それでは、今日から没理想論争前哨戦を鷗外サイドから振り返ってみたいと思います。
鷗外は、新文界の批評家として、石橋忍月、内田魯庵、野口寧斎を取り上げ、このたび新たに注目すべき批評家として坪内逍遥と幸田露伴を得たといいます。そして、今回は坪内逍遥の批評眼を覗こうといいます。
鷗外は「小説三派」における三分類を紹介したあと、分類名を突如として言い換えます。
逍遥は三派に優劣なしと言っているのに、
と、三分類に「階級」を設けます。
そして、逍遥は三分類の特色を、桜や梅など、それぞれの花の特色に例えますが、鷗外は……
すべての分類を、ひとつの花に例え、その花の咲く環境による「結果の特徴」とします。
そして、次に「梅花詩集を読みて」に言及するのですが……
それはまた明日、近代でお会いしましょう!