松下幸之助「心配や憂いは新しくものを考え出す一つの転機」
何の心配もなく、何の憂いもなく、何の恐れもないということになれば、この世の中はまことに安泰、きわめて結構なことであるが、実際はそうは問屋が卸さない。
人生つねに何かの心配があり、憂いがあり、恐れがある。
しかし本当は、それらのいわば人生の脅威ともいうべきものを懸命にそしてひたすらに乗り切って、刻々と事なきを得てゆくというところに、人間としての大きな生きがいをおぼえ、人生の深い味わいを感じるということが大事なのである。
この心構えがなければ、この世の中はまことに呪わしく、人生はただいたずらに暗黒ということになってしまう。
憂事に直面しても、これを恐れてはならない。
尻込みしてはならない。
“心配またよし”である。
心配や憂いは新しくものを考え出す一つの転機ではないか、そう思いなおして、正々堂々とこれと取り組む。
力をしぼる。
知恵を絞る。
するとそこから必ず、思いもかけぬ新しいものが生み出されてくるのである。
新しい道がひらけてくるのである。
まことに不思議なことだが、この不思議さがあればこそ、人の世の味わいは限りなく深いといえよう。
(参考文献 道をひらく 松下幸之助)
(感想)
壁に直面した時こそ成長のチャンス!と前向きに考えられるようになるには時間がかかる。
壁に直面している最中は、実はあまり前向きにとらえにくい。
人はみな前に進みたい。だから心配事と戦う。
その戦いの中で様々な工夫を見つけ、その心配事を乗り越えることができれば、人は成長できる。
その繰り返し。
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