large cedar

ご覧いただきありがとうございます。医療系コンテンツの編集者です。今はフリーの医療ライター兼時々エディター。ドクターインタビューと患者さん向けコンテンツが得意。息子と娘と夫の4人家族で22-23年はボストン在住してました。帰国後は子供と一緒に英語学習しつつ仕事エンジンも再開。

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ご覧いただきありがとうございます。医療系コンテンツの編集者です。今はフリーの医療ライター兼時々エディター。ドクターインタビューと患者さん向けコンテンツが得意。息子と娘と夫の4人家族で22-23年はボストン在住してました。帰国後は子供と一緒に英語学習しつつ仕事エンジンも再開。

マガジン

  • note注目記事とコンテスト受賞記事、まとめ記事

    note公式さんに注目記事やまとめ記事、コンテストで選んで頂いた記事。埋もれないようこちらにまとめておきます。

  • 医療情報

    医療について書いた記事をまとめています。

  • アメリカ生活の振り返り

    2年弱のアメリカ滞在中に「これはいいな。真似したい」と思ったポイント、滞在を経て得られた新たな気付きを書き留めていきます。

  • 家族+くらし

    家族のこと。その土台になる暮らしのこと。などについて思うことをまとめています。

  • 黒猫のミリー

    黒猫のミリーの物語。

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クリスマスのニューヨークを一度訪れてみたかった。

ニューヨークを訪れるなら、クリスマスシーズンにしよう。ずっとそう決めていた。 まるで絵本のような、子供達の夢がたくさんつまった、ロックフェラーの大きなツリーを、ひとめ見たかった。 その夢を実現するチャンスが、先日ようやく到来した。 ■長距離列車でボストンからニューヨークへ ボストンからニューヨークは長距離列車を使っておよそ4時間弱。家族4人で往復合計、約$830かかる(涙)。 子供達のリクエストにより、お手製おにぎり弁当を持参。のどかな車窓を楽しみながら、車内で昼食

    • 安心感が生む、心からの笑顔

      ❏歯科検診が待ち遠しい娘 歯科検診の日の朝、小学1年生の娘が言った。 「今日はミカン味とモモ味、どっちにしようかな?」 歯科クリニックに行くのを待ち遠しそうにしている。歯のクリーニングのときの歯磨き剤の味を、ミカン味とモモ味、イチゴ味から選ばせてもらえるのが楽しみなようだ。 時代が変わったなと、思わず微笑んでしまう。 私が子供の頃、歯医者さんは「怖い場所」だった。当時は虫歯が進行して初めて行く場所。大きな椅子に座り、治療が始まると、あの甲高い機械音が響き渡り、歯を削ら

      • 黒猫のミリー【最終話:探していたもの】

        何日も彷徨い歩き、ミリーはようやく気づいた。探し求めていたものは、自宅の庭にあった紅葉だった。 ダイニングテーブルから見ることのできる紅葉。家事や書類作業がひと段落したとき、窓の外を眺めて、その姿を愛でるのが楽しみだった。子供が小さかった怒涛の日々、思春期で口論の絶えなかった日々、やがて成人し巣立っていったあの日。これからは夫婦で過ごす時間を楽しもうと話していた矢先、夫に難治性の病が見つかり、帰らぬ人となったその時も。 家からは誰もいなくなったけれど、紅葉だけは変わらずそ

        • 黒猫のミリー【vol.4:記憶の糸がほどけるとき】

          ミリーは昨夜、夢を見た。 夢の中で、ミリーは人間で、4人の子供のお母さんだった。汗だくになりながら、ようやく大量の春巻きを揚げ終えると、子供たちが集まってきた。「わぁー美味しそう!」と歓声があがる。「さぁ、冷めないうちに食べよう!」と、自分の弾むような声で目が覚めた。 妙にリアルな夢だった。でも、楽しかった。楽しかった? 自分でもおかしくなって、ニヤっと笑ってしまう。 ☘️☘️☘️☘️☘️ 蔵之介の姿が目に入った。いつものように、忙しそうに動き回っている。いつでもどこ

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          黒猫のミリー【vol.3:桜並木のある住宅街】

          白猫の名前は「ソラ」。 ソラは、桜並木のある住宅街で、老夫婦の住む広い家に迎え入れられた。 ソラは、いつもニコニコしているお父さんが大好きだった。段ボールのトンネルを作ってもらったり、夕飯のおかずのお刺身を少し分けてもらったり。日曜の昼下がりにはよく、読書中のお父さんの膝でお昼寝をした。 お父さんの、優しくゆったり話してくれるところが好きだった。 ソラがいると落ち着くなぁ。 ソラは僕たちの最後の子供だ。うんと長生きしてくれよな。 早起きのお父さんは、よく2階のベランダ

          黒猫のミリー【vol.3:桜並木のある住宅街】

          黒猫のミリー【vol.2:永井のばあちゃん】

          永井のばあちゃんは、ちょっと風変わりなおばあちゃんだった。 毎朝5時になると決まって赤林公園に現れ、ノラ猫たちに餌を振る舞う。祝日も雪の日も、その習慣を欠かしたことは一度もない。 ミリーも、ばあちゃんの餌にありつく"常連"に3日前から加わった。そこで出会った古株のトラ猫、蔵之介が得意げに話す。 「永井のばあちゃん家の玄関には、俺達の飯や残飯がたくさん置いてあるから夏場はたまに臭うらしい。だから近所の人がしょっちゅう文句を言いに来るんだ」 ミリーは少し不安になった。ばあ

          黒猫のミリー【vol.2:永井のばあちゃん】

          黒猫のミリー【vol.1:うなぎの蒲焼】

          黒猫のミリーは、ちっとも釈然としなかった。 あれは、夢だったのか――。 ぼんやりしてよく思い出せないが、ずっと頭から離れないシーンがある。 そこには確かに「天使」がいた。 天使は、優しそうなおばあさんと話をしていた。よく試練に耐えましたね、そんな風に、おばあさんを労っていた気がする。 それから、おばあさんは何か頼み事をしていた。最後に天使がこう話したのは覚えている。 「分かりました。50回目の日没を迎えたら神のもとへ参りましょう」 大切な話のような気もするし、取るに

          黒猫のミリー【vol.1:うなぎの蒲焼】

          黒ネコになった母へ

          母は、静かな早朝にそっと旅立っていった。 30歳を過ぎた頃から、たくさんの大きな病気を抱え乗り越えてきた母は、そのたびに身体の機能を少しずつ手放してきた。趣味のお習字、自分の足で歩くこと、自分の口から食べること、寝返りを打つこと。そして最後は呼吸をすること。 ”””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””””” 2年半前、渡米する私達家族のために親戚みんなで集まった時、母は突然泣き出した。普段はゆったり穏や

          黒ネコになった母へ

          八百屋さんは楽しい。

          こんな酷暑には、夏野菜をたっぷりとるに限る。 夏野菜には、身体をクールダウンさせたり紫外線から肌を守ったり、暑い夏を健やかに乗り切るための要素がいっぱい詰まっているそうだ。 冷水でシャッキとさせて素材の旨味を楽しんだり、軽くグリルして香ばしさを加えたら、たっぷりのおかかとめんつゆをかけて頂くのも良し、バルサミコ醤油をかけても良し。新鮮な野菜は出来るだけシンプルに頂きたい。 4人家族にとって、高価な肉を豊富に取り揃えるのはハードルが高いが、野菜をバラエティに富ませるくらい

          八百屋さんは楽しい。

          お節介おばちゃん、始めました

          近くのTULLY'Sへ行くと、最近よく遭遇するおばあちゃんがいる。 高齢者用ショッピングカートみたいなのにつかまりながら、ゆっくりと慎重に座る。足腰がたいぶ弱っている。きっとリハビリを兼ねて、TULLY'Sに通っているんだろう。アイスコーヒーを飲むとしばらくぼんやり宙を見つめて、またゆっくり立ち上がり帰っていく。 席を立つ時が一苦労だ。ショッピングカートにつかまり立ちし、少しずつ後ずさりする。ゆっくり回転すればあとは移動だ。しかし回転するタイミングで、ハタと停まる。テーブ

          お節介おばちゃん、始めました

          トラップファミリーは、アメリカ・バーモント州に眠る

          ミュージカル映画が好きだ。 小学生のころ、「ウェスト・サイド・ストーリー」や「メアリー・ポピンズ」などのクラシカル作品がテレビ放映されるたびに、母が録画して家族団欒タイムに観ていた。 ミュージカルを観ると、なぜか気分がスカッとする。幸福感や高揚感はもちろん、現実には心の内に抑え込むような、憤りや猜疑心、寂しさなどのネガティブな感情も全力全開で表現してくれるので、いつの間にかどっぷり感情移入して、それが感情のデトックスにつながるのかもしれない。 なかでも「サウンド・オブ・

          トラップファミリーは、アメリカ・バーモント州に眠る

          我が家を幸せに彩る、週に一度の「お家のパン屋さん」

          お家のパン屋さんは、子育ての一段落したお母さんが、自宅の一角で開いているパン屋さん。 週に一度、お家のパン屋さんに通う。 7年前頃に始まったそんなささやかな楽しみは、いつしか我が家にとって欠かせない習慣へと変化していた。 ❏20年営業してきたおばあちゃんのパン屋さん 我が家の近所には2軒のお家のパン屋さんがある。 このうち1軒は、70代のおばあちゃんがひとりで切り盛りするお店で、20年間の営業を経てつい最近閉店した。週2回(たいていは木曜と金曜)だけ開店し、カウンタ

          我が家を幸せに彩る、週に一度の「お家のパン屋さん」

          気持ちを上げてくれる、我が家のガラス製品たち

          先日、日本帰国から5カ月を経て、ようやく自宅に戻ることができた。諸事情により、帰国後は仮住まいを転々とする日々だった(自宅は貸していて契約期間が満了していなかった)。 仮住まい生活中、家族そろって体調を崩し続けていたが、自宅に戻るとそれが不思議なほどピタっと終息し、ようやく落ち着いた生活を楽しんでいる。先日は、久しぶりに取り出したお気に入りの品々で自宅を埋め尽くした。 ❏ラップランドの極夜が蘇るキャンドルホルダー ガラス細工は、いつまで見ていても飽きない。 どこにでも溶

          気持ちを上げてくれる、我が家のガラス製品たち

          DJしたり、ダンスしたり…アメリカの先生の自由さに笑顔をもらった

          新宿ルミネの交差点前で信号待ちをしていると、音楽を爆音で流す宣伝トラックが通り過ぎた。パラパラみたいな曲につられて、西洋人らしき観光客たちが、リズムに乗り始める。 すっかり記憶のかなたに消えたアメリカ生活の記憶が、ふわっと蘇る。 DJを披露する担任の先生 アメリカの学校で息子の担任だった先生は、ミスターGと呼ばれていた。長身でイケメン、アウトドア好き、プライベートでは音楽活動もしているという、まさに三拍子揃ったアメリカの好青年。当然、生徒達から絶大な人気を誇っていた。

          DJしたり、ダンスしたり…アメリカの先生の自由さに笑顔をもらった

          クリキャベを読むと、回鍋肉を作りたくなる。

          発売日(4/5)に、せやま南天さんの『クリームイエローの海と春キャベツのある家』を書店へ買いに行き、先週、子供達の新学期バタバタ週間の隙を見ながらゆっくり読んだ。 オリジナル版のストーリー展開と雰囲気はそのままに、過去エピソードがふんだんに追加されたことで、主人公・津麦のキャラクターが、より人間味豊かになって、とっても満足な読み応えだった。 やって当たり前、地味で面倒、無償の労働――そうやって隅っこへ追いやられてきた家事。この作品では、そんな家事にスポットライトを当ててい

          クリキャベを読むと、回鍋肉を作りたくなる。

          名をもたぬ 京の桜はなかりけり

          3月末、京都にある義実家を訪れた。 今年は遅咲きだったので桜は諦めていたけれど、思いがけず満開の枝垂れ桜を見ることができて幸運だった。 桜の時期に京都を訪れると、義父が桜の名所に案内してくれる。400本もの桜が咲き誇る平野神社や、伝説の桜守・佐野藤右衛門さんの私邸「植藤造園」など、思い出の場所がたくさんあるが、今回は京都一の早咲きで知られる「近衛邸の糸桜」を訪れた。 ❏京都帰省はいつも、お墓参りからスタート 八坂神社の裏手の、京都の街を一望できる高台に、旦那さんのご先祖

          名をもたぬ 京の桜はなかりけり