持田瀞 Mochida Toro

ショートショートを描いています。時々、長編。受賞歴:『旅する日本語2018』企業賞、『渋谷ショートショートコンテストsupported by SHIBUYA TSUTAYA』優秀賞。

持田瀞 Mochida Toro

ショートショートを描いています。時々、長編。受賞歴:『旅する日本語2018』企業賞、『渋谷ショートショートコンテストsupported by SHIBUYA TSUTAYA』優秀賞。

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    ショートショート小説

  • pxxxxxx

    長編連載小説『pxxxxxx』のハコ。 現在、第三話まで公開。気長にお楽しみくださいませ。 近未来SFです。 人間が三大欲求およびそれに付随する器官を失う代わりに、精霊の力を手に入れ、新たな生物『ファントム』となった世界。

  • サイバー・C・プロジェクト

    SF小説『サイバー・C・プロジェクト』のハコ。

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夢の中で今日も、ごはん │ ショートショート

目が覚めると、野原の真ん中にいた。 屋外の筈なのに、何の音もしない。 ぐるりと辺りを見回すと、店が一軒。彼は迷わず歩き出した。 ここは、彼の夢の中なのだ。 彼は、いつも同じ夢を見る。 夢の中で、彼はまず野原にやってくる。 そして、この店に入るのだ。 暖簾の出た戸口の横の表札には、大きくこう書かれている。 『定食屋ササミ』。 この定食屋は、現実も夢も含めて、彼の唯一の行きつけの店であった。 「いらっしゃいませ。」 ササミさんは彼を見ると、にっこりした。 カウンターには既に一

    • ところでマジに退職したのですが、次の仕事がまだ何にも決まってなくて路頭に迷いそうです

      • 人生を38年もやっていると、絶対に人に触れられたくない心のベストオフセンシティブな部分の一つや二つがあるのだけど、昨日夫がその部分を土足でぶち抜いてきたので、心理的別居が確定しました

        • 退職メール文面

          毎日「辞めたい」でslackを検索していました。 それくらい、毎日辞めたい、と思っていました。 いつの間にか入り、ずぶずぶと抜け出せなかったITの世界から、 やっと足を洗えました。 ああ、良かった。 心からほっとしています。 これからは、文章を書く道に進みます。 初心者も初心者ですが、10年以上働いたIT業界よりもずっと、身近に感じます。 ITはそれ程までに、私には縁遠くいつまで経っても理解し難いものでした。 生きる術や様に正解など無いのだ、と知ったのは大学に入ってからで

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        夢の中で今日も、ごはん │ ショートショート

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        • 人生を38年もやっていると、絶対に人に触れられたくない心のベストオフセンシティブな部分の一つや二つがあるのだけど、昨日夫がその部分を土足でぶち抜いてきたので、心理的別居が確定しました

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          ただの日記

          最近、やりたいことについて考える。 やりたいことは無い、 けど、やりたくないことはいっぱいある。 やりたくないことを、毎日減らしていきたいなぁ。 例えば、無駄遣いとか。 コンビニで無駄にお菓子買ったり、読みたく無いけどダラダラ電子漫画買ったり、タクシーバンバン乗ったり、カラオケ行きたく無いのに暇つぶしに行ったり。 逆にしたい無駄遣いもある。 週に一回しかメイクしないけど、気になるメイクグッズは高くても買いたいし、お洋服も買いたい時にパッと買いたい。 可愛いカバンも買いた

          好きなこと 料理 子供と出かける 肌髪メンテ やりたくないこと 掃除 洗濯 片付け

          好きなこと 料理 子供と出かける 肌髪メンテ やりたくないこと 掃除 洗濯 片付け

          今日買ったもの カラーシャンプー トリートメント 子供の靴下 野菜と豆腐 うなぎ

          今日買ったもの カラーシャンプー トリートメント 子供の靴下 野菜と豆腐 うなぎ

          気がする屋 day.7|連載小説

          遠くで、娘たちが駆け回っているのが見える。 年の瀬だなぁ。 公園の人はまばら。 普段ここは人気があるので、たまにびっくりするほど大勢の親子で溢れている。 そこに小学生グループなど来たら、小さい子連れは退散、退散。 でも今日は、年末だからか、スカスカ。 可愛らしい雲梯も、広場も、思う存分娘二人は堪能していた。 ついでに同じ年くらいの女の子と仲良くなったようで三人で遊んでいる。 こうゆうの、とてもありがたいんだよなぁ。 ノブコは、来る前に買ったスタバのコーヒーをタンブラーか

          気がする屋 day.7|連載小説

          気がする屋 day.6|連載小説

          ああ、なんで美味しいんだろう。 ノブコは思わずほう、と溜息をはいた。 今日は、仕事終わりにタイ料理屋に来ていた。 なお、1人で、である。 ノブコは自分から誰かをご飯に誘えない。 親しい友人にすらそうで、だから、同僚なんてもってのほか。 1人で食べるのが好きだから、というよりも、誰も誘うことが出来ないから1人で食べているのだった。 それでも、ノブコはとっても幸せだった。 周りはカップルや仕事終わりの会社員グループで溢れ、1人きりのノブコは時折チラリと訝しげな視線を感じる

          気がする屋 day.6|連載小説

          気がする屋 day.5|連載小説

          喉の痛みで目が覚めて、ああ、とうとうアデノウィルスが喉に来てしまったと、ノブコは朝から暗澹とする。 今日は土曜日だった。 仕事が休みなのは良いが、声を出すことが出来ないほどに痛い。 子供とも夫とも、話しかけられはしてもこちらからはにっこりと返すことのみにする。 「喉が痛い 食材」でググってみる。 抗炎症作用や殺菌作用があるのは、大根、ネギ、ショウガなど。レンコンも良いらしい。 あとはうどんなど喉越しが良いものが示されていた。 家にあるものはそのうち限られていて、ノブコは

          気がする屋 day.5|連載小説

          気がする屋 day.4|連載小説

          夫と、仲直りをした。

          気がする屋 day.4|連載小説

          気がする屋 day.3|連載小説

          月曜日。 朝ごはんを食べた。 ヨーグルトとパン。 相変わらずの結膜炎だから、メイクをほどほどにして、眼鏡をかける。 髪は買ったばかりのリボンで結く。 うん、なかなか良い感じ。 さて、生活を大事にすると決めてから、初めての月曜日。 仕事を17:30に切り上げると心に決めたものの、心配だ。 まずは今日のスケジュールチェック。 今日中にやらなくて良いものは明日に回し、今日中のものは夕方までに終えるようにしておく。 仕事開始。 正直、いつもよりあくせくはした。 というよりも、い

          気がする屋 day.3|連載小説

          気がする屋 day.2|連載小説

          生活において、『可愛い』はすごく重要なキーだと、ノブコは次女が体操教室でトランポリンを楽しげに跳ねるのを見ながら考える。 仕事に夢中になっていると、『可愛い』は二の次だ。 リモート勤務の日はノーメイク眼鏡だし、なんなら寝癖もついている。 机の上は埃まみれ。いつ届いたか覚えのない手紙が散乱し(そのうちのいつくかには、期日までに提出が必要な書類が含まれている)、買ったまま未だ手付かずの書籍が並ぶ。 パソコンのキーボードは手垢がこびりついている。 眼鏡は5年以上前に買ったものだ。

          気がする屋 day.2|連載小説

          気がする屋 day.1|連載小説

          1.仕事のSlackを開かないこと。 2.ご飯は3食、自炊したものを食べること。 この2つについて、まずはこの土日やることにした。 と、ゆうのも仕事が忙しすぎるのである。 このままでは家庭が崩壊する、という危機感を、40年余り生きてきてノブコは初めて感じた。 今週は、夫がずっと体調が悪かった。 先週は、長女の調子が悪く、先々週は次女。 そして今日、ついにノブコにもそれはやってきた。目やにと涙が片目だけ止まらない。 アデノウイルスだ。 アデノウイルスは目にも来るらしい。

          気がする屋 day.1|連載小説

          朝子さん|ショートショート

          耳裏にひと吹き、左手首にひと吹き。 ついでに左手首は、そのまま腰元をスススと擦って。 ふわ、と香るムスク。こっそりと隠れるように舞うのはハチミツ。 ほんの少し目をつぶって、ぱちりと開ける。 さあ、今日も仕事をしなくては。 山田朝子は、会社員である。 社会人歴は12年、そのうち転職は3回。今の会社は勤めて1年と半年だ。 リモートワークがこれほどまでに浸透した昨今、朝子も例に漏れずと、自宅で仕事をしている。 パソコンを立ち上げ、合間にポットで湯を沸かす。沸いた湯はそのままお気に

          朝子さん|ショートショート

          ひさしぶりにちょっと書いた。でも終わりまでは書けなかった。書けると良いなと思う。リハビリ。別に何にも悪くなってないから、違うか。再発。これで良いか。

          ひさしぶりにちょっと書いた。でも終わりまでは書けなかった。書けると良いなと思う。リハビリ。別に何にも悪くなってないから、違うか。再発。これで良いか。