みずねまひろ

登録していた。 公開している。 小説書いています。イラスト・写真は趣味です。

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マガジン

  • ブラック・メイデン

    ディストピアの国。 貴族のオトギリ伯爵は、自身が治めるアベルシティに向かう。 アベルシティは教育に力を入れている街で、この政策をすべての領地で行えば、領民は幸せになるという。 そこに被差別民である売人の一人ブラック・メイデンと出会い……

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#私の作品を見て 文学フリマ東京36

こんにちは。 いずれはプロになりたいアマチュアの作家、まひろです。 5月21日に行われる文学フリマ東京36に出展する作品を紹介したいと思います。 スペースはD-37です。 Webカタログはこちらから。 https://c.bunfree.net/c/tokyo36/h1/D/37 「恩知らずの闇子さん」頒布価格1000円 あらすじ 「闇の力を以て、天誅を下す!」 都子が手に入れたコンパクトミラーには、悪霊「闇子」が取り憑いていた! 闇子はことあるごとに都子の身体を乗っ取り

    • 気分が落ち込んでいるので「アーティストやクリエイターの創作衝動、周囲の期待、その統合スプレッド」を引いてみた

       仕事で大きなミスをしたわけじゃないのに、注意されて、だいぶ落ち込んでしまっています。そもそも、そのミスの始まりは私じゃないのに……。って愚痴っても仕方がないか。いい加減、大人扱いされたい。  働くことに恐怖を覚えている感じかしら。逃げてばかりの自分が嫌になる。思い切って、事務所じゃなくてお店に行こうかしら? 部長に会うかもしれないけど。  2ヶ月ぶり? に、TAZNさんの「アーティストやクリエイターの創作衝動、周囲の期待、その統合スプレッド」を引いてみました。定期的にやっ

      • ブラック・メイデン:エピローグ

         コンコン。  ノックの音がした。あたしは兄がとったホテルの扉を開ける。 「やあ、キセキ? ケガはどう?」  あの栗毛の天パがやってきた。鮮やかなエメラルドの目はとても爽やかだ。イージーオーダーのベストは、地味ではあるが、よく似合っている。 「痛むわ。強い痛み止めを使ったら、幻覚を見ちゃってさ。まさか、こんな風にラリるとは思ってもなかった。今は普通の痛み止めを飲んでいる」  肩を少しさすったあたしはホタルを通し、窓際のイスに座らせ、窓を開ける。外はとても明るく、まぶしいくらい

        • ブラック・メイデン:第六話 ランクルインズ

          「アラン修道院のシスター・カモミールのインタビューでした」  テレビから拍手が聞こえる。ベッドの上から見てたから、真面目に聞いていたわけじゃないけど、虐待児や孤児を保護する修道女の話だったようだ。  気分転換にでもと、カーテンを開けた。窓から見える太陽は痛いほど差している。外は茹だるような暑さだろう。すぐに閉めた。この青空は、今のオレにはまぶしすぎる。 「デートスポットにオススメの夜景が見えるレストランです!」  CM明けのアナウンサーの声にイラだつ。  ああ、うるさい。ベッ

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        • ブラック・メイデン
          8本

        記事

          ブラック・メイデン:第五話 オービットオブザーバー

          「して、このカーシェアなるものについて、教えてほしいだがの」  上品なデザインで鈍いワインレッド色のベストを着た男性がきらびやかな応接室でオレをじいっと見る。長く真っ黒な髪に鋭い夏の日差しのような目は冷汗三斗の思いにさせる。足はまるで生まれたての子鹿のように心許ない。  男性にキレイと評するのはどうかと思うが、涼しげな水色の目はキレイとしか言いようがない男性だ。そして、今のオレに会う資格があるのかわからない、いわゆるやんごとなき存在。  そう。今、オレをにらみつけているのは、

          ブラック・メイデン:第五話 オービットオブザーバー

          ブラック・メイデン:第四話 デセントドール

          「こうやって遊ぶのは久々だな」  高校まで一緒だったキトルスは大きく笑う。いつも思うことだが、もやしみたいな身体から、どうしてこんなに大きな声が出るのだろう。何年経ってもこいつはこいつだ。オレがひきこもっていた高校時代も領主になった現在も、変わらず一緒に騒いでくれる大切な友人だ。  先週と先々週は寝る暇もなく、忙しかったので、今週は休む! と、大きな声で宣言し、その場の勢いでクラリス領の別荘を借り、館を飛び出して、キトルスを訪ね、今に至る。  道中、ブラック・メイデンに会えた

          ブラック・メイデン:第四話 デセントドール

          ブラック・メイデン:第三話 ノーブルナビゲーター

           うう。お腹空いた。今日一日、安い骨董品を高値で買えと、ほぼ軟禁状態で恫喝されたが、なんとか逃げ切れることができた。  まったく、あんな安物をつかまされたら、あたしの商売はあがったりよ。  早く鶏肉の薬草焼きが食べたいわね。ここ、アライブ領の「売人の酒場」の一番人気料理だし、あたしの好物でもあるし。パリッと焼けた鶏皮とジューシーなもも肉がバターで炒めた米の上にのっている。美味しい料理だ。腹持ちもいいので、コスパも最高だ。 「もしかして、お前、ブラック・メイデンか。本当にちび助

          ブラック・メイデン:第三話 ノーブルナビゲーター

          ブラック・メイデン:第二話 エンチャントエクスプローラー

          「ホタル先輩、この前の事件、見ましたよー! あんな事件を解決するなんて、凄すぎますー!」  太陽がさんさんと降り注ぐ喫茶店のテラス席で、大学の後輩、リシン・フィニルが大げさな身振り手振りで、オレを褒め散らかしていた。 「そのイケメンぶりにさぞかしモテモテじゃないんですかー?」  オレはこいつの下品さが嫌いだ。  このリシンという男は、オーダーメイドのスーツやハイブランドの腕時計を身につけ、金と酒で女性をはべらせているが、実際の中身はまったくない。  エチケットで香水をつけてい

          ブラック・メイデン:第二話 エンチャントエクスプローラー

          ブラック・メイデン:第一話 バレントバカボンド

          「旦那さま、何かありましたか?」  一等席の個室席で、オレの斜向かいに座るオレの秘書が気まずそうにこちらを見た。先代の領主である親父が死んで、早半年。その跡を継いだオレはまだ部下の信頼を得ていない。まだ二十四の若造ってこともあるだろう。オレの人生計画では大学院で研究するはずだったのに、思ったより早く、親父は死んだ。人生はそんなにうまくいかないものというのは真である。まあ、アレコレ考えるのはよそう。信頼をもらっていない若造は、あまり自分の機嫌を表に出さない方が良いに決まっている

          ブラック・メイデン:第一話 バレントバカボンド

          ブラック・メイデン:プロローグ

           トクントクン。  うつ伏せに倒れたあたしは脈を打ちながら出血していた。視界は自分の血で真っ赤に染まっていく。 「血液はちゃんと採れたか?」  今まであたしを守ってくれた二人の近衛兵の声が薄れゆく意識の中、聞こえる。  久しぶりのお出かけで、ストロベリーパフェをおしのびで食べに出かけたのに、気がつけば、あたしの乗る車は高いビルが並ぶ中心地を抜け、どこにあるのか分からない鬱蒼と茂る森の小屋に着いていた。開発が進んでいるこの国に、まだこんなに自然溢れるところがあることに驚く。どん

          ブラック・メイデン:プロローグ

          小説があまりに書けないので、タロットリーディング【アーティストとクリエイターの創作衝動、周囲の期待、その統合スプレッド】

          あまりに書けないので、朝からタロットを引いてみました。 定期的に引いているスプレッド【アーティストとクリエイターの創作衝動、周囲の期待、その統合スプレッド】です。 左が(1)「どんな衝動で作品を作っているか」に「塔」、右が(2)「周囲からの期待」で「ワンドのエース逆位置」、真ん中が(3)「衝動と期待の統合」に「死神」です。 インパクトがありすぎる並びです。 大アルカナが二枚って…… (1)「衝動」に「塔」って、どういうこと?? たしかに「塔」は「ショッキングなこと」とか

          小説があまりに書けないので、タロットリーディング【アーティストとクリエイターの創作衝動、周囲の期待、その統合スプレッド】

          「あなたのスター性スプレッド」をやってみた!

          昨日の夜、自分の「作家としての才能」について、思いつめて、眠れませんでした。 私はこのまま終わってしまうかもしれない。 次の新人賞で、またダメだったらどうしよう。って。 で 朝起きて、思いました。 「そうだ、タロットを引こう!」 不安定なメンタルの時は、あまり引かない方がいいんですけど、もういいや。って感じで、タロット占い師TAZAさんのスプレッド「あなたのスター性スプレッド」を「作家としてのスター性」でやってみました。 結果 スター性を育むもの(左下) ソードの

          「あなたのスター性スプレッド」をやってみた!

          アレコレ考えてた

          過去の記事の蔵出し(2021年11月)の改稿。 大枠は変えてないです。  「表現の自由」のはなし。  「禁止する」と「批判する」は違う。  「禁止」にしてしまったら、発表すらもできない。  しかし。  発表した限り「史実と異なっている」という情報関連から、「あんまりなストーリーだ」などストーリー展開まで、「変だよ」と言われるのは、作家として当然のこと。  私も言われたし、言われ続けるだろう。  弁解するかどうかは作家さんの意志次第だけど、批判を受け付けないようなのは、せ

          アレコレ考えてた

          ノイキャンの衝撃

           私は、病気の特性のためか、普通の人より情報を多く取り込みがちで、上手く様々な情報を整理できず、よく混乱を起こす。特に「音」に敏感のようで、一定以上の雑音で気が滅入る。おかげで就職しても、この混乱のせいで、長続きしなかった。 (ま……まあ、しょっちゅう部長やマネージャーの怒鳴り声を聞けば、誰でも嫌にはなるだろうけど)  今度、就職するので、どうすればこの混乱を対処できるかと悩んでいるときに、読んだ記事が、これ。  この記事は、集中力を高めるためには、静かな環境を整えるのが大

          ノイキャンの衝撃

          友人との会話01

           写真は郡山のうねめまつりのものらしい。懐かしいな。小学校は郡山なんだよね。多分、二度と行かないと思うけど。采女の話はうっすらと覚えてる。こういう悲恋を書いてみたい。  本題。ナンバリングしているけど、続くかは謎。  「友人」について、改めて考えてみる。  成人すると、友人は減る。確実に減る。仲違いもあるが、大抵は時間がないからが理由。  だから、わざわざ時間をさいて、会ってくれる友人の存在がいるって、本当に素晴らしいことだと思う。  先週、某放火魔ニュースを見て、過去

          友人との会話01

          夢のレストラン

           私は古ぼけて暗い印象の「夢のレストラン」という看板がかかっているシケたレストランのドアを開けた。 「いらっしゃいませ」  店内は薄暗い照明の真ん中に椅子が三つだけ並んでいるカウンター席しかなかった。奥にはコック帽にコックコートを着たこざっぱりとした国籍不明の若造が一人微笑んでいる。彼の短い黒髪は料理人として誠実さを感じさせた。 「ここにご予約なしに来られるなんて珍しいですね」 「どういうことだ?」  コックの意味深な言葉に私はふわふわとした不思議な気持ちになるが、頭を振りき

          夢のレストラン