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スパイスをブレンドしてカレーの階段をのぼる夏。

時間はいつの間にかすぎていく。


📆過ぎゆく時の積み重ね

あんなに待ち望んだ夏休みも、あっという間に過ぎ去って、気がつくと8月もあとすこし。月日は百代の過客にして、その瞬間は一期一会の一瞬です。

8月23日という日付は、来年も再来年もやってきますが、2024年8月23日というカレンダーは二度とやって来ません。

それは1分1秒のすべてがおなじことで、そんな刹那が蓄積されて日になり、月になり、季節になる。そしてその時間の塊も、やはり一方通行的に流れてゆくのです。

時の流れの中、その積み重ねの成果物が自分自身なのだと思います。春、夏、秋、冬、1年が巡りまたやってきたこの夏の経験で、またひとつ自分という生物が自分を極めてゆく。

故郷から戻ったばかりで、楽しかった記憶も冷めやらぬまま、日常の最初の週末を迎えるせいか、すこし感傷的になっている気もします。

🍛極めゆく夏のひと皿

さてさて。毎年夏になると、つくりたくなるメニューがあります。それがこれ。

カレーはカレーでも、スパイスカレー。

こってりした欧風カレーや、ごろんごろんと大きなにんじんじゃがいもがはいったおうちカレーとはひと味違って、さらりとした口当たりにシンプルな具材。爽やかな辛みをいかした、夏に食べたくなる軽やかなカレーです。

そんなスパイスカレー、毎年つくっていると、くり返すことで、自分のスパイスカレーという料理が、どんどん極められていくのを実感できて、楽しい料理だなと思っています。

🍛どこまでも続く階段をのぼる

その極めかたというのは、例えるなら階段をのぼるような感覚で、去年より2段、前回より1段みたいなコツコツしたイメージです。毎年進化はしてるけど、ジャンプアップするのではなく、自分の足で1段また1段極めていくというか。

そしてそのゴールがどこにあるのか、階段は何段あるのか、それがいまだにわかりません。だって、ちよっとした工夫や閃きひとつで、どこまでもおいしくなりそうな気がするんです。

スパイスカレーという階段は、いったんのぼりはじめると、この命尽きるその日まで楽しめる、ライフワークのようなものなのかもしれません。

🍛スパイスカレーのMy定義

ではそれが、いつものカレーとどう違うのか。自分なりのスパイスカレーを定義しておくと、こんな感じです。

  1. 市販のカレールウ不使用

  2. 市販のカレー粉も不使用

いたってシンプルですが、これって人によってはかなりの制約を感じるのではないでしょうか。

カレーなのに、テレビのCMでもよく見る、カレールウはNG。ならば、これでカレーができるんだとわかりやすくネーミングしてくれたカレー粉で、と思ったらこれもNG。

じゃあどうするのよ。

つまりこれです。スパイスカレーなんだから。

左からコリアンダー、ターメリック、クミン、カイエンペパー、カルダモンのみなさん。

自分なりにスパイスをブレンドして、カレーにしてみるというわけです。

自分もはじめてつくったときは、これでおいしいカレーになるのかなと不安だったのを覚えてますが、くり返しつくるうちに、このブレンドするというひと手間1工程が、自分なりのスパイスカレーを極めているという実感につながるんだと思うようになりました。

🔪今年もつくろうスパイスカレー

🧅香味野菜はおろして

まずは香味野菜を準備します。玉ねぎとにんじん。

ほかにセロリなんかもあればぜひ。いわゆる香味野菜たちですね。にんにくを使うかどうかは、悩ましいところなのですが、風味が強すぎる気がして、近ごろはいれないことが多くなりました。

おろした汁ごとお鍋にいれて、バターで炒めていきます。

しっかりと水分が飛んで、焼き色がつきはじめたら、いよいよ。

🧂スパイスを合わせます

スパイス登場です。

よく混ぜながら炒めて、全体になじんだら、いったん火を止めます。

スパイスをしっかり炒めることで漂う、爽やかないい香り。もうすでに食べたさ全開です。どんどん仕上げていきましょう。

🍗お肉はシンプルチキン

続いてメインの具を準備。

お肉は豚でも牛でもいいのですが、ルウを使わずつくるスパイスカレーには、軽やかさがほしいので、我が家ではこのスタイルのときはチキンが定番。

ひと口大に切り分けたもも肉を焼いていきます。

両面にこんがりと焼き色がついたらOKです。

お肉を香味野菜のお鍋に合わせます。

鶏肉を焼いたフライパンに、白ワイン投入。強火で煮立てて、ヘラで旨味をこそぎ落とします。

🔥煮込みは煮詰める

チキンの旨味たっぷりの白ワイン、トマトペースト、ウスターソースをお鍋に。

水とコンソメをいれて火にかけます。あとはぐつぐつ煮込むだけ。

水分が半量くらいになるのを目指して、煮詰めます。水っぽさがなくなって、味が凝縮するように、しっかりと煮詰めるのがポイントです。

🥚トッピングも準備

カレーのトッピングといえば、王様はカツですが、今回は茹で玉子にします。

目玉焼き、オムレツとバリエーションがいろいろある中、個人的にカレーのトッピングは茹で玉子がベスト。

特に夏に食べたい爽やかカレーにこだわる今回は、油を使わずつくれるという点でも、焼き系卵より向いている気がします。

お皿にごはんをスタンバイしたら、茹で玉子を載せて、福神漬とらっきょうを添えます。

🍛スパイスカレー完成

カレーもいい感じに煮詰まりました。辛味がもっとほしいときは、ここでカイエンペパーを加えて調整すればOK。

さあ、スパイスカレーの盛り付けです。

うん、いい感じ。クミンの香りがたまりません。

彩りに刻んだパセリを散らすと映えますね。

ごろんとしたチキンが、ほろほろした食感になってるのが、しっかり煮込みの証です。

🍗ごろチキ再現との違い

以前、松屋さんの人気メニュー、ごろチキをアレンジ再現したことがありますが、あれもまさにスパイスカレー。

メインの具になる鶏肉は、蒸焼きする感じで、プリプリに仕上げました。今回はあれとはまた違って、これぞ煮込んだなというチキンの食感です。

そういえばこのときは、チキンを煮込まない分、カレーソースの旨味出しに牛肉をいれたりしましたね。

🍛スパイスカレーの階段

あらためて、このブレンドスパイスでつくるスタイルって、夏に食べたくなるカレーだと思います。

さらりとした口当たりで爽やかに仕上がるんですよね。いかにも暑い国のメニューという感じがして、暑さ続くこの時期、体が求める味わいです。

爽やかな夏のスパイスカレー。

スパイスとソースに溶け込んだ野菜の旨味で、狙いどおり、爽やかな味わいに仕上がりました。ことしもまたひとつ、究極への階段を1段登れたがします。

🍛スパイスカレーの材料(2〜3皿分)

・鶏もも肉…1枚
・玉ねぎ…1個
・にんじん…1/2本
・バター…10グラム
・白ワイン…1カップ
・水…1リットル
・コンソメパウダー…小さじ1
・トマトペースト…小袋1
・ウスターソース…大さじ1
・ごはん…お好みの量

🧂今回のスパイス

・クミン…大さじ1
・ターメリック…大さじ1
・コリアンダー…小さじ1
・カルダモン…大さじ1
・カイエンペパー…小さじ1
・こしょう…ひとつまみ

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