それでは今日も坪内逍遥の「没理想の由来」を読んでいきたいと思います。
ラルフ・ワルド・エマーソン(1803-1882)の『Representative Men』は、1850年に出版されたエッセイで、エマーソンが偉大であると見なした男性6人を紹介しています。「哲学者」の章でプラトン(前427-前347)、「神秘家」の章でエマヌエル・スヴェーデンボリ(1688-1772)、「懐疑論者」の章でモンテーニュ(1533-1592)、「詩人」の章でシェークスピア、「世界の男[マン・オブ・ワールド]」の章でナポレオン(1769-1821)、「作家」の章でゲーテ(1749-1832)を挙げています。日本では、1903(明治36)年に、大日本図書から大谷正信(号は繞石[ギョウセキ])の翻訳で『標註 偉人論』という題で出版されます。
「没理想の由来」は、このあとも、1884年に出版された未詳氏の著書の批判を行なうのですが……
この続きは……
また明日、近代でお会いしましょう!