空間の響きに耳を向けすぎると調子を崩すことがあります( #今朝の一言_ラッパの吹き方 )
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先日はこんなことを書きました。
「耳」をどこに置くかで変化する
これらは自分の耳をどこに置くかで変わります。
家に設置できるような簡易的な防音室だったり、ロックバンドが練習できるような完全防音の部屋は、壁や床に吸音材をふんだんに使っているため、自分の音が空間に反響しません。
ごまかしが効かないそうした部屋では、まるで自分がいつもより下手になったような錯覚に陥り、悪いところばかりが目に(耳に)ついて、無意識のうちにいつも以上に体内へ取り込んだ空気の圧力を高め、その圧力によって楽器に空気を送り込みすぎて体のバランスを崩してしまう傾向にあります。
こうなってしまうのは、空間だけに自分の耳を置いてしまうことが原因です。
「耳を置く」というのは少し抽象的な表現で、僕がよく使う言葉なのですが、要するにどこの音を耳で捉えているのか、という意味で、楽器から遠い場所にだけ耳を置いてしまうと、空間の響きに翻弄されやすいのです。
音楽ホールでも起こりやすい「吹き込み」状態
これは、響かない場所だけでなく、ホールのように大きな空間、特に自分の前に客席という大きなスペースが生まれた際にも起こりやすい現象で、いつもはすぐ目の前に壁のある練習場で合奏をしていると、自分も含め全員の音がすぐ跳ね返ってくるその響き方に慣れてしまうと、ホールではその「音の返し」を感じられずに沢山楽器に空気を吹き込んでしまうことがあります。
狭くて響きのない空間も、ホールのような音の返しを感じられない場所でも楽器に過剰に空気を送り込んでしまえば、アパチュア(唇に用意した音を鳴らすための穴)は押し広げられ、いわゆる「開いた音」になり、バテやすく、ホールでは客席に届かない音になってしまうのです。本番当日のホールリハーサルでバテてしまう経験をしたことがあるかもしれませんが、きっとこれが原因です。
「耳」をもうひとつ用意する
そうならないためにはまず耳を置く場所をもうひとつ増やします。それはどこかと言うと、「楽器そのものの共鳴」です。
楽器の響きはどのような空間であっても同じ状態です。ですので日頃の練習から、自分の音が今どのように鳴っているかを常に耳で捉え、できるだけ楽器が共鳴する演奏の仕方を研究することが大切なのです。
そのために最も重要なのは「楽器に空気をできるだけ送り込まない」こと。よく吹奏楽の世界では「楽器に息を入れる」とか「音を遠くに飛ばす」といった表現が使われますが、これを鵜呑みにしてしまうと実は楽器はどんどん鳴らなくなってしまうのです。
具体的な奏法に関してここでは割愛しますが、まずは自分の楽器に耳を置くことを忘れないようにしてください。そうすれば、どんな部屋であっても充実した練習は可能です。
具体的な対策はツキイチレッスンやオンラインレッスンで
もっと詳しく知りたい、実際に楽器を共鳴させる方法を知りたい方はぜひ荻原のツキイチレッスンにいらしてください。ツキイチレッスンは単発参加型の、どのような内容でもOKな対面レッスンです。1ヶ月に複数回、池袋周辺で開催しております。開催日や詳細に関してはこちらをご覧ください。
遠方で来られない方は、オンラインレッスンにお申し込みください。こちらも単発で受講できるレッスンです。楽器を響かせるための知識や実践方法を学ぶだけなら、音出しができない場所から講習会のような形でレッスンを受けることもできます。ご自身の生活環境をお伝えいただければ、どのような形でも実施できますので、お気軽にお問い合わせください。
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荻原明(おぎわらあきら)
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