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詩ことばの森 森 雪拾(もり ゆきひろ)

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複雑で変化の激しい時代ゆえに 優しさと癒やしの詩の世界を伝えていければと思います
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記事一覧

詩ことばの森(261)「銀色の川」

銀色の川 ここは   すすきの原 だあれもいない 去年は夏に訪ねたが 晩秋の野に風の音も静…

UNWIND&KOMOREBI
11時間前
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詩ことばの森(260)「龍の村」

龍の村 昔むかし 龍が棲んでいた川がありました やさしい龍は村人に 恵みの雨をふらせました…

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詩ことばの森(259)「むずかしい詩」

むずかしい詩 ある日 ぼくは むずかしい詩をよんでいた あまりにも意味がわからなくて ぼく…

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詩ことばの森(258)「おまもり」

おまもり 人は生きていくために 小さなお守りを持っている それは ささやかなもの だけど …

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詩ことばの森(257)「真実の鏡」

真実の鏡 ほんとうのことは 目にはみえないらしい テレビドラマの会話だった ほんとうは本の…

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詩ことばの森(255)「酔客万来」

酔客万来 いうなれば と彼はつづけた 赤い顔で気分よく なめらかな口調で つまるところ と彼…

UNWIND&KOMOREBI
10日前
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詩ことばの森(254)「詩人との出会い」

詩人との出会い ある日 詩人の道を 歩いてみたが どこにも詩人はいなかった 夏は青い木々も 秋になれば色づき始めるが 時をへだてても 僕はやはり詩人に会えずにいた ならば 大きな声で 詩人 詩人よ と呼びかけでもしたらどうだろう 池のカモたちが驚いて逃げ出すに違いない たぶん 誰も求めてなどいないのだ 詩人は不用な存在なのだ ああ そうだったんだなあ と思いながら歩いていくと 向こうから  正真正銘の詩人がやってきたのだ

詩ことばの森(253)「秋の仏」

秋の仏 十一月だというのに なんだか暖かくて 春のようだと僕らは語った ぼんやりした頭で い…

UNWIND&KOMOREBI
2週間前
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詩ことばの森(252)「母校を訪ねて」

母校を訪ねて 数十年ぶりに 母校を訪ねた その日は秋晴れで 清々しい日だった 校庭の植木…

UNWIND&KOMOREBI
2週間前
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詩ことばの森(251)「孤舟」

孤舟   だれもいない 岬できこえる 波音とともに なつかしいものたちの声 広がる青色のなか…

UNWIND&KOMOREBI
2週間前
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詩ことばの森(250)「幻の山」

幻の山 長い道のりのあいだ 山肌には岩が目立ちはじめ  木々は遠くなった 白く光る山は あ…

UNWIND&KOMOREBI
2週間前
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詩ことばの森(249)「高原にて」

詩人の夢 あの日   君は 僕の隣に座って 遠い空を見つめていた・・・ そんな昔の詩人みたい…

UNWIND&KOMOREBI
3週間前
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詩ことばの森(247)「秋の落葉」

秋の落葉 はらはらと 落ちていく またはらはらと 秋の風に吹かれて ぼくは立ち尽くす そんな…

UNWIND&KOMOREBI
3週間前
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詩ことばの森(244)「種を蒔く」

種を蒔く 僕はなれない手つきで 種を蒔いたのだった 畑は夏の土とちがって かわいたやさしい音を立てた 耕すと小さな虫たちが もぞもぞと這い出てくる 彼らにとっては迷惑なことだろう 冬越しの準備に忙しいというのに 今年は猛暑だったから ようやくほっとしてるのは 僕ばかりではないだろう 人の背丈ほどのびたオクラも 色褪せて落ち着いてきたようだ 空の上から聞こえてきたのは カエルたちの合唱だが なぜか蔵の壁に張りついて 天に向かって叫んでる 月日が経つのは早いもの すべ