おかき

読書は、どこにでもどんな時代にも連れて行ってくれる、何にでもなれて色々な体験をさせてくれる最高のレジャーです。 読書感想文を徒然に綴っていきます。

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最近の記事

『スリジエセンター1991/海堂尊』を読んで

序章から不穏です。結末も悲しい。 何もこんな結末にしなくてもって海堂さんに悪態をつきたくなりました。 スリジエハートセンター創立に向けての理想を追い求め資金確保に邁進する天城医師、そして、なんとしてでも阻止したい高階医師の攻防がメインストーリーです。 政治的な権力争いは見苦しい。医療データを渡さないなんて卑怯すぎる。高階、嫌なやつ! 天城医師が世良に弱音を吐いていた言葉、とても悲しかったです。 「私は日本で愛されなかった。些細なことに反発され、刃を向けられ、足を引っ張られる

    • 『チーム・バチスタの栄光(上)&チーム・バチスタの栄光(下)/海堂尊』を読んで

      全てはここから始まったのですよね。 海堂尊さんのデビュー作で「このミス」満場一致即決の大賞受賞作ですぐに映画化しドラマ化しそれぞれ大ヒット。 久しぶりに読み返しても、テンポが良い!ムチャムチャ面白かった! 舞台は東城大学医学部付属病院。 成功率の低い難しいバチスタ手術を100%の成功率を誇るチーム・バチスタ。ところが、立て続けに3例術中死が発生し、万年講師で不定愁訴外来の田口は高階病院長から内部調査を依頼されます。行き詰まりかけてたところで厚生労働省の白鳥が調査に参加して事

      • 『極北クレイマー&極北ラプソディ/海堂尊』を読んで

        まずは、「極北クレイマー」 極北大学から極北市民病院に赴任した今中良夫。待遇は外科部長、だけども、任期は2年だけど1年更新の非常勤でボーナスなし、なんじゃこりゃ?です。 患者も看護師も医師もなんじゃこりゃのオンパレード。 そこは財政難にあえぐ赤字病院だったのです。気の毒…。 厚生労働省の姫宮が短期集中の大活躍の時はワクワクと楽しかったですねぇ。そこで多少改善すれども、医療事故問題で唯一のまともな医師である三枝医師を失ったのをきっかけに、転がり落ちるように病院が壊滅的になりま

        • 『神の悪手/芦沢央』を読んで

          将棋が趣味な父から差し方を教えてもらったけど、ちっとも面白さがわからなかった子どもの頃の私。駒の進み方しかわかりません。 そんな私なのに、将棋を題材にした作品にはなぜか心惹かれるのです。 こちらもそう、将棋にまつわる5つの短編集です。 被災地で開かれた将棋教室で出会った少年が奨励会の先輩をうっかり殺してしまった男の将棋人生をかけたアリバイ差し。成立しない詰将棋をする少年の過去。事故によって記憶障害を負ってしまった青年棋士。将棋駒を作る駒師の世界。 色んな側面から描かれてて

          『東京藝大仏さま研究室/樹原アンミツ』を読んで

          東京藝大のイメージは天才とか奇抜とか変態(←褒めてる)とかワクワクしてしまう凡人の私。 このタイトルの字面だけで、もう面白そうで惹かれてしまうんですけど、予想以上に面白かった! 通称「仏さま研究室」の正式名称は「東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻保存修復彫刻研究室」なんと31文字! ここ、実在するらしいです。 修士過程2年目、修了制作として「仏像模刻」に取り組む4人、まひる、シゲ、アイリ、ソウスケのお話し。 模刻とは実在する仏像を当時の技術通りに出来るだけ同じ素

          『東京藝大仏さま研究室/樹原アンミツ』を読んで

          『物語のものがたり/梨木香歩』を読んで

          表紙の絵に惹かれて読んだこの本は梨木香歩さんによる児童文学を詳しく解説するエッセイです。 半分くらいが「秘密の花園」、更に4分の1が「赤毛のアン」、その他に「借りぐらしのアリエッティ」や「ピーターラビット」などをちょろちょろっと、そんな感じのボリューム感でした。 梨木さんは凄いなぁ。ひとつひとつの表現にちゃんと意味を感じて見つけて深く読み解いてるんです。 私がこの本たちを読んでいたのは小学校高学年の頃だったのですが、なんてぼんやりと読んでいたのだろうと、もったいなく思い

          『物語のものがたり/梨木香歩』を読んで

          『花散る里の病棟/帚木蓬生』を読んで

          九州で4代続く町医者の野北家の物語でした。 明治時代の終わりから大正時代にかけての初代は蛔虫退治、戦時中の2代目はフィリピンで軍医をし復員後も医院を開院、3代目は医院に老健と特養を併設して高齢者医療、令和の4代目は肥満医療に取り組む中コロナ禍に。 それぞれ、その時代に求められる医療があり、使命感を持って真摯に取り組む姿に胸を打たれました。 野北家の医者は時代が違っても傲慢さなどはどこにもありません。患者に寄り添う姿勢が脈々と受け継がれてきたのでしょう。 ただ、戦地での安楽

          『花散る里の病棟/帚木蓬生』を読んで

          『星を編む/凪良ゆう』を読んで

          「汝、星の如く」の続編です。 というより、スピンオフです。 いや、違うな、2冊を読んで完全な2冊で1つの物語です。 北原先生が結ちゃんをシングルファーザーとして育てるようになった経緯を含む過去のこと。 植木さんと二階堂さんという2人の編集者が櫂を見出し育て支えていた過去とこれからのこと。 櫂が亡くなってからの暁海と北原先生の日々のこと。 前作で違和感があったことや謎だったことの答え合わせができたことも多かったです。 櫂が亡くなっても周りの人の人生は続いていきます。もちろん

          『星を編む/凪良ゆう』を読んで

          『汝、星の如く/凪良ゆう』を読んで

          「月に一度、わたしの夫は恋人に会いに行く」という文章から始まるプロローグ、不穏好きな私はハートをがっつり掴まれました。 精神を病んだ母親を必死で支えてる暁海、恋愛至上主義な母親にネグレクトされている櫂、ふたりは二人は傷を舐め合うように惹かれ合います。 漫画の脚本家として成功した櫂は東京へ行き、母親を捨てられない暁海は島に残り、遠距離恋愛となり、心がすれ違っていく、、、 そして、ただの恋愛小説ではなく、現代の社会問題がヘビー級に盛り込まれていて、ヤングケアラー、LGBTQ、S

          『汝、星の如く/凪良ゆう』を読んで

          『ブレイズメス1990/海堂尊』を読んで

          渡海先生が去ったブラックペアンから2年後、桜宮シリーズの時系列では2番目に古いお話です。 ブラックペアンで研修医だった世良は東城大学の勤務医になりました。 佐伯教授からのミッションをなんとか達成して、モナコから天才外科医の天城雪彦を連れて帰ってきたところから激動となります。 天城医師の手術技術は唯一無二のもので素晴らしい!ダイレクトアナクトモーシスって言葉がかっこいい!(←ミーハー) 高級車にフランス語に公開手術と華やかでな天城医師はブラックジャックのお洒落キザ版のぶっ

          『ブレイズメス1990/海堂尊』を読んで

          『ブラックペアン1988/海堂尊』を読んで

          海堂尊さんの医療ものが面白くて読み漁ってた時期がありました。あまりに沢山ある上に図書館で借りて読んだものもあるので、どれを読んだのか読んでないのかわからなくなってます。読んでないかもで読んだら、これ、読んでるわー!なんてことも。カタカナばっかりなんだもん。。。私みたいな方、結構いるんじゃないかな?←そうか? ドラマ・ブラックペアンシーズン2が放映されてる影響でこちらの作品を読み返しました。 アマプラでシーズン1も見返しました。 と、そんなことは置いといて、、、 桜宮シリ

          『ブラックペアン1988/海堂尊』を読んで

          『百年の子/古内一絵』を読んで

          8月の課題図書にしていたこの作品、読めて良かった。素晴らしい作品でした。 コロナ禍の令和と戦中戦後の昭和と交互に描かれていて、最後には繋がっていくだなんて! 令和では出版社文林館に勤める28歳の明日香がファッション誌の編集部から創刊百年企画チームへの納得できない異動に腐ってました。学年誌の調べ物をしていると、大好きな祖母が戦時中に文林館に勤めていたことを知ることになり、次第に気持ちが変わっていくのです。 仕事への愛着を感じて熱心になり、周囲の人との関係にも思いやりを持てる

          『百年の子/古内一絵』を読んで

          『星やどりの声/朝井リョウ』を読んで

          海に近い街で喫茶店「星やどり」を営む早坂家は三男三女と母親の7人暮らし。 それぞれの視点で語られる日々の葛藤と成長、それと、家族の存在感。 社会人から小学生まで幅広い年齢なので、その時々の自分のことを懐かしく思い出したりして、甘酸っぱい気分になったりもしました。 くっだらない会話の応酬もありつつも、愛おしい美しい言葉がそこここにあるのです。リョウくんは言葉のセンスの塊だなぁ。 家族それぞれが思いやってて優しくて、なんなら死んだお父さんも愛情と存在感たっぷりで、温かい気持

          『星やどりの声/朝井リョウ』を読んで

          『出会いなおし/森絵都』を読んで

          「年を重ねるということは、同じ相手に、何回も出会い直すことだ。会うたびに知らない顔を見せ、人は立体的になる。」 出会いがあって、別れがあって、出会いなおして、新しい関係性に、という6遍の短編集。全てに愛がありました。 この作品、しみじみと好きです。  どれも良かったけど、とくに好きだったのが、仕事への姿勢を気づかせてくれたナリキヨさんとの2回の再会を描く「出会いなおし」、そして、小学校の頃の苦い思い出を克服するために同窓会に出席して初めて真実を知った「むすびめ」。 時を

          『出会いなおし/森絵都』を読んで

          成瀬びわ湖大津観光大使に誘われて滋賀旅行その2

          滋賀旅行2日目🙌 翌日は電車を乗り継いでびわ湖バレイへ ロープウェイで絶景を眺めつつ登っていき びわ湖テラス に到着 琵琶湖を一望して大きさに驚きました😳 全貌がみえないのですよ!まるで海じゃん! 観光リフトで頂上にも行ってみました

          成瀬びわ湖大津観光大使に誘われて滋賀旅行その2

          成瀬びわ湖大津観光大使に誘われて滋賀旅行その1

          先日、お友達と滋賀を満喫する旅を楽しんできました✌️楽しかった〜🎶 きっかけは「成瀬は天下を取りにいく」そして 「成瀬は信じた道をいく」を読んでミシガンに乗りたくなったから🛳️ 滋賀の大津で集合すると、ホテルにキャリーを預けて、いそいそと大津港に向かいました いよいよミシガンで琵琶湖クルーズ 🛳️しゅっぱーつ🙌 思いの外豪華なランチボックスを食べ、甲板で海のような琵琶湖に驚き、昔の温泉センターのような明るいショー(←誉めてる)を楽しみました。 プチコスプレでポ

          成瀬びわ湖大津観光大使に誘われて滋賀旅行その1