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【カフェ営業記】「ハンドドリップの価値」とは?

僕は今、京都でLaughterというコーヒーショップを運営しています。


・念願の奈良「ロクメイコーヒー」さんへ

先日、奈良に行った際「ロクメイコーヒー」さんに行ってきました!
コーヒー界ではかなりの有名店で、奈良のコーヒー屋と言えば「ロクメイコーヒー」と答える方も多いのでは?
今年の7月には東京・丸の内にも新店舗をオープンされたそうです。

本店の奈良店は近鉄奈良駅から徒歩数分の好立地。
7月に京都→奈良徒歩旅に挑戦した際は既に閉店していたため、念願の訪問でした。

広々とした店内はシンプルな造り。
3連休明けの火曜日にも関わらず、カフェタイムになると沢山の方で賑わっていました。

・ドリップはなんと…!

そこで驚かされたのが、ドリップコーヒーの抽出をマシンで行っていたこと!

注文が入ると、店員さんは豆を挽いてドリッパーにセットするだけ。
後はマシンが抽出するので、抽出が終わったところでマシンからドリッパーとサーバーを外して完成です。

抽出の様子をまじまじと眺めていると、店員さんがマシンについて色々教えて下さいました。
・2023年10月に導入した
・一投ごとのお湯を注ぐ量・湯温(一投ごとに変更可)・一投ごとのインターバルの時間など細かく設定が可能
・当然マシンがレシピを考えることは出来ないので、最初のレシピはヘッドバリスタを中心に考案する
・ハンドドリップと同じメニューにすると、薄くなったり雑味が出たりするのでそのあたりの調整が難しい
などなど。当初はハンドドリップしないことに戸惑いもあったそうですが、ハンドドリップと違い手が取られないので、完成までお客さんとコミュニケーションを取ったり、洗い物の処理が出来たりとプラスの面が大きいようです。

僕も完成まで沢山お話させていただき、味づくりへの想いも相まって美味しくいただきました。

また、作業効率もかなり良くなると感じました。
ハンドドリップより抽出時間も早く、湯沸かしの時間なども短縮され、ドリップ中にも他の作業が出来るので広い店内でも3名のスタッフさんで問題なく対応されていました。

・何に価値を見出すか?

先ほどご紹介したロクメイコーヒーさんのnote記事にはこんなことが書かれています。

新しい技術が次々に生まれ、ITの進化が加速していく世の中。少し前の当たり前は、もう当たり前ではなくなっています。

私たちロクメイコーヒーも例外ではありません。人の手でいれることがなくなり、マシン化が当たり前になってきました。

大事になるのは「お客様にとっての価値は何か」を問い続けることなのだと思います。

https://note.com/rokumei_saiyou/n/n0a1addf7548dより

バリスタがハンドドリップするにしても、マシンで抽出するにしても大事なのは「お客様にとっての価値は何か」なのです。

奈良店のような規模(席数40席ほどだったかと…)となれば、一杯一杯ハンドドリップしていればかなりの時間が掛かりますし、ドリップし続けるスタッフさんの負担もかなりのものになると想像されます。

となれば、コーヒーを提供するスピードをしっかり担保しつつ、コミュニケーションもしっかり取れる。
マシンでの提供が「お客様にとっての価値を最大化する」ことに繋がると考えられたからこそ、マシンを導入されたのかなと。
僭越ながらそんなことを考えていました。

・十人十色の価値の見出し方

一方で、全てのコーヒー店がそうなるか?と言われると必ずしもそうではないなと。
例えば、うちのような小さなお店の場合。
店主とお店がニアリーイコールのような状態になっています。その場合はやっぱり「店主自らがハンドドリップしている」ことが大事なのかなと。

それこそが、「お客様にとっての価値」になるからです。
いつものマスターに、いつものコーヒーを淹れてもらう。
コーヒーを通じて、マスターとの時間を楽しんでいる。

そんな時間が流れるお店がマシンを導入したら…。
お客様からすれば「それはこのお店に求めていることじゃない」と思われてしまうでしょう。

・マシンはすごい!だからこそ…

僕はどっちかが良い!というつもりは全くありません。
最初は半信半疑なところもありましたが、マシンで抽出されたコーヒーもめちゃくちゃ美味しいし、確かにハンドドリップよりもゆっくり店員さんと話せる感じがします。

ドリップだけでなく、エスプレッソやラテアート、焙煎もオートマシン化がどんどん進んでいます。

スピード・安定性はもちろん、コーヒー豆などの値段がどんどん上がっていく中で人件費が抑えられることは、値段の安定性を消費者に担保するうえでも大きなメリットです。

だからこそ、「自分たちのお店は何を価値とし、何を残すか?」が問われています。

時代の流れを読みつつも、自分たちのお店が何を価値と感じ選んでもらっているのかを冷静に見極めたうえで、それを伸ばしていくことが大切なんじゃないかと再確認した一日でした。

「書く仕事をゲットする」を目標に、「日本一書くバリスタ」として、日々コーヒーの事や趣味について綴っています。

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三輪浩朔(みわこうさく)@コーヒーショップLaughter(京都)
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