- 運営しているクリエイター
記事一覧
【読んでみました中国本】現代から過去へ、香港のリマーカブルな時代をたどる推理小説:「13・67」陳浩基・著/天野健太郎・訳(文藝春秋)
先週、「『英雄本色』が放映3日間で興行収入2017万人民元(約3億4000万円)となった」という記事が中国の新聞に流れていた。
香港映画「英雄本色」は1986年、今では世界的な名監督の1人となったジョン・ウー(呉宇森)の出世作である。日本では「男たちの挽歌」というタイトルで、1987年で公開された。
日本では劇場公開後にビデオになってからこの映画はバカ売れした。ちょうど公開時にわたしは仕事を辞
【読んでみました中国本】アリババの凄さは「企業の価値は、いかに社会問題を解決できるかだ」にあり:「Alibaba アリババの野望 世界最大級の『ITの巨人』ジャック・マーの見る未来」王利芬・李翔
ようやく、日本における中国に対するイメージがそれぞれの人ごとに多角化し始めたなと感じることが増えてきた。
時おりしも、5年に一度の中国共産党大会開催直前となり、伝統メディア、特に新聞で恒例の党執行部予想レースが始まった。そんなもん蓋を開ければ分かるのだから、人手と時間をかけて競争みたいに各社が予想して見せるよりも、もっと伝えるべきニュースがあるはずなのだが、これは古典中国ウォッチャーの「お約束」
【読んでみました中国本】強みは「鍛え抜かれた筋肉質」と「発想のユニークさ」、それが現代中国人企業家:高口康太「現代中国経営者列伝」
のっけから逆読みするようで申し訳ないが、著者は「あとがき」でこう述べている。
だが、好きか嫌いかの二者択一で決めてしまえば、自然と先入観によって物事を素直に見られなくなってしまうのではないか。
わたしもさんざん書いてきたが、中国に関する報道の良し悪しはこうした考えに立つかどうかに尽きる。なんといっても、中国が日本の隣国であることは変わりなく、またGDPでも日本を抜いて、アメリカと堂々と世界秩序
【映画に見る中華圏】童謡「ふるさと」に想う台湾/黄銘正監督「湾生回家」
「日本で出版された中国本を読む」のがこのマガジンの趣旨ですが、11月は読みかけの本はあるものの、取り上げるほどの本に当たりませんでした。なので、ちょうど現在、東京神田の岩波ホールで上映中の台湾映画「湾生回家」(原題同じ)を取り上げます。同作品は今後各地での上映が決まっており、上映スケジュールはこちらで確認いただけます。
◎黄銘正監督「湾生回家」http://www.wansei.com
「生ま