シェア
渡辺 杜太朗
2022年1月16日 14:26
何気ない笑みが走る言葉を越え一輌の列車に乗って私のもとにやってきた私の前で開く扉どうやら私はあなたのステーション笑みが下車してこんにちはそれはぽぽっとひかる蛍のお尻私は笑みと一緒に改札を出た家までの道すがら笑みに釣られて私も笑みるマーケットでトマトとチーズを買った笑みが嬉しそうに台所の私を眺める私はトマトとチーズのパスタを作ったフォークがくるくる回ると笑み
2022年1月15日 09:17
夜空に光るプロキオンとの交流しかしそれは動いてる闇の世界を縦横無尽私の目では追いきれないサイズは月のクレーター夜空を転がり乱反射私の首は痛くなるそのまま夜空に倒れ込む私の目では追いきれない夜空に光るオリオンとの交流どこへ行くのなにしに来たのピュっとシュービュールルル夜間飛行にお気をつけ夜空の魔物に宜しくね
2022年1月14日 22:24
あなたは甘くてシュワっと消える私が握ったあなたの掌はほろほろと絡みが外れていくどんなにきつく縛っても心臓だけは縛れないだからあなたは消えていく私の頬は赤らんでポッとあなたのまろみに落ちる次第にどんどん寂しくなってふと気がつけば喉元通る微炭酸そのあとはただ消えるだけ愛していたいの私が私じゃないうちに濃厚なのに爽快に走る爽快なのにシュワっと痛いミルクソ
2022年1月9日 11:27
味の染みた田園は煮込んで茶色くなっている隣の段々茶畑も醤油で味付けした様だ私は薄情な冷風に煽られしゃがみ込んだ緑の世界が観てみたい青茂った心地のよい美風時期を跨いで逢いましょうその時はこの煮込み色の世界がどれだけ大事なことだったか痛感するのであろう私は雀に挨拶をしてここを去った美しきは忍耐の先に待っているのであろう
2022年1月6日 22:08
雪原に衣替えした街の灯りは僕の姿を照らせないなんにもないが溢れてるここにいるよここにいるよ前爪の溝から尾っぽの先までまっしろけっけにゃっしろけっけ帰る道筋わからない僕は迷子の子猫でござるにゃーっと鳴いても毛並みが混じる白い世界と融合思念にゃんてことないさにゃんてことないよ僕は大体の道すがらをぽこぽこと歩いて家路を辿る心配しないでパパとママ
2022年1月5日 16:37
北からの風は痛く身が剥がれていく杉の葉は変わらずの香で私を陽から隠す余計なものを背負い込んだ背は曲がり冷たい風で歩幅が縮む杉の波が押し寄せては力で押し返す男にならんと人生の合間にさす日射しは杉並木の様ポツリポツリとまばらに照らすそこまで行ったらひと休み陽を浴びここで腰下ろし歩けど走れど同じこと同じ場所で腰を下ろして休んでくれればそれでいいこれから
2022年1月3日 22:41
私が落とした丸い皿藍色焼きの丸い皿割れては四つになった皿鋭利な角持つ気張った皿もう料理が乗らない皿は皿というのは可笑しいか無理矢理乗せてもいいけれど鋭利な角で血が出ちゃう袋に捨てた丸い皿涙流した丸い皿私のせいで泣いた皿今まで色々乗せた皿誕生日ケーキもクリスマスチキンもお餅だって乗せた皿皿の涙で私が泣いたら私の涙で皿も泣いた感謝の念と憂いが同居した瞬
2022年1月3日 19:59
家のガラス窓には施錠がしてあるそれは頑なにそれはひっそりとカーテンで仕切った外側になにがあるかは日差しに頭を突っ込まないとわからない私の大きな勘違い外側が美しくないから汚染の街の捨て恥だからそう感じて長らくが経つそれは頑なにそれはひっそりと美しさに外も内もあるわけが無く私の眼がどう捉えるかが美の定石この世の全てが私が触れた狭い世ならばそこはしっかりと美しい
2022年1月2日 22:23
この身がただただ歩くわけではないから余計に困ってますそこには命と心が住んでて周りの星をも傷つける只々黙って転がりすぎた日々の薄い温度はやるせなさとしての風当たりだけではなく生温さのなかに心地さを含ませている前に進んだ昔の友よ後ろに下がった今の私よ弾ける涙はナイフのように滴る汗が丸太の様にたがいの体液が重なる場所を探してるこんにちは昔の友よ今も友でいてくれ
2021年12月30日 23:09
泳ぐはちっとの荒波よ冷たいみぞれの水面よ痛いは身体苦心は灯台に置いてきた服が重くてとられた波に詫びゆく想いが絡みあう陸は見えずと果てのないばあばの詩が聴こえる方角しゃきっとしなくしゃいけないよしゃきっと歩いていけないよ聴こえるうちに帰りましょう冷たい荒波潜りましょう私は帰るなにがあっても私はばあばの詩の方方位磁石はヨーソロ ヨーソロ
2021年12月28日 17:20
愛の不思議は色じゃない温度も痛みも嘘でもない愛の不思議は形崩れて透明シャボンで飛ぶところ私が絵を描き色を塗り額縁囲って飾ってもなお意味のない愛が浮遊するだけの小部屋命の祈りはますますと愛の鎧を脱いでいくがぎゃん がぢゃんと崩れてく鎧の中の透明人間は愛そのもののシャボン玉気がつきゃ私もシャボン玉
2021年12月25日 22:25
魂のミルフィーユ重ねる程に強くなる人間の持つ可憐さは強さの中に共存する魂の層は幾度となく織られ涙と笑みのクリームで塗装される少しばかりの木苺が人生に花を添えると甘さが増すとかなんだとかこの先も私は層を重ねては泣きじゃくり腹を壊すだろう気分の良い日食べましょう自分の魂ミルフィーユゆっくり振り返る魂と思念の層を割って
2021年12月24日 15:39
私の髪の毛が獅子のたてがみの様に伸びてしまったため髪を切りに行きたいのだが外には悪口の雨が降り暴力的な風が吹くもんで家の中からは出れやしない私は自分のハサミでたてがみを削いだ私は嫌なほどたてがみを切るのが下手なもんでぶら下がるコウモリの様な髪型になるもんでこれでは恥ずかしと頭を掻きむしった慣れないことはするもんでない少しの勇気が私にあれば床屋までいく足があればほん
2021年12月21日 15:59
あなたが落とした想いなら私が拾って集めましょう大きな籠にひとつずつ優しい球を入れていくその籠が球でいっぱいになったら私は集めた想いのひとつを高く空に放り投げては野鳥に託して運んでもらう渡鳥ならなおのこと遠くに運んでくれるだろうあなたが落とした想いならきっとみんな感じてくれるきっとみんなが食べてくれるあなたはそういう慈悲の想いを落とす人