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No.1。そして猫 /第9話
「ピヨ?」
入ってきた彼女をみて、菜々子はぽかんとした。
まさかこんなところで会うとは思っていなかっただからだ。
会えて嬉しい気持ちよりも、戸惑いが大きい。
それにさっき、俊は彼女を『No.1』と呼んだのだ。
「菜々子。久しぶり。」
ピヨは飄々とした態度で菜々子にさらっと挨拶をする。
そして先生の方に向き直って言った。
「私を覚えていますか?先生」
先生は、こっくりと頷く。目には涙が浮かんでいた
昔話のその後 /第8話
「私と、零と、お母さんは、死んだの?」
震える声をぐっと抑えて、菜々子は先生に訪ねた。
目も頭もぼうっと熱い。
「先程、君を調べさせてもらったが…。君の脳は人間だ。しかしそれ以外はロボットだ。おそらく、あの事故で人体を損傷し、人間の身体のままでは生きられなかったのだろう。」
ガシャン。先生は車椅子から音を立てて崩れ落ちると、ロボットのような義足の膝をついて額を床に押し付けた。
「申し訳ない…