#介護「家族の意向とリスクの間で」
「認知症の方はよく転倒されるようになり、
大腿骨を骨折して寝たきりになる方が、
とても多いんです」。
私のおかんが毎日通う、
デイサービスの相談員の方が、
心配そうな顔でアドバイスをしてくださった。
おかんは利用するデイサービスの室内で、
押し車を使って、
ゆっくりだが自分で歩いて移動している。
11月頃より、
おかんの歩行が少し不安定になり、
右に傾いたり、
少しフラフラする場面が増えていた。
そんな時、
状態によっては車椅子を使って
過ごしてもらっていると報告は受けていた。
目に見えてわかるリスクに、
柔軟に対応して頂いているのだと、
有り難く思っていた。
11月の半ばに入って、
送迎車でおかんを自宅まで送ってきてくれた、
介護スタッフ兼運転手の方に、
たまたまお会いすることができて、
今のおかんのデイサービスでの様子を伺うと、
「毎日車椅子を利用して、
落ち着いて過ごされていますよ!」
その言葉に少し疑問を持った。
その後、
相談員の方に電話をかけて、
直接、私は疑問点を聴いてみた。
「母は、ずっと車椅子で過ごす形に
なっているんですか?」。
相談員の方は仰った。
「はい、転倒のリスクがあるので‥」。
おかんや家族の意向として、
「可能な限り歩くことを続けてほしい。
もし転倒して骨折しても、
悔いはない。
今、自分で動いて、
自分で選んで生活することを、
可能な限り続けることが、
求める暮らしなんです」。
もちろんリスクはあるし、
関わる介護スタッフの方も、
おかんを思って、
してくださっていた車椅子対応なのだろう。
毎日の忙しさの中で、
サービス提供側として確実にできる、
安全な策を選んでくれたのだろう。
ただ、
本人や家族の意向として伝えていて、
サービス提供側としても、
最初に了承してくださっているのならば、
大きく対応を変える時には、
一言、
相談があるべきではないだろうか。
安全を守る代わりに、
足の筋力は、
あっという間に衰えるのだ。
本人や家族にとっては、
人生を左右する、
大きな問題なのだ。
事業所の大変さもわかるつもりだ。
私が働く会社のデイサービスでも、
一度車椅子を使いだすと、
惰性で使い続けてしまうケースも見てきた。
その都度、話し合ってきた。
いずれおかんも、
歩けなくなる日も来るだろう。
車椅子で幸せに暮らす生き方も、
考えていかなければならない。
しかし、
今はまだ、
ゆっくりゆっくりと、
おかんは歩いているのだ。
サポートの限界と言われるまでは、
おかんの思いは尊重したい。
今後もサービス事業所との相談を、
定期的に続けていきたい。
「おはようございます!」
いつも元気に、
デイサービスの送迎スタッフの方が、
迎えに来てくださる。
今日も笑顔で、
おかんは送迎車に乗り込む。
本当に有難いサービスだ。
おかんは今日も、
冗談を言いながら、
笑顔で、
デイサービスの室内を、
ゆっくりゆっくり、
歩かせてもらっている。
<スタエフライブの告知です>
12月8日(金)21時30分〜。
「笑っていい恋バナ」
恋バナゲスト:八風さん
どんな恋バナを聴かせてくださるのか、
とっても楽しみです🎙️✨。