日本の医療業界の偏り
↓ の記事で大抵の精神症状は臓器疾患をまず疑うべき、と書きましたが、それが難しい日本の医療事情の話です。
保険診療での原因特定
生活習慣病を確かめたくて健康診断や人間ドック行く。とても大事なことです。
が、分かるのはごく一部の疾患です。
内視鏡やレントゲンやエコーといった「臓器の見える化」で発見できるのは、器質性疾患という、内臓に物理的ダメージがある病気です。
また、血液や尿の検査も特定の臓器と紐づいています。
γ-GTPなら肝臓、クレアチニンなら腎臓。
ホルモンや栄養素、あるいは有害物質って身体中をめぐるのに、項目にないんです。
器質性疾患と機能性疾患
「見える化」できない病気を機能性疾患といいます。
器質(モノ)の損傷でなく機能の低下、という意味です。
発達障害/精神疾患の根本原因はほぼそちらです。
リーキーガット症候群や炎症を除き、臓器自体にダメージはなくホルモンや酵素の働きに問題がある病態です。
それはどうやって鑑別するの?
→検査の数字です。
栄養素、有害物質、ホルモン・酵素、これらが何かをするときは必ず化学反応が起こり、副産物が出ます。
ドーパミンの分泌量は尿中のホモバニリン酸が指標になります。
また、オリゴスキャンという光学機器で検査を行えば末端細胞に含まれる有害金属がわかります。
こういったものが普及しない理由は、日本の医療業界の偏りにあります。
見えない病気は対処療法
日本の器質性疾患治療はハイレベルです。
手術中に患部の細胞標本を作り癌の種類を特定するとか、なかなかできないと思います。
が、目に見えない機能性疾患の研究は放置されてるようです。
たとえば糖尿病。
専門の学会が存在するにも関わらず、腸内環境など根本原因へのアプローチができず、即効性のある薬剤(つまり対処療法)と食事制限です。
職人肌で凝り性だけど、一方で融通が利かない国民性ですね。
ただ令和にいたって発達障害/精神疾患の治療を妨げるのはやはり業界団体の保守性です。
団体が大きすぎて新興医療の参入する敷居が高すぎます。
アメリカのように州をまたげば法律まで違う、とはいかないようです。
エビデンスを待ったら寿命が尽きる
治療のために医学論文を漁ったことがありますが、矛盾する内容が山ほど出てきました。
エビデンスって何?
→ コンサバで巨大な業界団体が納得する量の臨床成果です。
それってまず、保険がおりて気軽にクリニックで検査できなければ作れませんよ。
服屋に着て行く服がない、と同じ理屈です。
発達障害や精神疾患を気軽に治療できる社会は、僕らが生きてる間には実現しないでしょう。
とはいえ、僕個人はこういう国に生まれ育ち、こういう ↓ 人生を送ってきたことに対しさしたる不満はありません。
「何がなんでも健康でマトモになりたい」と自分に相談を持ちかける人がいて、頑張って成果を出してるところを見ると得がたい感動があります。
自分もまた、手に入れた知見を使い、もっとずっと脳機能を向上させていくつもりです。
素人ですがご相談はお気軽にどうぞ。
以上です。