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欲(よく)がないのは美徳じゃなかったかも。

月の頭に、売り上げ計算のために、銀行口座などをチェックする。
個人事業主になって1年ちょっと過ぎ、思ったより収入がググンとは上がらない。目標をちゃんと立てて、新しいアプローチをどうするかなど考えつつ作業しながら、

「そういえば、あたしってあんまり欲がないかも。」

とふっと思った。

うちの家庭は公務員と専業主婦の両親で、「現場にいないと、自分の仕事の本質じゃない。」と思ったかどうかは直接聞いていないが、昇進の話があっても断り続けるような謙虚な父。
私がいい歳になって営業職の人とお付き合いすると、「営業って嘘つくから母さんあんまり信じられないのよね〜。」と、娘の心を踏み躙る発言を、さらっと悪気なく言っちゃうような母。

だから「収入を上げる」とか、「お金持ちになる」とか、
「社長になる!」とか、
野心野望的な発言は、一切聞かれないし、なんだか言えない家庭で育った。

欲も得も無い

実際、自分も以前の職場でやや理不尽にパートから、管理職にならなきゃいけないようポジションになってしまい、控訴とかそういう…ややっこしい案件も弁護士とのやり取りも、やらなきゃいけない立場になりかけた。

パートの時から他の職員に情報が漏れないように面倒なやり取りをやらざるおえない、変な信用をおっ被された立場になっていたけれど、しかし管理職になるとダイレクトな責任まで背負うことになる。

背負いきれんよ…と思って、3年かけて別の人を見つけ、その職場とはさよならした。

で、フリー。

フリーになってもちょっと困ってる取引先の営業さんがいると、話(グチ込み)を聞いてしまう。

フリーになっても予算がちょっと…と言われると、予算内で仕事が完了するように、内容をすぐ組み替え、ご希望に沿う形にしてしまう。

これっていいんだけど、よくない時もあるよね。見積もりとか、工程表作るのって、実際の仕事より時間かかるし。

結局会社勤めの時と、スタンスはあんまり変わってないよね。(ストレスはドーンと減ったけど。)

で、「欲がない」。

「欲がないのは良くない。なんちゃって。」昔っぽい親父ギャクが頭に浮かんだだけで、終わりそうだったけど、調べてみたら…

む‐よく【無欲/無×慾】
[名・形動]欲望がないこと。欲ばらないこと。また、そのさま。「—な(の)人」「—の勝利」「—恬淡 (てんたん) 」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

善くない、良くない、好くない

これらは、悪くないとほぼ同義語で、積極的に評価できないとか、まあまあとか、そんな感じに使うけど、「欲」は「よくない」では使えないので(文法的なことまでここでは言わないで)こういうことではない。

でも、ことわざで言うところの:

欲も得も無い(よくもとくもない)

欲心利得を全く考えない。また、欲も得も考える余裕がない。「疲れ果てて—・く眠りに落ちる」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

をあらためて調べてみると、私の場合はこっちだ!

よくないじゃん!

子供も頃からの環境で、こっちに向かっているんだったら、どうでも良いから良い形で自分の「欲」を目標に近い形で引きずり出して、自分の「価値」を上げていかないといかんなぁと。

「欲」万歳!

ってこのイメージはちょっとやり過ぎか!?

静かに、なるべく人に迷惑をかけないように。

ちょっと病気をして、

でも幸せに、少しずつ老いていく…。

そんな両親を見るにつけ、
残念ながら、私の老後はこうじゃないな、
今のままでは
無事に生き延びることさえできないなぁ〜。

と、思う。

そんで、気を引き締める?秋の午後だったりする。

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