つながり活動 〜認知症のおかんとつながる〜
私のおかんは、認知症が進行している。
進行度合いを季節で例えるなら、
春夏秋冬の、
秋に差し掛かってきたイメージ。
現在、一人暮らしを続けていて、
基本は私が朝晩に実家によって、
サポートをしている。
いけるところまで、この生活を続けていくことが、
本人や家族の希望である。
今年の2月に介護保険サービスを受け始め、
日中のサポートを受ける形になってから、
半年以上が経ったが、
生活上、出来ないことが少しずつ増えてきている。
毎日、おかんと会話をするが、
うまく言葉が出なかったり、
内容が噛み合わないことも多い。
そんなおかんが、
最近、自分自身で出来ることが少なくなってきていることに対して、
「 もう、わたしもあかんな〜、迷惑ばっかりかけるわ〜 」。
と言うことが多くなった。
私はその言葉を聞いて、
いつも胸が張り裂けそうになる。
誰もが老い、そして出来なくなることが増えてくる。
出来ていた頃の自分と比較して、情けないと感じてしまうのだと思う。
子供や周りに迷惑をかけていると思い、辛くなってしまうのだと思う。
本人にとっては、そのことを仕方ないと軽く片付けられないと思う。
今まで必死に家族を支えてくれたのに、
どうしてそういう切ない思いばかりを、
感じないといけないのだろうか。
だから私は、
おかんに頼るということをしている。
まだ、誰かのために役に立っているということを感じてもらいたい。
もちろん私にとっては、
生きてくれているだけで、
存在だけで充分なのだが、
本人が手ごたえを脳だけではなく、肌でも感じられるように、
朝に実家に訪れた私のためにご飯を用意してもらっている。
今では調理は出来なくなり、
パンを袋から出して、
皿ににのせてくれるだけなのだが、
私はおかんがテーブルに並べてくれるのを、
見守っているだけでいる。
「 いつも助かる、ありがとう 」
と、私は本気で感謝している。
認知症の方へのサポートについては、
いろんな専門家が、いろんなアプローチをしているが、
私は介護をする者として、
「 自尊心を保つサポート 」
を1番大事にしたいと思っている。
出来ないことが増えていく中で、
いかに出来ることを諦めずに引き出せるか、
いかに出来る形に工夫できるか、
その視点を、
とても大切にしたいと思っている。
もちろん、
食事、睡眠、排泄など、健康な状態でいないといけないし、
忘れたり、情報整理や判断ができにくくなることへの
サポートも必要なのだが、
やっぱり、
「 必要とされている 」
「 大切にされている 」
ということを、
私は1番に伝えたい。
「 認知症のおかんとつながる 」。
今もなお、
おかんから、
たくさんのことを教えてもらっていると感じている。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?