日の当たる本棚

過去の記憶を日に当てて、本棚にしまっておきたい。ポツポツと書いているエッセイ置き場です。フィクションとノンフィクションが入り交じっています。人物名は全て仮名です。

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マガジン

  • 主従関係とSMと旧い記憶

    自分の為に書いた記録です。

  • 道のつづき

    続・自分の為に書いた記録です。

  • 本棚

    読んだ本のまとめです。SM、主従関係、性への悩みが関係している場合があります。大丈夫な方のみご閲覧頂ければ幸いです。

最近の記事

アダルトチルドレンと転職

※DV、虐待に伴う性的描写があります。フラッシュバックを起こしそうな方は読むのご注意ください。 やりたいことがわからない。 AC(アダルトチルドレン)には共感されやすい感情ではないだろうか? 人間が生きていく為にはお金がいる。 山奥で自給自足の暮らしをすればもしかして要らないのかもしれないけれど… でも、それ以外なら、今の時代を生き為にはお金が必要なのだ。 それをどう稼ぐかが職業選びになるのではないだろうか? 自分は状況に流されてずっと接客業をやってきた。そ

    • 性的虐待を受けていた元M女の話⑤〜カウンセリング0回目

      ※フラッシュバックを起こしそうな方は読むのご注意ください。 ※元M女というのは元々SMのM側をしていた女という意味です。今はもうしないことにしてしていませんので、元、です。 今まで不定期に行っていたカウンセリングだが、今回から定期的に行くようにした。 今まで「治療」「回復」に費やしてきた日々を思い、ちょっと泣いた。 なんというか、今更そんなに期待していない自分に気づいたし、目の前のカウンセラーさんを信用し切れていない自分にも気がついた。 ただ、かつての私はたぶん本当には誰

      • 性的虐待を受けていた元M女の話④〜さようなら毒親友達

        ※フラッシュバックを起こしそうな方は読むのご注意ください。 ※元M女というのは元々SMのM側をしていた女という意味です。今はもうしないことにしてしていませんので、元、です。 自分にとって彼女の存在は大きいものだった。 一番苦しい時に助けてくれた人だったからだ。 でも彼女は宗教家のようになり人を救うことに邁進するようになってしまった。 最後に話した時のことを思い出す。 彼女にとって私も金蔓の一人になっていたのだろう。 今までのこと感謝してる。だけどもうお金は払わない。 私が

        • 性的虐待を受けていた元M女の話③〜ほんとうのはなし〜回復と今後のきぼう

          ※フラッシュバックを起こしそうな方は読むのご注意ください。 ※最後に私が参考にした本とサイトを書きました。 どれもとても励まされる内容のものと思いますが、特に暴力や性的虐待を受けていた人は一人で取り組まずカウンセラーなどの専門家の助けを借りながら進めることをお勧めしますと注意書きがありました。 ですので、読まれる方はその点ご留意されるといいかなと思います。 ※元M女というのは元々SMのM側をしていた女という意味です。今はもうしないことにしてしていませんので、元、です。 女性

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        記事

          性的虐待を受けていた元M女の話②〜だれかにはなしをきいてほしかった

          ※フラッシュバックを起こしそうな方は読むのご注意ください。 ※最後に私が参考にした本とサイトを書きました。 どれもとても励まされる内容のものと思いますが、特に暴力や性的虐待を受けていた人は一人で取り組まずカウンセラーなどの専門家の助けを借りながら進めることをお勧めしますと注意書きがありました。 ですので、読まれる方はその点ご留意されるといいかなと思います。 ※元M女というのは元々SMのM側をしていた女という意味です。今はもうしないことにしてしていませんので、元、です。 自分

          性的虐待を受けていた元M女の話②〜だれかにはなしをきいてほしかった

          ただの個人的な過去の記憶の未整理の吐き出し

          ※虐待の描写があります。 フラッシュバックを起こしそうな方は読むのご注意ください。 ※個人的な吐き出しかつ未整理です 母は診断こそ受けていなかったが過敏性腸症候群のような症状があり、それに伴い頻繁に寝込む人だった。小学校がお休みの日の午前中に母がトイレにこもっていると、今日は私が家事をする日なんだな、と私の中でスイッチが入る。母が寝込むと父はすかさずお母さん大変だから皆で家事をやってあげようね、と言った。しかし父は包丁が怖いだとかで料理はせず、洗濯も掃除もすることはなかった

          ただの個人的な過去の記憶の未整理の吐き出し

          性的虐待を受けていた元M女の話①〜20年越しに被虐待を認めた後のトラウマ反応とそこからの回復の日々

          ※フラッシュバックを起こしそうな方は読むのご注意ください。 ※最後に私が参考にした本とサイトを書きました。 どちらもとても励まされる内容のものと思いますが、特に身体的な暴力や性的虐待を受けていた人は一人で取り組まずカウンセラーなどの専門家の助けを借りながら進めることをお勧めしますと注意書きがありました。 ですので、読まれる方はその点ご留意されるといいかなと思います。 ※元M女というのは元々SMのM側をしていた女という意味です。今はもうしないことに決めまして一切していませんので

          性的虐待を受けていた元M女の話①〜20年越しに被虐待を認めた後のトラウマ反応とそこからの回復の日々

          夜明け

          もしかしたら最後の更新になるかもしれないし、ならないかもしれない。 最近、少しずつ心が穏やかな時が増えてきているので、その話をしたいと思う。 * 風の穏やかな朝、岸辺に波が静かに打ちつけるのを聴いているように、心が静かな時がでてくるようになった。 かつて、主様は、波打ち際で溺れていた私を舟に乗せてくれたと表現したことがあったけれど、私はひとつの答を見つけつつある。 主様は、趣味のことを、まるで素人だった私に教えてくれた。 並んで無心に作業をしていく。 風の音が、鳥の声が

          空が高くなる季節に

          アダルトコンテンツをたまに見ているのだけど、なんだか昔の自分みたいな登場人物をみつけた。 たぶんSな人は好きなんだろうなと思う。地味で演技してなくて狂ってる感じ。 その作品に対する力の入った賞賛コメントを読んでいてなんだか笑ってしまった。 嘲笑とかではなくて、楽しそうだな、懐かしいな、みたいな感じ。 自分は本当はMじゃないんじゃないか、なんて悩んでいた頃があった。自分を持て囃してくれる人達にはMだと思うよって言われてて、それはまあそう言っておいた方が都合がいいものね、なんて

          空が高くなる季節に

          なつやすみ

          ※SM、暴力的表現、性に関する悩みの記述があります。 大丈夫な方のみ閲覧お願いします。 なつやすみ ストレスがかかると殴られたくなるし首を絞められたくなる。意識が遠のいて足をパタパタ動かすみたいに、何もかも忘れさせてくれる時間がほしくなる。 私のこれは破滅願望であって厳密にはMではないのかもしれないけれど、カテゴライズがしたい訳ではないのでどちらでもいい。 こういう時に主様との絆をますます強く感じる。 もうSMはしないのだけど、理解してくれている人がいることに深い安心感を

          恋話

          昔、恋話がなんでもできる友人がいた。 縄の話、SMの話、ご主人様の話、性自認の話、性的指向の話。ワンナイトの話。浮気をされている話、浮気をしている話。 世間からちょっとズレたお互いの恋の話を、なんでも、語り明かせる友人だった。 いつからか、二人の話にズレが生じた。 「悲しむ人がいるのに、楽しんでちゃいけないんじゃないの」 友人がそう唐突に言い、言われた言葉が隠していた自分の本音に突き刺さって私は頭が真っ白になり、ぼんやりと反省する言葉を落とした。 風景に薄い膜がかかったよう

          白い明日

          これは、私自身の言葉というより、何かの感覚への答え。 * 知らない人に体を許せたのは自分の輪郭が曖昧だったからだったのだと思っている。 必死に言葉を紡ぐのは自分の心が掴めないから。 書いても書いても指の間から零れ落ちる砂のように、行間から意味が溢れていく。 誰か私の心に触れてほしいとどこかでずっと思っていたような気がする。 * 特殊な性癖と性行為の奔放さには関連がないように見えるけど、特殊な性癖を持った人の多くが約束を守らない性行為をしているのを私は見てきた。 約束を

          青い花の丘/羅針盤

          生きているともうここで死んでもいいと思うような満たされる瞬間がある。 空を見上げる。のどかな春霞に照らされて、青い花の丘はたくさんの人々で賑わっている。 喧騒から少し離れた木立の中でくつろぐ姿を遠目に見つけて、私は小走りに丘を下る。 いつか私が死ぬ時に、走馬灯となってまた会いたいような穏やかな時間だった。 午後の光が青空から風を吹かせる。 アオスジアゲハが翡翠色のちいさな羽をひらひらと羽ばたかせ、ベビーカーで眠る赤ん坊の横、コスプレをして談笑しながら歩く集団の真上、そして花の

          青い花の丘/羅針盤

          秋の日

          いちょう並木が燃えるようにゆらめいて、青空とビルの谷間に遠くまで続いていた。 明るい空の下を歩く。 人が怖くて、知らない人にばかり会っていた。 働くのが怖くて、やりたくない仕事ばかりしていた。 何かを感じるのが怖くて、縮こまって過ごしていたら、外に出るのが怖くなってしまっていた。 深呼吸する。 考えすぎ、と諭してくれた声を聴く。 意味ではなく音として入ってくる声を私は背すじを伸ばして聴いている。 もっと自由に心が動く方に歩いていきたい。 人が羨むものがこの手の中にひとつも

          クリスマス

          夜景が綺麗だと感じるようになったのは、人を好きになってからだった。高台から見える街の灯も、街路樹を彩るイルミネーションも、きらきらと目に映るようになっていった。 子供の頃、それらはただの電気だと思っていた。星の灯りと比べて何も美しさを感じない、汚い、環境を汚す人間の営みだと思っていた。 大人になり、街明かりに感じた一瞬の心の動きが私はとても嬉しかった。 それから何年も経ち、人混みの中、まばゆい明かりに照らされた並木の横を歩きながら、イルミネーションを見ても何も感じなくなっ

          海のむこう

          波打ち際で溺れかけながら藻掻いていた私を主様は舟に乗せてくれた。 帰る場所がないと伝えると、お前が生きていける島がきっとある、探しに行こうと乗せてくれた。 雨の日も晴れの日もだだっ広い海の上で私は主様の話に耳を傾け、二人で並んで魚を釣ったり、嵐の中で喧嘩したりした。 いくつもの島を過ぎた頃、大海原の真ん中で、私は主様に聞いた。 この旅が終わったら、あなたはどうするのですかと。 主様には帰る場所がある。それでも、過去に幾度も海を越え、舟を操ってきたのを私は聞いていた。 まだ決め