進めた方が無難だと思いますが、対面カウンセリングに抵抗がある方は、こうしたツールも選択肢の一つとして検討できると思います。

まとめ

今回は認知の歪みについてお話ししました。

認知の歪みとは考え方のクセであり、その原因はネガティブな自動思考やスキーマにあります。放置すれば精神疾患につながる恐れがあるため、症状に合わせた対処が必要となります。

認知行動療法が効果的とされていますので、頭の片隅に置いてくださればと思います。


【注意】
治療に積極的に向き合ったり自己分析したりすることが、状況によっては逆効果になる場合も考えられます。

精神状態によっては何もしない方が良い場合もあるため、治療方針は医師と相談しながら決めるのが安全です。

実際に私も抑鬱症状が強い時に、自己分析をしたり、習慣をガラッと変えようとしたり、色々と頑張った結果、症状が悪化することもありました。

以上のこと、ご了承くださいませ。


最後までご覧いただきありがとうございました!
ご自愛ください。

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