「ご飯できたよ」と呼ばれてもすぐに食卓へ向かわないのは礼儀の問題なのだ。
母に「ご飯できたよ」と呼ばれても、返事をしなかったり、やっていることがひと段落するまで行かなかったりしていた。
すると、母の機嫌は途端に悪くなった。
できたと言っているのになぜ来ないのか、と。
ぼくにはぼくの言い分もあった。
食べたくなったら行く、いまはやっていることがあるのだ、と。
当時は母の気持ちがよくわからなかった。
なにをそんなにわずか数分のことでイライラするのか。べつに30分食べに来ないわけではないのに。
だけどいま。毎日の食事をつくるようになって、ぼくは母