嫌いな食べ物は残せばよい論

「好き嫌いしてはいけません。残さず全部食べなさい。」

学校の先生や、多くの親は、まるでそれが良いことであるかのように命令してくる。

ある学校では、完食しないと休み時間をもらえなかったり、食べ終わるまで先生に見張られたり...

ーーーそれって、ほんとうにイイコトなの？？？

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私の母は違った。

私の母は、食卓に子どもたちの嫌いなものがあると、決まって「無理して食べなくていいよ。残して。」と言う。

私の友達が、家に遊びに来たり、泊まりに来て、夕食を共にするときにも必ず、「もし嫌いなものがあったら食べないでいいからね！遠慮なく残してね。」

そう言って話す。

"嫌いなものを無理して食べる必要性はどこにも無い。"

私は、それが当たり前として育てられた。

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なぜ、好きな食べ物があるのと同じように、嫌いな食べ物があってはいけないのだろうか？

好きは良くて、嫌いはダメなことなのだろうか？

それを今ここで食べないと、命が脅かされるのだろうか？

　

そこには、様々な問いかけが潜んでいると思う。

もちろん、目の前にある食べ物を私たちが口にすることができるのは、そこにある素材を育ててくれた人、売買してくれた人、お金を稼いで払ってくれた人、料理してくれた人、多くの働きがあるからである。

それらに感謝をして、自然の恵みに感謝をして。

食べ物を大切に、いただくのがマナーである。

けれど、それは。泣いたり、吐いたり、しんどい思いをしてまで、我慢して飲み込まなければいけないことと関係しているのか？

食べたくない！嫌だ！という不快感を押し殺して、お皿の上を真っさらにすることは、その子の気持ちを尊重するより大事なのか？

間違ってはいけないのは、決して、食べ物を無駄にしていい、ということを言っているのではない。

しかしながら、必ずしも、食べなければならない理由もないと思うのだ。

食べたいと思えば食べればいいし、食べたくないと思うのなら食べなければよい。

選択の余地があってよいはずである。

学校における給食も、家庭でのご飯も、残すのがもったいないとされるのであれば、配膳前に減らしたり、無くしたりすることで、それを食べたい人に与えることもできる。

食べられるものを選択すれば良い。

それではいけないのか？

偏った食生活は、健康に悪い。好き嫌いしないように、食育はきちんとさせなければならない。

そう考える人も多いだろう。

子どもが、「これ食べたくない」というと、「せっかく作ったのに！」とか、「食べないと大きくならないよ」「身体にいいものだから食べさせないと」そう言って、無理やり食べさせようとしてしまう。

でも、大人になっても、好き嫌いがある人はきっとたくさんいる。

想像してみてほしい。

自分が大嫌いな食べ物を、スプーンに置かれ、「身体に良いから食べろ」と無理やり突っ込まれたら、どんな気持ちになるのかを。

好き嫌いは良くないからと、嫌いなものを食べさせて、不快にさせて、それがどう好きに変わるのか？

身体に良いか悪いか、色んな物事の前に、それをしてその子のためになることは何なのか？

そこに何の意味があるのだろう。

人によっては、大人になっていく成長の過程で、食べ物の嗜好が何度も変化することだってある。

「小さい時は、食べられなかったのに、何か気づいたら食べられるようになってた！」とか。

世の情報的に、どんな状態が健康であり、どんな食べ物にはどんな要素が含まれているかは公表されているものの、体質や性格、もっと細かな分子レベルで、人の健康はその人それぞれではないか。

ちなみに、私は小さな頃から、好き嫌いは激しくなく、食べるのも大好きであった。今は、ペスカトリアンでお肉は食べないため、食べられるものに偏りは生じているが、健康状態に問題は無い。

むしろ、お肉を食べなくなってから、心の面でも健康的になったと感じている。

食べたいと思うものを、「美味しい」と感じながら、幸せたっぷりで、自然や人に感謝をする。

それで、いいのだと、私は思うのだ。

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何が良くて、何が悪いかは、人それぞれで他人が決められるものでは無いのだと思う。

自分が納得して、食べたいor食べたくないと思うのならば、それが何歳であろうと関係ない。

せっかく、多くの恵みの積み重なりをいただいているのであれば、嫌々ではなく、気持ちよく自分の身体に取り組みたいものだと、私は考える。

わこ

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