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【FPの農業】家庭菜園の採算と意義

こんにちは、ついじFP事務所代表の山田です。
たまに「家庭菜園は元が取れるのか?」と聞かれます。
その質問に対しては、私は毎回こう回答しています。
かなり頑張れば元は取れます、ただし、人件費を含めると赤字。
でも、プライスレスな価値が3つあります。



採算の検討①

ついじファームでの事例を単純化した場合、コストは75,000円/年です。
これは、300円/袋の野菜を毎週5袋生産すると、元が取れる金額です。
しっかり勉強し野菜と向き合っていれば、不可能ではないと考えます。
■ 75,000円/年の内訳
・ 種苗                   : 48,000円 (200円×12本×2列×5畝×2季)
・ 資材購入・更新 :   8,000円
・ 菜園利用料金     :   7,000円
・ 生ごみ処理機器 :   6,000円 (償却費35,000円/6年+消耗品1,000円) ※
・ カキ殻                :   5,000円 (1,000円×5袋) ※
・ 有機肥料            :   1,000円 ※
独自の土づくりをしているため、通常の菜園とは異なります


採算の検討② 人件費を含む

上記の事例へ、人件費を含めて考えてみましょう。
本業は会社員だとして、菜園で作業するのは5時間/週だけとします。
時給1,000円としても、240,000/年のコストが追加で発生します。
288,000円の元を取るためには、野菜の生産は毎週20袋必要です。
ピーク時のみではなく年間を通しては厳しいでしょう、赤字になります。


では、なぜ家庭菜園なんてやっているのでしょうか?
FPとして数字無しは何ともですが、プライスレスな価値があるからです。


プライスレスな価値① 食育

もしお子さんがいらっしゃるなら、家庭菜園はとくにお勧めです。
食育の機会が減り、野菜の収穫などは特へイベントになりつつあります。
収穫の楽しさに加え、育てることの大変さを学んでもらえる貴重な場です。
私は3人の子どもと一緒に、たくさんの野菜を育て、食べてきました。
子どもたちは、自分で収穫した野菜は、多少苦手なものでも食べます。
それが美味しいと、その野菜に対する苦手意識は無くなるようです。
家庭菜園は、子どもの好き嫌いをなくためにも有効だと実感しています。


プライスレスな価値② 健康維持

私の場合、自宅から菜園へ出かけると、4,000歩くらいの歩数です。
とくに外出が減ったコロナ禍以降、良い運動になっています。
栽培方法を勉強し、作換え時に輪作を計算し、常に頭を使っています。
ボケ防止効果は、私の周辺で農作業中の高齢者が証明しています。
健康状態の維持は、やがて医療費の削減にも繋がるでしょう。


プライスレスな価値③ 安心・安全

安心・安全な野菜を、家族や大切な人と食べることができます。
自分で育てた、農薬・除草剤・化学肥料を使用していない野菜です。
これは、実はとても贅沢なこと。
店頭で販売されている野菜は、どうしても見た目重視になりがちです。
多く売るために、規定内で最大量の薬剤を使用するケースもあります。
そしてその情報は、店頭には掲示されず、私たちの元にも届きません。
食の安心・安全は、お金で買うことが難しいというのが現状です。


いかがですか、かなり頑張れば、コストの元も取れるかもしれません。
ただ、3つのプライスレスな価値は、他には替え難い魅力があります。
人生100年時代、皆でゆったり家庭菜園を楽しめると良いと考えています。

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