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【カフェ営業記】卸販売でこそ問われる「あなたから買いたい」と思ってもらう力

僕は今、京都でLaughterというコーヒーショップを運営しています。

メインの事業は店舗の運営ですが、コーヒー豆の卸販売も重要な事業の一つです。
最近ではただ卸販売するだけでなく、オリジナルブレンドを作成したり、コーヒーを超えたお店全体のコンセプト作りに伴走させていただいたりすることも。

お店に足を運んでくださる方はもちろんですが、卸先としてコーヒーを使ってくださる方たちもLaughterファミリーの一員です。
特に、初めてお店作りをする場合はコーヒーの味のみならずまさに右も左も分からない状態です。僕たちも右も左も上も下も分からなくなるような経験をしたからこそ、そういった方々に寄り添える存在でありたいと思います。

店舗ビジネスは難しいと言われますが、卸売もとってもシビアな世界です。
タイ北部のコーヒー農園とのダイレクトトレードがビジネスのスタートとなったLaughter。
店舗を構えた段階から、将来的に卸販売が売り上げのメインとなっていく姿を見据えていましたがそう簡単に「卸先」が生まれるものではありません。
「地道な営業活動や!」と片っ端から電話やメールをしたこともありましたが、どれも成果にはつながらず。

開店から一年ほどで、知りあいづてやご近所の飲食店など手の届く範囲からお声がけいただく機会が出始め、最近ではお問い合わせフォームから直線ご相談いただくことも。5年の時を経て、少しずつですが卸販売の数も増えてきました。

近年は、「ヒト消費」という言葉が注目されています。
「何を買うか」ではなく「誰から買うか」
店舗の運営においてももちろんですが、卸販売ではこの力がもっと問われる時代になると思います。
コーヒーで言えば、今や街中に自家焙煎店が立ち並ぶように。
卸売を希望される方も、そもそもどこのお店に相談すれば良いかも分からない状態です。

Laughterにご相談いただいた方も「コーヒー屋が多すぎて、正直どこに頼めば良いか分かりませんでした」とおっしゃるケースも多いです。
そういった中で決め手になるのは「○○さんから聞いていた」「ロゴが印象に残っていて」「同じ大学なんです」といったまさに「誰から買うか」と言う部分。

商品を買ってもらう前の段階からもう勝負は始まっています。

そして、卸販売で大事なのはお取引が始まった後。
継続的にサポートをしていくわけですが…。
近年はコーヒー豆の価格がどんどん上がっています。原料の価格が上がっているので、僕らとしてもどうしようもありません。
時に値上げのお願いをすることもあるわけですが、そこで「価格は同じままで、豆を変更して対応できないか?」とお願いされることも。
いくらくらいまでなら許容できるか?味のクオリティと価格のバランスをどこまで求めるか?各卸先さんで状況は異なるので、そうしたニーズに一つ一つ応えていくことが大変ながらもやりがいを感じる部分でもあります。

これがただ「値段が安い」だけであれば、値上げと共に取り扱いを終了されてしまうかもしれません。
価格だけで見れば他に安いところがあるかもしれない。それでも「あそこの商品を使いたい」と思って貰うのはまさに「ヒト消費」です。

今の状況を見る限り、しばらくはコーヒー価格の高騰は続きそうです。
もはや「値上げ」をお願いすることが当たり前の時代。

コーヒーの場合は自ら栽培することでコストを抑える手段がほとんど取れないため、値上げができなければ利益率を削っていくか、クオリティを落とす道しかないと思います。

そんな時にがっちり関係性をつなぐ柱となる「あの人から、あの店から買いたい」と思ってもらえる力をじっくりと貯めていきたいと思います。

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「書く仕事をゲットする」を目標に、「日本一書くバリスタ」として、日々コーヒーの事や趣味について綴っています。
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三輪浩朔(みわこうさく)@コーヒーショップLaughter(京都)
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