
あいつサッカー続けるんだってさ
息子(小1)が半年前から小学校のサッカー教室に通い始めた。中学校のサッカー部をフェイドアウトした過去を持つ旦那は、最初から大反対だった。
◉将来の夢がサッカー選手に
毎週土日が練習日。出られる日だけでok♪というトーンだったが、蓋を開けてみるとメンバーみんなほぼ100%の参加率。我が家は、家族で出かける時間も取りたいので、参加率50%をギリギリ死守の状態。
もともと器用でもない息子のプレイレベルは相対的に伸び悩み、練習試合のときは見ていてヤキモキするレベルだった。
それでも一度だけ、他校との練習試合で偶然シュートを決められた。目を丸くして一番驚いていたのは、息子本人だった。
昔からドーナツ屋さん一筋だった将来の夢は、その日から「サッカー選手」に変わった。よほど嬉しかったのだろう。毎日ボールタッチの練習もするようになった。
◉レッドオーシャンな少年サッカー
でも国民的人気スポーツのサッカーは、そんなに甘くない。
チームメイトは、100%の参加率に加え、お父さんとの自主練も重ねて、メキメキ上達していく。差は埋められないほどに広がっていった。
そんななかサッカー教室のコーチからリーグ戦開始のお知らせが来た。
これからは、人数も限られるので全員が試合に出られるわけではありません。スタメンは練習を頑張っている、練習参加率の高い子にしたいと思います。そんな旨のお知らせがあった。
息子には正直に伝えると、
「じゃあ僕は試合出られないね」と答えた。
胸が痛んだ。練習を休んでいるのは、ほとんど親の都合だ。
しばらくは練習頑張ろうね、などと励ましながらも、小1にしてはレッドオーシャンすぎるサッカーの競争の熾烈さを思い知った。
◉何が正解かはわからない。それを決めるのは息子。
でも息子は試合に出られなくてもサッカーを続けたいと言う。その意思はあるようだ。
一方で家族とのハイキングやキャンプを諦めてまで試合に出たくは無いと言う。
きっと100%サッカーの練習に参加して、練習に没頭するのが、ある意味正解なんだろう。コーチにも褒められるしうまくいけば試合にも出させてもらえるかもしれない。
旦那は言う。サッカーは100%を求められる大変なスポーツだよ。僕は100%練習に出ていても試合に出してもらえない経験もしている。だから反対した。もっと自分の得意なことをした方がいいんじゃないかな?
来ないであろう試合の出番を、ベンチで待ち続ける息子の姿が目に浮かぶ。何が正解かはわからない。
でも周りに流されずに、自分なりの価値観、バランスやペースを保ちながら続ける。大人でもなかなか難しいことだけれど、頑張ってチャレンジしてほしい。
息子はいま楽しそうにサッカーを続けている。お世辞にも上手いとは言えない。けれど、彼なりのペースで成長して、少しずつ手応えや面白さを感じているようだ。一方で上手い子との埋められない差や、それに対する気持ちの折り合いの付け方を探っている様子。
此の先どうなるのかは分からないし、正解が何かは分からない。待っているのはハッピーエンドではない予感もする。でも親が先回りして心配しても仕方ない。きっと無駄な経験ではないはず。それだけは分かる。
とにかく息子の意思を尊重し、できることを精一杯していくしかない。がんばれ、息子。