もっとラフにかわせたら
気乗りしないお誘い。
既婚者男性が独身女性の家で二人で会おうと提案してくる自体どうかと思うし、丁寧に断った後もどうにか約束を取り付けようとする強引さにも辟易してしまった。
嘘も方便。
「ごめんね、仕事が終わる時間が遅いから」
で、どうにかやり過ごした今日は本当に残業で遅くなってしまった。
嘘がほんとになっちゃったなぁと思いながら歩く帰り道。なんだか虚しくて鼻の奥がツンとする。自衛云々はもちろんのこと、私はそんな風に安く見積もられているんだなぁと捻くれた考えになってしまう。
どちらに転んでも言い逃れできるように予防線を張りながらあわよくばを期待する相手に嫌悪すら感じる。こういう時の『ノリ』とか『冗談』の境界線は難しい。
こういう人には、笑顔を絶やさず毅然とした態度で一線引くのが一番。こんな対処法、本当は知らなくてもいいはずなのになと思うとまた虚しさがやってくるので心のスイッチをオフにして帰宅した。
自分で決めたタイムリミットはとっくに過ぎているけどお腹が空いたので我慢せずに食べることにした。
せっかくなのでビールも開けちゃう。ワインも買ってきた。お酒なら沢山ある。こんな日のために買っておいたんじゃないかっていうチーズも出してきた。
間接照明に明かりを落として簡易BARの完成。
バーテンダーはいないので、自分でオペレーターを作って飲む。ワインカクテルではオペレーターが一番好き。我が家のジンジャーエールはオペレーターのためにあるといっても過言ではない。
こんなの一時的な逃避だということはわかってるんだけど、疲れもあって今日はちょっとしんどかった。
お酒がはいり、お腹が満たされると気持ちも少し落ち着いた。虚しさもさっきよりはマシになった気がする。
全て相手のせいにするつもりはない。
私にもそう思わせてしまう隙と油断があったんだろうし、断るのが苦手なのも見抜かれた上でのことだと思う。押しに弱いのもいい加減直さないといけない。
この先もしばらく一人で生きていく以上、その辺りはしっかりしておかないとまた同じような目に遭うかもしれないし、結構大きな問題なのだ。頭が痛い。
誰も傷つけず、上手にかわすことのできる人に憧れる。私はいつも真っ直ぐに受け止めすぎて余計なことを考えすぎている。
もっとラフに、できるなら峰不二子みたいな人になりたい。高すぎる理想を出したところで今日はお酒が回ってふわふわしてきたので終わります。
皆さん良い週末を。