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カブで賑わう「すずめの戸締まり」の聖地・道の駅大谷海岸で海水浴シーズン前の雄大な空と海を満喫する|散策記

最後に大谷海岸を訪れたのは1年半以上以前である。映画「すずめの戸締まり」で道の駅大谷海岸が描写され、聖地めいた扱いでクローズアップされたのはその後で、つまり「すずめの戸締まり」で知られた道の駅大谷海岸を訪れたことはなかった。理由は特別ない。

理由を無理矢理ひねり出すのであれば、そもそも2年半程度前に本noteで記事にしていたこと、あとは岩手県側からは若干ながら遠いことだろうか。海水浴を趣味に持っていたら夏に訪れる機会もあったかもしれないが、公私共にインドアな筆者にとって、夏は家で暑さに耐える季節である。

そんなわけで、今回大谷海岸・道の駅大谷海岸を訪れたのは、だいぶ久し振りの機会となった。実のところ夏を前にした季節に訪れたのは初めてとなる。夏こそ訪れる場所であるのだが、以前訪れたのは秋と冬だった。その意味では、ようやく旬の大谷海岸を目に出来たと言える。

「すずめの戸締まり」の聖地・道の駅大谷海岸がカブで賑わう-KESEN-NUMA CUB-NUSHI MEETING

晴天に恵まれた道の駅大谷海岸
すずめの戸締まりっぽい駐車場側
全力ですずめの戸締まりに乗っかる様子

久し振りに訪れた道の駅大谷海岸は、「すずめの戸締まり」放映から1年以上が経過する今尚、全力で「すずめの戸締まり」要素を散りばめていた。トイレには劇中・小説の中で登場人物達が口にしていた物を案内するチラシがあった程である。

CUB-NUSHI MTG

この日は、「KESEN-NUMA CUB-NUSHI MEETING」が開催されていた。そのためかとても多くの人々が来場しており、駐車場が臨時駐車場さえ埋まる程の盛況振りであった。

参加者自慢のカブ達

この日は300台を超えるカブが集まったとされている。訪れていた人々の数は、その倍以上は居たのでなかろうか。先日気仙沼市で開催されていた「Kesennuma Beer Festival 2024」の延べ参加者数には届かないにせよ、一時点では匹敵するほどの人で賑わっていたように思う。

海水浴シーズン前の大谷海岸を望みながら海鮮丼を食す

道の駅大谷海岸から見る海
防潮堤
防潮堤上より見た砂浜の景色
鯉のぼりが舞っていた

「すずめの戸締まり」では、道の駅大谷海岸がクローズアップされていたが、実のところ道の駅大谷海岸付近で最も素晴らしい景観は、正面に広がる美しい砂浜の景色である。以前書いた記事でも伝えたように、大谷海岸は開放的な空間になっており、空と海、そして砂浜が目の前いっぱいに広がる圧巻の景色を楽しめる。

とくに岩手県側から海岸線を南下してきたときに目に飛び込んでくる突き抜ける空と海の景色は素晴らしい。自動車やバイクで走るのを好む人々には、ぜひ一度体験して欲しい。この景観は、東日本大震災からの復旧にあたり、大谷地区の人々が守った景観とされている。

人々の想いが残した雄大な砂浜を見られる場所は、東日本大震災の被災地の中では希有だけに、一度は見て損のない場所だと考える。なお、この素晴らしい景観を楽しめる宿泊施設が「はまなす海洋館」である。海水浴シーズンに海を堪能したい人々にとって最高の場所になるだろう。

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道の駅大谷海岸は、大谷海岸駅という本当の駅でもある
屋上が開放されており、食事を楽しめる
ちょいマイ丼
ソフトクリームとイチゴソーダ
素晴らしい景観を堪能しながら食事を楽しめる

道の駅大谷海岸に戻り、食事を取る。道の駅大谷海岸では、一部屋上を開放しており、広大な海を望みながら食事を楽しめる。この日は、ちょいマイ丼という、6種類くらいの海鮮丼の中から3種類を選んで食べられる丼メニューを頼んだ。1,800円を安いと思うか高いと思うかは人によると思われる。

筆者としては、ウニが思いの外新鮮な物を使っていた点に驚いた。回転寿司チェーン等でよく見られる苦いウニではない。新鮮なウニ特有の甘みがしっかりとある。旬の季節だからかもしれないが、大衆的な食事処でこのようなウニをちゃんと出しているのは驚嘆に値する。ウニが嫌いな人でも食べられるのでなかろうか。

ソフトクリームをデザートに選んだのは失敗だった。ソフトクリームはとても美味しかったのだが、この日は強風が吹き荒れており、味を楽しんでいられる状況でなかった。何せ写真に写っているパラソルが、その後畳まれた程の風に吹かれていたのである。飛沫となって襲いかかる溶けゆくソフトクリームで服を汚さないよう、食べるのに必死だった。

口に入るか、溶けて飛沫となって服を汚すか。一進一退の攻防を繰り広げる羽目になり、ソフトクリームを楽しめなかった。どうして店内で食べなかったのか甚だ疑問だが、人生とは間違いの連続であり、こうした経験をバネにして人は成長していくものなのである。ちなみにちょいマイ丼を食べている間、強風と揺れるパラソルに脅かされており、ちょいマイ丼も3分くらいで食べ終えざるを得なかった。哀しさしかない。

映画の中でしか見られないような旧き良き田舎の風景を垣間見られる大谷地区

道の駅大谷海岸の裏手を山側に上っていくと大谷地区の一部を見ることができる。一部というか、小学校を見られる。

空が美しい
木々に囲まれた鳥居
伸びる橋
木漏れ日と神社
木々の間から垣間見える小学校校舎
広大な校庭を有する小学校の姿

小学校の向かいにある大谷公民館に用があったため上ったが、古めかしい映画に映し出される田舎の景色を彷彿とさせる木々の中に垣間見える神社や木造の橋、そして広大な校庭を擁する小学校と、どことなく豊かさや穏やかさを感じさせる風景に目を奪われた。

写真や文章だけでは伝えられない確かな良さがそこにあった。大谷地区の人々は、気仙沼市で数少ないコンパクトシティと地区の良さを語ると耳にしたが、コンパクトシティかどうかよりも旧き良き田舎の風景や空気を感じられる独特の雰囲気にこそ魅力があるように感じられた。

こればかりは体感しないと理解できない良さだと考える。敢えてこの場所を訪れる人々は少ないと思うが、機会があればぜひ一度訪れて欲しい。映画の中でしか見られない、感じられない田舎の風景がここに残っている。


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