それでは今日も坪内逍遥の『梓神子』を読んでいきたいと思います。
近頃、「おのれ」は恐ろしい夢にうなされます。名医を招き薬を服しますが効果がありません。怒りを家人にぶつけてしまうこともあります。家人は、卜者に占わせて病状をあてさせてみては?と勧めます。占わせてみると、卜者は眉をひそめて、数多の怨霊に取りつかれているといいます。祈禱に着手する前に神子をたずね、怨霊の口寄せをしたほうがいいと言います。家に帰り、人を四方に走らせ、神子を探します。
ここで、神子の口寄せにおける「霊」と理想詩人が描く「人間」を、なぜか突然、絡めてきましたね。「没理想論争」前哨戦の材料となるべき匂いが、ほんのり漂ってきましたよ!
ということで、この続きは…
また明日、近代でお会いしましょう!