【連載小説】転送少女症候群、もしくは黍島柘十武の長い回想 #14
タクシーを降りた僕たちは、繁華街の外れの喫茶店にいました。僕は遊の話が終わったのを、その沈黙によって確認することができました。僕は訊きました。
「つまり、追いかけてるんだね、ミナを」
遊は、力の無い笑顔を浮かべて、戯けたように首を左右に振りました。
「それにしても、あまり効率的じゃないな」
「うん、でもさ、わたしだって成長しないわけじゃない。だてに恋を続けてるわけじゃ無いんだ」
「ん?」
「少しずつ、イメージできるようになってきた。飛ぶ先を、飛ぶ距離を。まあ、ぱーっとや