おかき

読書は、どこにでもどんな時代にも連れて行ってくれる、何にでもなれて色々な体験をさせてく…

おかき

読書は、どこにでもどんな時代にも連れて行ってくれる、何にでもなれて色々な体験をさせてくれる最高のレジャーです。 読書感想文を徒然に綴っていきます。

最近の記事

『ブレイズメス1990/海堂尊』を読んで

渡海先生が去ったブラックペアンから2年後、桜宮シリーズの時系列では2番目に古いお話です。 ブラックペアンで研修医だった世良は東城大学の勤務医になりました。 佐伯教授からのミッションをなんとか達成して、モナコから天才外科医の天城雪彦を連れて帰ってきたところから激動となります。 天城医師の手術技術は唯一無二のもので素晴らしい!ダイレクトアナクトモーシスって言葉がかっこいい!(←ミーハー) 高級車にフランス語に公開手術と華やかでな天城医師はブラックジャックのお洒落キザ版のぶっ

    • 『ブラックペアン1988/海堂尊』を読んで

      海堂尊さんの医療ものが面白くて読み漁ってた時期がありました。あまりに沢山ある上に図書館で借りて読んだものもあるので、どれを読んだのか読んでないのかわからなくなってます。読んでないかもで読んだら、これ、読んでるわー!なんてことも。カタカナばっかりなんだもん。。。私みたいな方、結構いるんじゃないかな?←そうか? ドラマ・ブラックペアンシーズン2が放映されてる影響でこちらの作品を読み返しました。 アマプラでシーズン1も見返しました。 と、そんなことは置いといて、、、 桜宮シリ

      • 『百年の子/古内一絵』を読んで

        8月の課題図書にしていたこの作品、読めて良かった。素晴らしい作品でした。 コロナ禍の令和と戦中戦後の昭和と交互に描かれていて、最後には繋がっていくだなんて! 令和では出版社文林館に勤める28歳の明日香がファッション誌の編集部から創刊百年企画チームへの納得できない異動に腐ってました。学年誌の調べ物をしていると、大好きな祖母が戦時中に文林館に勤めていたことを知ることになり、次第に気持ちが変わっていくのです。 仕事への愛着を感じて熱心になり、周囲の人との関係にも思いやりを持てる

        • 『星やどりの声/朝井リョウ』を読んで

          海に近い街で喫茶店「星やどり」を営む早坂家は三男三女と母親の7人暮らし。 それぞれの視点で語られる日々の葛藤と成長、それと、家族の存在感。 社会人から小学生まで幅広い年齢なので、その時々の自分のことを懐かしく思い出したりして、甘酸っぱい気分になったりもしました。 くっだらない会話の応酬もありつつも、愛おしい美しい言葉がそこここにあるのです。リョウくんは言葉のセンスの塊だなぁ。 家族それぞれが思いやってて優しくて、なんなら死んだお父さんも愛情と存在感たっぷりで、温かい気持

        『ブレイズメス1990/海堂尊』を読んで

          『出会いなおし/森絵都』を読んで

          「年を重ねるということは、同じ相手に、何回も出会い直すことだ。会うたびに知らない顔を見せ、人は立体的になる。」 出会いがあって、別れがあって、出会いなおして、新しい関係性に、という6遍の短編集。全てに愛がありました。 この作品、しみじみと好きです。  どれも良かったけど、とくに好きだったのが、仕事への姿勢を気づかせてくれたナリキヨさんとの2回の再会を描く「出会いなおし」、そして、小学校の頃の苦い思い出を克服するために同窓会に出席して初めて真実を知った「むすびめ」。 時を

          『出会いなおし/森絵都』を読んで

          成瀬びわ湖大津観光大使に誘われて滋賀旅行その2

          滋賀旅行2日目🙌 翌日は電車を乗り継いでびわ湖バレイへ ロープウェイで絶景を眺めつつ登っていき びわ湖テラス に到着 琵琶湖を一望して大きさに驚きました😳 全貌がみえないのですよ!まるで海じゃん! 観光リフトで頂上にも行ってみました 観光リフトでのんびり上がって下ってお喋りして楽しかった〜🎶 途中、竹馬とか昔懐かしな遊びができるエリアなんかもあって、ちょっと興味を持ったんだけど、時間的にも大人としては我慢しました←エライ? 標高が高いので涼しかったのも暑さが苦手な

          成瀬びわ湖大津観光大使に誘われて滋賀旅行その2

          成瀬びわ湖大津観光大使に誘われて滋賀旅行その1

          先日、お友達と滋賀を満喫する旅を楽しんできました✌️楽しかった〜🎶 きっかけは「成瀬は天下を取りにいく」そして 「成瀬は信じた道をいく」を読んでミシガンに乗りたくなったから🛳️ 滋賀の大津で集合すると、ホテルにキャリーを預けて、いそいそと大津港に向かいました いよいよミシガンで琵琶湖クルーズ 🛳️しゅっぱーつ🙌 思いの外豪華なランチボックスを食べ、甲板で海のような琵琶湖に驚き、昔の温泉センターのような明るいショー(←誉めてる)を楽しみました。 スカイデッキを楽しんで

          成瀬びわ湖大津観光大使に誘われて滋賀旅行その1

          『存在のすべてを/塩田武士』を読んで

          平成3年の二児同時誘拐事件、小学6年生の子は数時間後に見つけ出されますが、4歳の子は犯人を取り逃し誘拐されたままになってしまいます。 それから3年後、誘拐された子が6歳に成長して無傷で祖父母の元に戻ってきたけれども、空白の3年間は謎のまま、事件は未解決のまま忘れ去られます。 ここまでは誘拐事件ものだと思って読んでました。塩田武士さん、ごめんなさい。 その30年後の令和3年、旧知の刑事の死をきっかけに新聞記者の角田が事件を追い始め真相が徐々に明らかに。 すごいものを読みまし

          『存在のすべてを/塩田武士』を読んで

          『星の王子様/著者:サン・テグジュペリ/訳者:河野万里子』を読んで

          7月7日七夕の日、久しぶりに読み返してみたこの本。 やっぱりいい。優しい気持ちにさせてくれます。 「ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない」 「きみのバラをかけがえのないものにしたのは、きみが、バラのために費やした時間だったんだ」 そうなんですよね〜。 平易な言葉で胸にスッと入ってきます。 余裕のない自分勝手な大人にならないようにも気をつけなくっちゃ。

          『星の王子様/著者:サン・テグジュペリ/訳者:河野万里子』を読んで

          『ツバキ文具店(&海街diary)』をオタク的に楽しむ旅

          先日、ツバキ文具店シリーズの3作目を読みまして、この丁寧な空気感、やっぱり好きだなぁ〜っとしみじみと思いました。 ツバキ文具店リスペクトのオタク旅をしたことがあります。(海街diaryも含む♡) とってもとっても楽しかった思い出を反芻していきます。 心がすれ違ったまま亡くなった先代からツバキ文具店と代筆屋を引き継いだ鳩子の1年間のお話しです。鳩子はポッポちゃん、ご近所さんはバーバラ婦人、男爵、QPちゃんとか、呼び名がとてもしっくり可愛い。 ご近所さんとの優しい交流と丁寧な

          『ツバキ文具店(&海街diary)』をオタク的に楽しむ旅

          『椿ノ恋文/小川糸』を読んで

          大好きなツバキ文具店の3作目です。 ポッポちゃんが子どもを2人産んでいて、QPちゃんを含めて3人のお母さんになってました。そして、可愛かったQPちゃんは中学3年生になってて受験生で反抗期! 時の移り変わりを感じました。 代書の依頼も順調ですっかり板についてきていました。 代書については、余命宣告を受けている方からの依頼だったり、老いた父親に免許返納をお願いするものだったり。タイトルにもなってるように最大の主題は、亡くなった先代の秘められた恋文のことだったり。 全体的に老い

          『椿ノ恋文/小川糸』を読んで

          『人間標本/湊かなえ』を読んで

          表紙を捲ると、蝶に見立てられた美少年たちの美しく耽美でグロテスクな標本の絵が6枚。 標本それぞれの表現の解説をするのは、子どもの頃に蝶に魅せられ大人になってからは蝶博士になった榊史郎。 全ての始まりは、大自然で舞うように飛ぶ蝶達に魅せられた史郎が蝶の標本を作ったことから。 それが、長い年月をかけて巡り巡って歪な影響を与えてたのです。 サイコパスな史郎が逮捕されたのは物語の中盤ほど。この後、二転三転、四転と、どんどん真実が明らかになっていくんですけど、えーっ!ええーっ!ええ

          『人間標本/湊かなえ』を読んで

          『下山事件・暗殺者たちの夏/柴田哲孝』を読んで

          叔母が何気なく放った言葉から大好きな祖父が下山事件に関わっていたという疑念を抱き、執念の取材からノンフィクション「下山事件最後の証言」を書き上げた著者が、フィクションとして書き上げた渾身の作品です。 ノンフィクションとしてはハッキリと書けない部分や埋まらない断片を、推理と想像でフィクションとして書ききっていました。 ノンフィクションの方を少し前に読んでいたので、流れも結末もわかっているのに、読んでる間、ハラハラしながら憤りながら、ずっと夢中でした。 これが、柴田哲孝さんの

          『下山事件・暗殺者たちの夏/柴田哲孝』を読んで

          『翻訳できない世界のことば』を読んで

          著者:エラ・フランシス・サンダース 訳者:前田まゆみ ある国ではひとつの単語で表せる言葉でも、他の国の言語に翻訳するとひとことでは言い表せない言葉の単語集絵本です。 日本語もいくつか載ってました。 「ぼけっと」「侘び寂び」「木漏れ日」「積ん読」です。木漏れ日って他の国の言葉にないのは日本人の美的感覚を自慢に思いましたし、積ん読が日本語だけと言うのには自分の積読本棚を思い出してちょっとだけ反省しました。 「バナナを食べている所要時間」とか「トナカイが休憩なしで疲れず歩け

          『翻訳できない世界のことば』を読んで

          『ミステリと言う勿れ14/田村由美』「読んで

          整くんは、いくつかあるうちのお気に入りのコミックのうちのひとつなのです。 単行本新刊が出たらすかさず読まなくっちゃなのです。 今回も楽しみました。 エア整くんって!笑笑 字面はアレだけど、池本刑事が整くんだったらどう考えるかと思考を真似て事件を解決したスピンオフが大部分を占める巻でした。池本刑事は仕事も夫としても成長してて良かったなあ。 そして、ガロくん、巽さん、天達先生、喜和さん、整くん、みんなの繋がりにピキっと驚きました。星座の謎がそろそろ…なのかな。 大学で過去

          『ミステリと言う勿れ14/田村由美』「読んで

          『完璧じゃない、あたしたち/王谷晶』を読んで

          イヤミスのアンソロジーで初読みして、文章の気持ちよさにやられて気になった作家さん。 解説で紹介されてたのがこちらです。 女同士の出会いと関わりと思いを描いていました。大半はショートショートで短編もあり、なんと戯曲もありの23遍。 王道の百合ものの「Same Sex, Different Day」でもついてくるところがその隙間?!すごいっ!って思いましたし、友達以上百合未満の関係性を描いた「夢で見た味」や「カナちゃんは足がない」なども発想が奇抜で面白い。 田舎住みのヤンキ

          『完璧じゃない、あたしたち/王谷晶』を読んで