営業の役割とはなにか #125 営業のあり方
人は一人でできることには限界があります。
そのため同じ目的を持った人たちと共に組織をつくって活動します。
企業も、その組織の一つです。
企業が目的を果たす上で重要なのがマネジメントです。
このマネジメントを開発したとされるのが、ピーター・F・ドラッカー氏です。
その著書である「マネジメント 基本と原理」の中で、「マネジメントは、組織に特有の使命、すなわち、それぞれの目的を果たすために存在する。」と示しております。
そして、組織である企業にとっての目的を同書の中で、「企業の目的の定義は一つしかない。それは顧客を創造することである。」と示されております。
つまり、企業にとってのマネジメントとは、顧客の創造を果たすために必要なものである訳です。
企業において、顧客の創造の最前線に立って来たのは営業です。
ところが、ドラッカー氏は、マネジメントの重要な機能としてマーケティングをあげ、「マーケティングの目的は、販売(営業)を不要にすることだ。」とまで明言しています。
実際に、ネット通販が躍進している時代です。
特に、消費者と直接取引するBtoCのビジネスモデルでは顕著で、実店舗の企業は苦戦を強いられています。
また、ネット通販が難しいとされていた企業間取引であるBtoBのビジネスモデルにおいても、成功している企業が存在するようになりました。
企業においては、営業の必要性、そのあり方が問われる時代となってきました。
私は、学生時代、営業だけは絶対にやりたくありませんでした。
人見知りといいますか、初対面は当然ながら他人と話すのが苦手だったためです。
そのため最初についた仕事が家業の鳶職でした。
しかし、家業の廃業に伴い就職することになります。
当然、営業以外の職を求め、小さな商社の倉庫で出荷業務に従事することになります。
ところが、今度は、営業に欠員が出ます。
結果、補充要員として私が指名され営業をする羽目になりました。
従来の営業、特に日本の営業は、ロジカルというよりは感情優位であったがために、お客様との関係性が特に重視されました。
結果、ドブ板営業と称されるように、足蹴くお客様の元に通い続けるスタイルが賞賛されました。
私もその一人でした。
ところが、お客様との関係性が構築され出すと、お客様の困りごとが理解できるようになります。
そこに自分なりの企画を提案できるようになりました。
却下させることも多かったですが、それも次第に受け入れていただけるようになります。
更には、私の企画でイベントを開催して大成功を納めたこともありました。
このような積み重ねによって、私は、どんどん営業が好きになりました。
企業の社会における存在意義とは、他社と差別化された独自の価値を持っていることです。
しかし、その価値とて、ニーズがなければ意味がありません。
先述のドラッカー氏の「マーケティングの目的は、販売(営業)を不要にすることだ。」ですが、決して、営業不要論ではありません。
製品やサービスを購入される顧客が感情を持った人である以上、そこに感情を持った人である営業の存在が欠かせません。
但し、人対人の関係性だけで、成立させる関係性では限界が来ます。
デジタルなどを有用に活用したマーケティングにて、ロジカルか仕組みを構築しながらも、最後の商談は、やはり人対人です。
営業の役割とは、独自の価値を見込み顧客にとって魅力ある価値として提案することです。
そして、それを受け入れていただけた時に顧客の創造が実現できるのだと考えます。
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