それでは今日も坪内逍遥の『梓神子』を読んでいきたいと思います。
「第三回」は、巫女に乗り移った怨霊が、近年の作家の態度を嘲ったあとのことです。口寄せを頼んだ主人公の「おのれ」は、怨霊が、ただの自慢オヤジだと悟り、なにを恐れることがあるかと強くなります。今の勧懲は味方とならず却って大敵となるだろう。勧懲の常套手段は、悪行を重ねた家には必ず悪いことが起こるということを、うどんのように引きのばして見せることであるが、現に「おのれ」などは随分悪事をはたらいたが、富豪となり、紳士と尊ばれている。おぬしの小説ぐらいはシガーの煙とともに吹きとばすことができ、ガス燈の時代の丸行燈の光くらいに役に立たない。
円筒形の壁面に背景画などを描いて立体感を現すパノラマは、1792年にアイルランドの画家であるロバート・バーカー(1739-1806)によって考案され、1890(明治23)年5月7日に上野公園内に開館した「パノラマ館」で日本初登場となりました。
というところで、「第三回」が終了します!
さっそく、「第四回」へと移りたいのですが……
それはまた明日、近代でお会いしましょう!