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詩ことばの森 森 雪拾(もり ゆきひろ)

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複雑で変化の激しい時代ゆえに 優しさと癒やしの詩の世界を伝えていければと思います
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記事一覧

詩ことばの森(269)「大きな石」

大きな石 大きな石は どこから来たのか 渓谷の山が削れて 落ちてきたのだ それはずっと昔の…

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詩ことばの森(268)「古い森」

古い森 古いけやきの森に 秋が訪れる 光が柔らかく 森も土も人も 穏やかな空気に包まれる …

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詩ことばの森(266)「冬の到来」

冬の到来 寒い季節がやってくると 夏が懐かしくなった 猛暑が辛くて 早く涼しくなればいい…

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詩ことばの森(265)「竹藪の家」

竹藪の家 家の裏には竹藪があって 夏は風が吹くと涼し気だった 秋になると寂しい音が聞こえる…

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詩ことばの森(264)「こころ」

こころ 遠くに山が見える日に ぼくは ぼくの存在を知る 大地の上に 小さな自分を 宇宙はも…

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詩ことばの森(263)「武蔵野の風」

武蔵野の風 武蔵野の風が 野を走る 闇を突き抜け 光を灯せ 冬に向かいて 凛然と立つ 野の…

UNWIND&KOMOREBI
10日前
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詩ことばの森(262)「ゆく秋」

ゆく秋 11月も中旬になったけど 暑くて汗をかいたのだった 空は真青で 柿の実が光っている 美味しそうな柿だな そんなことを思って いつもの川沿いの道を 僕は ひたすら歩いていた 今年も もうすぐ終わりなのだな 感慨深い気持ちでいたら 遠くでカラスが二度鳴いた 自然に足が速くなった いろいろなことがあったけど あっというまに月日がすぎた そんなことを思いながら 僕は ひたすら歩くのだ (森雪拾)

詩ことばの森(261)「銀色の川」

銀色の川 ここは   すすきの原 だあれもいない 去年は夏に訪ねたが 晩秋の野に風の音も静…

UNWIND&KOMOREBI
2週間前
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詩ことばの森(260)「龍の村」

龍の村 昔むかし 龍が棲んでいた川がありました やさしい龍は村人に 恵みの雨をふらせました…

UNWIND&KOMOREBI
2週間前
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詩ことばの森(259)「むずかしい詩」

むずかしい詩 ある日 ぼくは むずかしい詩をよんでいた あまりにも意味がわからなくて ぼく…

UNWIND&KOMOREBI
2週間前
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詩ことばの森(258)「おまもり」

おまもり 人は生きていくために 小さなお守りを持っている それは ささやかなもの だけど …

UNWIND&KOMOREBI
2週間前
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詩ことばの森(257)「真実の鏡」

真実の鏡 ほんとうのことは 目にはみえないらしい テレビドラマの会話だった ほんとうは本の…

UNWIND&KOMOREBI
3週間前
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詩ことばの森(255)「酔客万来」

酔客万来 いうなれば と彼はつづけた 赤い顔で気分よく なめらかな口調で つまるところ と彼…

UNWIND&KOMOREBI
3週間前
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詩ことばの森(254)「詩人との出会い」

詩人との出会い ある日 詩人の道を 歩いてみたが どこにも詩人はいなかった 夏は青い木々も 秋になれば色づき始めるが 時をへだてても 僕はやはり詩人に会えずにいた ならば 大きな声で 詩人 詩人よ と呼びかけでもしたらどうだろう 池のカモたちが驚いて逃げ出すに違いない たぶん 誰も求めてなどいないのだ 詩人は不用な存在なのだ ああ そうだったんだなあ と思いながら歩いていくと 向こうから  正真正銘の詩人がやってきたのだ