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『僕らのシエラ・マエストラ 若松孝二と闘った映画のゲリラ戦記』 その3
「辻さんは言うことを聞きすぎるんですよ」またもや痛い言葉を大日方さんから投げかけられた。『完全なる飼育 赤い殺意』撮影期間の半ば、夕食の後のことだった。助監督の白石さんと大日方さんの間でも、僕の挙動不審な振る舞いは気になっていたのだろう。何気ない一言は、僕の急所をついていた。この苦しい現場のなか、僕なりに適応しようと監督に必死に食らいついていく中で、いつしか撮影を通じた映画そのものへの不断の批評
もっとみる『僕らのシエラ・マエストラ 若松孝二と闘った映画のゲリラ戦記』 その2
若松孝二監督、そして11人のスタッフとともに行軍する『17歳の風景』撮影の旅はもう1週間を超えていた。ただひたすらに日本海を北上する日々。監督と僕、それに助手の戸田義久君が荷台に乗り、助監督の白石和彌さんが運転する軽トラックが少年・柄本佑の自転車と並走する。どこまでも続く道路。いつ終わるとも知れないショット。ファインダーの中には初めて見る風景が流れ続ける。軽トラの荷台に据え付けられたミニクレーン
もっとみる『映画芸術』2019年11月号寄稿文「私はこれで決めました」
ゆきずりの関係なら、何度か。それ以上「映画」と深い関係になったことなど、ない。そう思っていた。だが、「映画」のほうはそうではなかったらしい。気がつくと10本をゆうに超え、20本に迫る「映画」と関係を、持ってしまっていた。だから、何かのまちがいで郵送されてきたこの執筆依頼も、受けるしかないのだろう。
ぼくの仕事はテレビのカメラマンだ。街場の小さなテレビプロダクションで、食うや食わずの金で、20代の修
『ぼくらのシエラ・マエストラ 若松孝二と闘った映画のゲリラ戦記』冒頭
「君がキャメラマンなのか。なんだ、おもったより若いなぁ」
グラデーションのティアドロップサングラス、すりきれた野球帽。たくわえた口ひげ。みるからに堅気ではないその風貌と、それに似合わないのんびりした口調。若松孝二監督からかけられた初めての声だった。そのとき僕は31歳だった。
2002年11月15日。東京・下北沢。駅近くの今は亡き小さな映画館「シネマ下北沢」のロビー。「日本心中 針生一郎・日本を丸
アベノマスクその4 〜終焉〜
アベノマスクが我が家に来て約2週間、手洗いの洗濯8回、
出社に、買い物に、大学出勤にと、大事に大事に使っていましたが、
一昨日出かけようとしたところ、妻からいつになく真剣な表情で、
「それ、ちょっとほんとにまずいからもうやめたほうがいいよ」
と言われてしまいました。その時の姿がこれ。
その時は静止の声を振り切って飛び出したのですが、
行った打ち合わせ先でも、怪訝な顔で見られてしまいまし
アベノマスクその三 〜ヤバいことに(汗)
アベノマスク、律儀につけ続けて5日間、今日も子守で公園に。
洗濯重ね(大事に手洗いしています)、縮みとほつれがますますヤバく・・・
一回の洗濯で既にこうでしたが・・・
上が洗濯1回、下が新品の時。
今はこう・・・
装着すると、ほつれが顔に当たって、かゆい!!!
もはやダブルアベノマスクは自然なものとなり、私には違和感なくなりましたが、
とにかくマスクを2重にしてると息が苦しいのです。
アベノマスクその二 2枚の謎が解けた!?
アベノマスク、2日がすぎて予想以上の縮みに慄きながら、
3日目に突入しました。その結果が上の写真・・・
縮みがどんどん進行してきて、ついに鼻も口も同時に出てきてしまいました!
恐る恐る市販の不繊布マスクと大きさを比較したら・・・
小さめサイズのマスクと比較してもこの大きさ!
さらに娘の子供用マスクと比較しても・・・
お、恐ろしい・・・
我が息子5歳は「アベノマスクがパパにひっぱられて
ビデオカメラのもち方
いきなり他人の写真で恐縮です。
とはいえ見知らぬ他人ではなく、百崎満晴さんというNHKのベテランカメラマン。
僕の大学時代の同級生で、尊敬する友人です。
彼が担いでいるのはSONYの放送用ハイビジョンカメラ。
一昔前までは、あちこちでテレビ局のカメラマンさんが担いでいるのを
目にした方も多いと思います。重さは10キロもあり、
これを担いで丸一日仕事するとくたくたになったものでした。
Transcendent_Into the ArtBrut
今日は動画で。皆さん、アール・ブリュットってご存知ですか?僕は大好物。アール・ブリュットとは、正規の美術教育を受けていない人が、美術の歴史やジャンル、流行に左右されることなく、描きたいもの、描かないといられないものを、だれの真似をすることもなく作る美術の総称です。障害を持った方も多く、この素晴らしいアートを作られています。僕もこのアール・ブリュットに魅せられ、美術の展覧会や、映像で撮ることで新しい もっとみる
ソーシャル・ディスタンス・・・
撮影の仕事がすっかりなくなってから早10日、
このところ世間でよく言われる言葉が「ソーシャル・ディスタンス」
社会的距離、という意味になると思いますが、
僕たちのお仕事、ドキュメンタリーのカメラマンは、まさに
「人との距離でいろんなことを表現するお仕事」
とも言えるわけで、
ずっとソーシャル・ディスタンスについては考えてきました。
しかし、うかつだった・・・
ウイルスのために、強制