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#20 失敗談②あれ?ソフトクリームの形ができない・・

昨日の記事はいかがでしたでしょうか?

前回の記事では、凡ミスによる失敗談をお伝えしました。

今回は、新しいことにチャレンジした際に起きた、トラブルをお伝えしていこうと思います。


ソフトクリームに挑戦

これは、僕が「ソフトクリーム」の新商品に携わった時のエピソードです。

以前、#3、4で商品開発の流れを書かせていただきました。


今回は、「工場移管準備」と「工場移管」での出来事です。

僕が、ソフトクリームの新商品を任せられた時に、一番注意すべきだなと思ったポイントが、「ソフトクリームの形がきちんと保てるか」という点でした。

工場設備で作る際、すぐに冷凍庫に保管できるといいのですが、コンベアーで冷凍庫まで運ばれる間に数分かかります。

そのため、この移動の時間はソフトクリームの形を保っている必要があります。

「工場移管準備」の工程では、この部分の検証を何度も何度も行います。

もし、形を保てない可能性がある場合は、「乳化剤」と呼ばれる食品添加物の量を調整して、形が保てるようにします。


乳化剤とは

それでは、「乳化剤」とは何か、を説明させて頂きます。

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これは原材料表示ですが、「乳化剤」と記載されていますよね。

「乳化剤」とは簡単に言うと、「水と油を均一にする食品添加物」です。

よく、ドレッシングなどが例に挙げられます。

ドレッシングの水分と油を均一にするのに使われています。

ドレッシングを振ると均一になり、冷蔵庫で保管していると分離しますよね?

アイスの場合はなぜ使用しているのか?

その理由は、「水分と乳由来の脂肪を均一にする」必要があるためです。

均一にする度合いによって、形が保てるかどうかに影響するのです。


形がうまく保てない

ラボにて何十回という工場移管準備の検証を行い、OKになったものを、工場の生産設備に落とし込みます。

いざ、工場の設備が動き出し、ソフトクリームが出てきます。

しかし、、、、

冷凍庫に入るまで、形が保てないのです。

冷凍庫に入る前に、ひだの部分がなくなってしまい、溶けたソフトクリームのような状態になってしまいました。

なぜ、このようなことが起きるのか?

これは、ラボで使用している設備と工場で使用している設備が異なることが原因です。

色々と設備の設定条件を変えて、チャレンジしてみましたが、一向に解決できません。

さて、この後どうなっていくのでしょうか?


深夜1時やっと・・


朝の9時からスタートし、夕方4時ぐらいになった時でしょうか?

事前の検証結果の共有をしながら、現場メンバーで次の対策案を考えていました。

同じレシピのものを生産していても、一向に改善される見込みがないため、レシピ変更をすることに決めました。

事前に、万が一のことを考え、用意していた「プランB」のレシピを再度準備し、夜の9時ぐらいに工場での生産が再スタートします。

この時点で、工場現場で約12時間立ちっぱなしでいるのでクタクタです。

機械の調整をし、夜の11時にソフトクリームが機械から出てきました。

私は、ソフトクリームの出来上がりから、冷凍庫に入るまで、コンベアーの動きと並走しながら表面の状態を確認します。

そして、念願の時が訪れます。

形を保ったままソフトクリームが冷凍庫に入ってくれたのです!

問題なく形を保ったソフトクリームが冷凍庫に入る瞬間を見たとき、ものすごい達成感と、安堵の気持ちに溢れました。

一緒に協力してくれた現場のスタッフとも喜びを分かち合い、深夜1時工場を後にするのでした。

日々、商品開発の現場では、このようにして新商品と向き合っています。

このような様々な事柄を経て、お客様の手元に届いているのです。

今食べている商品に、愛着がわきませんか?笑


最後に

いつも、読んで頂きありがとうございます。

今後もこういった形で、商品開発における失敗談や、トラブル、具体等的なエピソードをお伝えしていこうと思います!

質問やこういった商品について教えてもらいたい、などの要望ありましたらコメント欄に頂けると嬉しいです。

感想などお待ちしています。

皆様の「コメント」や「スキ」が励みになります。

では、また!


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