【小説】切れかけ電球逃避行
貴方はいつだってそういうことを言う。頼り方も愛され方も慰められ方も知らないあたしを、何度だって抱きしめて同じことを言う。
「僕が愛してあげるから、まだ死なないでよ」
と。
あたしは別に自分がこの世で一番不幸なんだなんて言ってるわけではないんだ。ただ、苦しくてもう息も吸えないような夜に一人になっちまうのが耐えられないだけなんだ。あたしは何も知らなかったから。
「どうして向日葵と太陽は恋仲なのかな」
「どうしてって、そういうものなんだよ」
貴方は心底興味なさそうに吐き捨てる。貴方