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#小説
昔話のその後 /第8話
「私と、零と、お母さんは、死んだの?」
震える声をぐっと抑えて、菜々子は先生に訪ねた。
目も頭もぼうっと熱い。
「先程、君を調べさせてもらったが…。君の脳は人間だ。しかしそれ以外はロボットだ。おそらく、あの事故で人体を損傷し、人間の身体のままでは生きられなかったのだろう。」
ガシャン。先生は車椅子から音を立てて崩れ落ちると、ロボットのような義足の膝をついて額を床に押し付けた。
「申し訳ない…
サイバーシティ/第2話
サイバーシティは、思っていたよりもずっと平和な街だった。そして、彼女が知っている他の街と、さほど変わらないように思えた。
街にはビルが立ち並び、皆明るく楽しそうにしていた。
気になった事といえば、皆が腕時計をしていて、その腕時計に頻繁に話しかけたり触ったりしていることだった。
「あの、その腕時計はなんですか?」
思い切って近くを歩いていた女性に聞いてみる。
「サイバーウォッチよ。電話もできる