通販【つるる書店】開店のお知らせ
初のエッセイ集『春夏秋冬、ビール日和』を販売するためのネットショップの準備が、ようやく整った。
慣れないことばかりで…つ、つかれた……。
ショップ自体は整っても、肝心の本はまだない。文学フリマの会場である流通センターに直接納品されるからである。
そのようなわけで今のところ、サイトでは「予約受付中」とさせていただいております。
文学フリマが終わり次第、順次発送いたしますので、よろしければこちらからご予約くださいませ。
さてネットショップの開設において今回一番大変だったのは、発送料金の設定だった。
STORESでは発送料金を自分で設定できるのだけれど、それをいくらにしようか決めかねていたのだ。
海外に発送するとき、いったいいくらかかるんだろう。
あっ、ちなみに国内はスマートレターで送ろうと思っているので、スマートレター代とビニール袋代を合わせて発送料金200円でお受けいたします。
さて、話を海外発送に戻そう。
旅先からエアメールを送るのが趣味(?)の私は、「葉書が110円くらいで送れるんだから本一冊なら300円くらいで行くだろう」とタカをくくっていた。
とはいえまずはプロに相談しようと、先日郵便局に行った。
「外国にこのくらいの本を送りたいんですけど」
そう言って、判型とページ数の近い文庫本を差し出す。
その重さを測りながら、局員の人のよさそうな女性が「どちらへ送るんですか?」と尋ねた。
「チェコと…アメリカの方です」
「へえ!グローバルだねえ!」
いきなりの砕けた口調に慄く。
「この人、そんな有名人の人気者なんだ⁉︎」
おばちゃんはしげしげと本の表紙を眺めた。
「いやあの、穂村弘さんはたしかにおもしろいし、たぶん世界的に有名な歌人でエッセイストなんですけど……。
私が送るのは、私の本なんです」
「はえ〜!」
彼女は目を丸くして口に手を当てた。まるで漫画のような仕草に、つい噴き出してしまう。
「はえ〜!はえ〜!あなた、本書く人だったんだ!」
「いやいや。ただの趣味なんです、けど」
「でも外国に読者がいるんでしょう?すごいじゃないの!サインもらわなきゃ」
いやいやいやいや。
外国の読者って言ってもお二人ともたまたま海外在住の、noteというブログで知り合った方々というだけでして。
そう説明してもテンションの上がりきったおばちゃんを鎮めることはできず、なかなか肝心の発送料金にまで話が進まない。
この人、私が会社のお使いでレターパックを買いにきた時にはいつもすごく落ち着いて対応してくれるのに、なんで今日にかぎってこんなにハイテンションなんだろ。
へらへらと困りながら「それで、チェコとアメリカ大陸は…?」と声をかけてようやく、発送についての一覧表のようなものを持ってきてくれた。
海外への発送は追跡できるパターンとできないパターンがあるのだけれど、追跡できるのはEMSという発送方法で2450円かかり、追跡できないものは330円で行くらしい。
ぜんっぜん料金が違う。
なんなの2450円って。私の本3冊買えるじゃん。
しばらく考えていたのだけれど、海外発送の場合は330円にさせていただけたらと思います。
追跡できないのは少し心配ではあるけれども。
でも本3冊分の発送料は、率直に言ってやばい。
もし一ヶ月経っても届かない場合はご連絡くださいませ。
再び330円便にて、追加で発送させていただきます。もちろん書籍代、発送料金はこちら持ちで。
それでも届かなかったら……どうしよう。それは、その時考えさせてください。
そんなこんなでまだ発送すらしていないのに無事に届くように祈ったり、ダンボールでブックスタンドを作ったりしていたら、友だちから「文フリ関係のTwitterを見て、みんなの準備に学ぶといいよ」と連絡が来た。
たしかに。
イベント参加の準備リストはほぼこなしたつもりでいたけれど、初心者は初心者らしく先輩に学ぼう。
そしてTwitterを眺めて、気づいた。
お品書き作ってないわ。
ポスターも。
あ、無料配布なんてのもあるんだ。
せっかくだし作りたいな。
……余裕ぶっこいてネットショップなんて開店してる場合じゃなかった。
猛然とお品書きを作り、とりあえずTwitterに上げる。
ポスターはこれから。
無料配布もこれから。
えっ、これ、大丈夫なのかな?
仕事してるバヤイじゃなくない?
ていうか、note書いてる場合ですらない。
でもこの文化祭前夜のようなバタバタした高揚感は、わりと好きだ。
さぁて、23日に向けてもうひと踏ん張りしよう。
***
文フリ本番の11月23日は、ブース【テ-13】におります。一編エッセイ寄せてくれた母とデザイナーのさつきさんも、販売のお手伝いをしてくれる予定です。
もしご来場予定の方がいらしたら、お立ち寄りいただけますと幸いです。
***
【書籍情報】
『春夏秋冬、ビール日和』
つる・るるる 著
A6判並製
152頁
装幀・装画:編屋さつき
【内容紹介】
「この部屋チャタテムシが湧いてきてマジで発狂するんだけど!」
ルームシェアしていた従姉が騒ぎ出したことによって、二年ほど住んだ西葛西の部屋を泣く泣く離れることになった私。
不動産屋のお兄さんに流されるようにして決めた埼玉県のワンルームで始めた一人暮らしは、思いのほか波乱万丈でした。
いきり立つシマヘビ、いきなりグレるぬか床、黒光りするアイツとの闘争、怪しい婦人からのお誘い……。
あまりにも地味な、しかし当人にとっては重大な事件。
そしてそんな低空飛行気味な日々を癒してくれたのは、冷蔵庫のビールでした。
特に役に立つことも書いていないし、特に心を揺さぶるようなことも書いていないけれど。
ちょっと手持ち無沙汰な時にふらっと開いてふふっと笑ってもらえるような、そんな本にできたらいいなと思っています。
【著者紹介】
つる・るるる
1994 年生まれ、湘南育ち。
千葉県や東京都で従姉との二人暮らしを経て、2020 年の3 月から埼玉県のワンルームで一人暮らしを始める。
noteではぬか漬け部部長を務める。
好きなぬか漬けはカブとゆで卵、好きな味噌汁の実は切り干し大根と木綿豆腐。
note : https://note.com/tsururururu
Twitter : @shimaumaumasou
STORES:https://tsuru-rururu.stores.jp/