『鉄球(ハンマー)は教えてくれた』室伏重信著
オリンピック元日本代表、元日本記録保持者。
室伏重信氏の日本記録を破ったのは、息子である室伏広治氏。
幼い頃は、相撲に強くあこがれ、柔道に弱くあこがれていたそう。
瞬発的な力は小さい頃から強く、長距離はからきしダメだった。
「鉄球(ハンマー)は私の青春そのものである」という室伏重信氏は、コーチとして、息子である室伏広治氏をただただ見て、アドバイスはほとんどしなかったといいます。
ところが、この本では、幼児期からの感覚の磨き方、スランプの乗り越え方、トレーニング方法について、哲学的な思考が語られます。
答えがわかっていても言わない。
そういうコーチと選手の関係性を築いていたのでしょう。
競技者としての「専門的体力」についてだけでなく、「一般的体力」についての記述も多い。
師いわく、
健康を保つための最も効果的で最も手軽な手段は、「歩くこと」。
「早歩きこそ、健康への近道」だと。
アスリートの思考、コーチのあり方、健康法と様々な読み方のできる本です。
1982年の刊行で、もう手に入らないだろうけれど。
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