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疲れない日々は頭の整理整頓から。ムダはどんどん省く
体を使う仕事は肉体的に体力を消耗し、デスクワークはさまざまなことを考え、精神的に疲労が蓄積されます。いかに疲労を溜めずに向き合えるかが重要な「仕事」。そもそも、仕事という単語を目にするだけで疲れが貯まってしまいますが……。
脳は、こうしたいと思う行動、これはやめたいなと思う行動、どちらも関係なく習慣にしてしまうクセがあります。
私たちが普段頭を使うことを「認知コスト」と呼び、考えたり頭をよぎったりして、エネルギーを消費しています。そして、認知コストの容量も上限があるので、エネルギーを効率よく使うためには、ムダを省くことが大切だそう。
本書「「疲れない」毎日が続く!休み方マネジメント」(菅原洋平 著)では、脳を休ませつつ、仕事のパフォーマンスを上げるためには、どうすればいいかを解説してくれています。
働きながら休息できる習慣をつくること。これが本書の狙いです。
それには、科学的な技術があります。
脳にとって休息とは、「何もしない」ことではありません。情報をまとめて次の行動を生み出す。不要な情報を消去して空き容量をつくる。このような未来の自分に対する準備が休息です。
寝たり、ぼーっとするような休憩ではなく、頭のなかを常に整理してまとめておくことが脳の休息となります。
働きながら脳を休める方法を具体的に挙げている、”脳を疲れさせずに生産性を上げる仕事のコツ”の章から、すぐに実践できる方法を学んでいきます。
〇仕事を一つ一つで区切らず、つなげて先延ばし防止
めんどくさい仕事や作業を後回しにすることは、ほかの作業に手をつけることで一見効率よさそうにも思えます。
しかし、「さっきの仕事やらないとなぁ……」と頭のなかを少しでもよぎってしまうと、実際にその仕事に取り組むよりも多く、貴重な認知コストを使ってしまいます。
脳は、いま行っている課題と関係ないやるべきことが浮かんだとき、「浮かんだ課題をいまはやらない」と抑制しなければなりません。思い浮かんだことを体に命令するために、神経に電気信号を流すのですが、それを「やらない」ためには、その神経活動を抑制する神経をさらに働かせて、命令をかき消す必要があります。
このことから、思い出した行動を抑制することは、実際に課題に取り組むよりも多くの認知コストがかかります。これで脳が疲れてしまうのです。
そこまで期限が差し迫っていない仕事ならまだしも、期限が近づいていたら、ふとしたときに思い出してしまいますよね。今は別のことをしているからまた後で、と脳内で処理させること自体が認知コストを削っているようです。
これを防ぐには、1つの仕事を終えたら、次の仕事にも少し手をつけて一区切りとしておくことが有効。次のやるべきことを脳に確認させて、準備させておくことで無意識に先延ばししてしまうクセを減らしていけます。
〇脳が一度に覚えられる容量は4つまで
TODOリストは、やるべき仕事を忘れないようにするため非常に便利ですが、常に目に入るところに置いておくのはあまりよくないそう。
実は、脳が一度に覚えられる容量は「4つまで」ということが明らかになっています。
いま、何か作業をしていて、その途中でTODOリストを見たら、リストの5つ目を見たところから容量オーバーになってしまい、いま取り組んでいる作業に戻ったときに「どこからやるんだっけ?」と、作業再開に時間がかかってしまいます。
僕もnoteの記事を書いたり、読書や今日したいことを付箋に書いて張り付けたりしていますが、やることを書きすぎたときには、どれからするのが効率いいかなとかを考えてしまいます。この大量の情報を目にしたとき、自然と処理してしまうのがコストのムダ遣いになってしまいます。
やることを書いたら、一旦目の届かないところに片付け、やっているタスクが終わったら、リストの項目を一つ消して、次のタスクを確認していくほうが目の前のことに集中できます。
脳の容量は4つまで。多くの情報を与えて、脳を混乱させないことが疲れないために重要なわけですね。
〇空腹によって記憶力は高まる
今までと少し話が逸れますが、仕事の効率という点では、空腹のときほど記憶力が高まるそうです。
生物にとって空腹は、移動をする動機でもあります。近くに食べ物がなくなってしまえば、リスクを冒して遠くまで移動するしかありません。
リスクを最小限に抑えるためには、移動した道のりを記憶することが必要です。
お腹いっぱいのときと、空腹のときでは、血糖値のこともありますが、仕事や作業に対するモチベーションは天と地ほどの差があるように感じます。記憶力も、同じように関係しているのかもしれませんね。
お腹がすいていると、ついお菓子に手が伸びてしまい、気づいたら作業をまったくできていない状態になることも考えられるので、効率を考えて食べるのを我慢。ダイエットにもききそう。
疲れない毎日を実現するためには、認知コストをいかに減らして、頭のなかをすっきりさせておくかが大切。日々の仕事や作業で、膨大な情報をイヤでも取り込んでしまう現代では、意識していないと、ここぞというときに脳が疲れ切ってしまっていることも考えられます。
働きながら健康になる。ムダを省いて効率よく働くことで、自然と疲れない毎日をつくっていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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