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2025年2月13日 254億円寄付するなら

私は、どうでもいいことを掘り下げて考えるのが好きです。
先日、友達と喋っていた際、
「254億円、寄付するとしたら、どこにどんな風に寄付するか?」という話になりました。

宝塚市に、病院建設費などのために、
254億円寄付したというニュースを受けてのものです。
254億円寄付するってどんな気持ちがするものでしょう。 
「254億円あったらいいなぁ」
「254億円あれば何をしよう」
「254億円あったら何を買おう」という気持ちはもちろんありますが、
それ以上に、その額を寄付するという行為に、興味を持ちました。 
その病院にお世話になったことがあるとか、
病院の苦境をどこかで知ったのでしょうか。
これだけ、財産があるとなると、
贅沢のほとんどは、叶えられます。
素晴らしい旅行や食事、
ブランドのバッグや洋服、
希少な美術品も購入することができます。
もっと危険な楽しみ、酒やドラッグに走る人もいるかもしれません。
そういった嗜好品であれば、
あの額を数年で使い果たすことも十分可能でしょう。

そうだというのに、あの方々があの額を寄付することに決めたという点に、
人間の面白さがあると感じました。
なんてもったいない!と思う人もいるでしょう。
しかし、私はロマンを感じるのです。
社会に対して何か良いことをしたい、という
人間の思いが
時に、贅沢への欲求、消費への欲求を超える、というのは、素晴らしいロマンだと思います。
人間には、善意が存在するのかもしれません。

ずいぶん悩まれて、寄付したのか、
何かきっかけがあったのか、
以前から計画済みであったのか、
寄付する際にはどのように寄付先を選定したのか、
気になることは沢山あります。

もちろん、私にはあのような財産はないし、
未来永劫、あんなことをする機会はないはずですが、
思考実験はできる、と思ったのです。

もし、254億円を寄付することができるとしたら、
何の分野にどのような形で、どれくらい、
寄付するのが良いでしょうか。
面白い思考実験ではありませんか?

まず、私が思いついたのは、
児童養護施設など、子どもに関する分野に寄付をしたいということです。
そこで生活している子どもたちの生活を向上させるために使って欲しい(日頃の食事・生活用品、文房具、おもちゃ、タブレットなど)のはもちろんですが、
働いているスタッフの給与を上げる、
人員を増やすなどのスタッフ側の待遇改善にも使って欲しい、と考えました。
スタッフ側に心のゆとりや生活の余裕がないと、
施設運営もきっと困難になるはずです。
夜勤手当や資格手当などもきちんと支払って欲しいです。
また、児童養護施設が
今後、経済的に困らないようなシステムの構築にもお金を使って欲しい、と考えます。
何かないものでしょうか…。

次に思いついたのは、本家と同じく、医療機関への寄付です。
建物の改築に使うというよりは、
医師、そしてそれ以外のコメディカル養成のための基金、奨学金を作るという寄付の仕方をしたいです。
経済的に厳しい家庭に生まれたけれど、
医療を目指す若者や
別の分野で働いていたがやはり医療職につきたいという人は、沢山いると思います。
勉強して、職に着くまでを
金銭的にサポートするシステムがもっとあっても良いのではないでしょうか。
金銭的に不安定なまま、勉強をするのはとても大変なことです。
安心して、勉強できてこそ、よい医療者が生まれる気がします。
また、新薬の研究にもお金は必要です。
新薬の研究への寄付もよさそうです。
ただ、これは何の薬に特に寄付をするかということを選定する必要がありそうです。
認知症なのか、がんなのか、婦人科疾患なのか、精神病なのか、新しい薬が待たれる分野はいくつもあります。
いずれも研究費を必要としていることでしょう。


また、車の自動運転の研究とその普及にもお金を出したいです。
自動運転車が普及すれば、地方の活性化にもつながるのではないか、というのは、
格好をつけた理由で、
ペーパードライバー歴が長く、運転に自信がないからです。
誰でも使える自動運転車ができたら、私のような人もずいぶん楽になると思います。
車の販売台数も、かなり増えるはずです。
海外と日本では道幅も異なり、ニーズも異なるでしょうから、日本独自の研究が必要そうです。
こちらも研究費はいくらでも必要でしょう。
そのほかにも、ドローンなどを使った農業、
闘病を続けながら働く人の事業など寄付をしてみたい分野はまだまだあります。

寄付をするということは、その業界や研究に興味を持つということです。
また、その業界や研究が健全化され
発展することを願うことでもあります。 
何も知らずに寄付をすることはできません。
「254億円あって、それを寄付するなら?」という思考実験は、
想像以上に面白く、元気になる遊びでした。
寄付先を考えることで、
自分が何を大切に思い、何を願っているかがはっきりします。
友達と私でも、寄付したい分野はずいぶん違いました。
きっと10人いたらそれぞれの寄付したい先があるはずです。
色々な人に聞いてみて、話し合ってみるのも、相手のことがわかって良いように思います。
また、
この話に「そのお金、全部自分のものにして使うのはどうなの?」と返してくる人と
私はあまり仲良くなれないだろうと気づきました。
自分が儲ける話にしか興味がなく、思考実験も楽しめない人とは、
合わないからです。
「254億円、あなたなら、どこに寄付しますか?」



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千歳緑/code
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