venylon
ツーリング記録
撮った写真
ひとりごと
出発 7月30日 今年もこの時期がやってきた。午前で仕事を終わらせ急いで帰宅する。 家へ向かっていると空は次第に暗くなり、雨が降ってきた。 ああ、今年もか…去年三宅島へ行った時も出発で夕立に降られてしまったことを思い出す。 しかし旅支度をしているうちに雨は弱まり、今年はなんとか雨具を持たずに家を出られた。雨でアスファルトに溜まった熱気は洗い流され、涼しい夕方の風を浴びながら竹芝桟橋へとバンタムを走らせる。 キャブレーターの摩耗が進んだのか完調では無いため、暑さや渋滞の中で
day1 10月28日 昨年乗り始めたバンタムを遠州の友人たちの元へ見せに行くことにした。 乗り出しまでに整備や登録のことで相談にも乗ってもらっていたお礼も伝えたいし、長距離走行のチャレンジでもある。 朝7時頃に出発。山に入る前に、秦野の市街地のうちに給油をするとエンジンがかからなくなるトラブルもあった。 プラグを変えたりエンジンを冷ましたりし1時間後にやっと始動できた。 この間にも静岡の友人たちが電話で状況を聞いてくれたり、気にかけてもらえてありがたい。 大分出遅れ
9月15日 記事にはしていなかったが、昨年の7月に個人売買にてBSAバンタムを手に入れた。1953年製のD1だ。 安定して走れるようになるまで整備や試走に半年ほどかかった。ある程度の長距離や夏場も走れる見込みがついたので、今年はこのバンタムと三宅島を廻ることにしたのだ。 今年の春は引越しなどでバタバタしており、夏は暑さに負けて家から出られずだったので久しぶりの旅でもある。 出発 出発の日は半日で仕事を終えて夜の竹芝出港に備える。 この日は午後から局地的な雷雨で家を出るの
3月12日 川崎を経ち、渋滞前のアクアラインをサクッと抜けて木更津へと渡る。 時折地図で方向を確認しながら、特に道も決めずに外房を目指す。 国道128号線沿いにある、トンネルを抜けてすぐの脇道に入る。 前から地図で気になっていたおせんころがしを見にきた。 「おせんころがし」とは昔豪族の娘だったおせんさんが身投げをした場所というのが名前の由来である。 しばし風を浴びながら休憩し、次の目的地を考える。崖の上は乾いた風が吹き、雲間から時々暖かい日が差しておせんさんを偲ぶ石碑を
12月16日 西へ向かう 静岡の西部にはお師匠を始め、時々お世話になっている人たちがいる。 年末ということもあって、彼らに会いに行く旅に出ることにした。 遠州には何度か行っているので、大体の地理は方向音痴の自分でもなんとなくわかる。 真冬の早朝の気温に耐えられる気がしなかったので、今回は太陽が空気を温め始めた頃に家を出て、沼津までは高速道路を使うことにした。 由比の海辺に出て駿河湾に囲まれると静岡に来た実感が湧く。おきまりの場所。 国道1号をしばらく走り、海沿いを走り
10月30日 夜勤明け 16時間の夜勤を終えて暗くなるまで仮眠をとると、気だるい身体を無理やり起こしてSRに跨った。雪が降って近づけなくなる前に北アルプスを見に行くのだ。 中央道に飛び乗り、西へ西へと進む。 八王子を超えると一気に冷え込んだ。街明かりもなくなり心細さを抱えながら山梨へと抜ける。甲府の盆地では冷たい空気に煌めく夜景と供に花火を見下ろした。 盆地の灯りを見送り、八ヶ岳の裾をかすめながら長野へ入る。 諏訪子のサービスエリアでやっと休憩。身体はもうとっくに冷
これは8月1日のこと。 2年半を供にしたベルーガ80が私の手を離れていった。 実はもっと前からベルーガを手放そうとは考えていたのだ。 去年の夏にベルーガと伊豆大島を走った。 その時に撮ったフィルム写真で秋に小さな写真展を開いた。 写真を見にきてくれた人たちと島旅について語り、ベルーガの写真を気に入ってくれて買ってくれる人までいた。 ベルーガとの旅を記録として残せて、記憶してくれる人たちもできた。 そう思ったらなんだか、この車両とやりたかったことはもうやりきってしまったの
昨年の夏はベルーガ80とともに伊豆大島を巡った。 今年の小さな船旅の目的地は八丈島。お供はGT50。 出航 出発の日、ちょうど梅雨明けが発表された。例年と比べるとかなり早いらしい。 現地の天気予報も晴れ、幸先の良いスタートである。夜勤明けの仮眠から醒めると竹芝へ向かった。 伊豆諸島を巡る小さな客船ではオートバイは貨物としてコンテナで輸送する。ミニトレを貨物受付に預けて、出航までの時間を梅雨明けの潮香をあてにレモンサワーで潰す。 橘丸は夜の東京湾を出て、翌朝の三宅島、御蔵
2022年5月、3日間の休みが出来たので以前から気になっていた翡翠が流れ着く海岸を目指した。 day1 群馬県まで関越道で一気に北上し、そこからは下道でのんびり日本海側へ向かっていく。 せっかくなので碓氷峠を通っていくことに。碓氷の旧道は連続カーブのリズムが心地よくて大好きな道。 有名な眼鏡橋。ちょっとだけ見学。 この橋の上は上がれるようで、かつて鉄道が通っていた場所を歩けるらしい。 またの機会に廃線歩きに来よう。 碓氷峠を抜けて軽井沢に出たところで渋滞にはまる。 軽
2022年4月 昨年とある写真家の作品でミツマタという花の存在、そして茂木のミツマタ群生地の事を知った。 彼の見た光景を探しに茂木の山をSRで分け入った日のこと。 4月の上旬。ミツマタ開花のピークはやや過ぎていた。 山の入り口には広い砂利敷の駐車場がある。きっとピーク時には多くの人で賑わうのだろう。 満開時を外したお陰で静かに甘い香り漂う花の合間を歩くことができた。 傾きかけた日差しに淡い色の花が透ける。 花の群は白く見えるが、咲き始めは確か少し黄色味が強いはず
だいぶ前の話になるけれど、2021年8月にベルーガで伊豆大島を巡ってきた。 これはその時の話。 東京竹芝の港から伊豆諸島へ向かう船は出る。 出発は夜の23時。東京を見送って睡眠確保のためにそそくさと客室にて布団を被る。 翌早朝に船は伊豆大島へ到着。貨物として運ばれてきたベルーガと合流し、しばし走り島の様子を偵察する。 高台に登ると静かな海と夏の雲が望める。 伊豆大島には小さな空港もある。滑走路脇の道路からは虹が見えた!幸先いいね。 御神火温泉で温泉に入り、朝食の
2022年3月某日 お師匠のXL 230が仕上がったとのことなので、この日は箱根峠で待ち合わせをしてのツーリング。 自分のSRは朝からキャブのオーバーフローを起こしたので遅刻しての到着。前日は快調に走っていたのに・・・ 箱根峠から伊豆スカイラインに入り、高速ワインディングを堪能しながら南下する。 この日目指すのは天城峠の旧道にある隧道。 国道414号線に入り更に南へ進み、旧道に入る分岐を進むと轍が刻まれた砂利道が続く。 ダートは得意ではないので時速10kmで慎重に
48年間の歴史が眠る、ホテルニューアカオにて。 白亜の壁が曇天に溶け込む。 ここで過ごした人たちの記憶があちこちに、ひっそりと澱んでいる気がする。 欲望を書き連ねる遊び。 どうか安らかに。この場所が違う形で生まれ変わるのか、静かに朽ちていくのかはわからないけれど、最後まで華やかな歴史を誇り続けますように。
2022年2月某日 昨年、近所の友人からミノルタのオールドレンズを譲ってもらった。 AUTO ROKKORーPF 58mm f1.4。 自分にとっては初めてのオールドレンズだ。 そのオールドレンズを携え、彼とキャンプに行った日の記録。 久里浜港からフェリーに乗り房総半島へ渡る。相方は遅刻魔なのでこの日もゆっくりスタート。そのおかげで日は登っていて冬の空気も温められている。 我らの相棒はオートバイ、そして富士フィルムのミラーレス機。 買い出しの寄り道を経てキャンプ
2022年1月 小田原から135号線を南下し、海岸線を走る。 ひたすら海を左手に眺めながら、潮の匂いを堪能できる最高の道だ。 海岸線に沿ったワインディングに身を委ねれば、 海抜すれすれまで低いところを走ったり崖上に上がったりもする。 伊豆半島も半ばまで進めば海の向こうには伊豆大島が見える。 稲取からは内陸に進路を変え、細野高原を登る。 海辺は晴れていたが高原の上には雲がかかっており、一瞬雪もちらついた。 一面のススキが広がる高原。 フカフカの枯れ野原と急斜面にハ
11月14日 これは執念が呼び寄せた奇跡の軌跡について。 その日は河口湖を発ち、富士山の西側を麓に沿って南下した。 朝霧高原からはススキの海越しに富士山を望む。 麓の紅葉は見事なものだった。標高が下がるにつれて山の色は暖色から燻んだ緑に変わる。 次第に日差しも暖かなものに変わっていく。 そして139号を下りきったらそのまま国道1号へ。 バイパスを流していると眩しい由比の海が視界の全てになる。 この景色が大好きで、この瞬間に焦がれながら走っているといっても過言ではない。