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生きる目的を見つけづらい今だからこそ起きてしまう社会問題【「大人の引きこもり」を救え!】
テレビなどで取り上げられる引きこもりという問題。
若いときにテレビを観て、引きこもっている人、それを救おうと部屋から出るよう説得する施設の人、それを見守り泣き続ける母親に衝撃を受けました。
殺人事件や非日常的なことでなく、自分たちの身近にある問題でもあることが大事件のように放送され、テレビに釘付けに。
インパクトがありすぎて未だに忘れられません。
「「大人の引きこもり」を救え!」(廣岡政幸 著)は、不登校、引きこもりなど、若者の救出活動を行っている著者が、なぜ引きこもりが生まれるのか、そして救うためにはどうしているかを書かれている本です。
なぜ引きこもってしまうのか。
”100万人が引きこもるという国”の章から、引きこもってしまう原因に焦点を当てていきます。
大人の引きこもりが増えている中で、決して他人事ととらえず、まわりはどうか、自分ごととして考えたい問題です。
〇自分の居場所が見つけられないから引きこもる
まわりからの疎外感を感じ、誰ともコミュニケーションが取れない結果、自分の世界に引きこもってしまうしか選択肢がなくなってしまう。
相談できる友だちに話を聞いてもらう人、非行に走ってしまう人も、自分を認めてくれるから、そこに自分の居場所を感じます。
家以外のところに居場所を見つけると、家出して、帰ってこなくなる子もいる。仲間とつるんで暴走族になる子もいるが、その場合、まだ人とのつながりはあるから、人を頼ったり甘えたりして、コミュニケーション能力を保つことができる。
しかし、人を信用できなくなって、居場所が見つけられない子は、自分だけの世界に閉じこもり、自分を責めるようになってしまうのだ。
思春期にまわりと馴染めなかったり、仲間外れにされることはとてもツラいことです。
僕も内気な性格で厳しい部活に入ったため、チームの雰囲気に馴染めず、体力的にも精神的にもツラい3年間を過ごした経験があるので、この気持ちは痛いほどわかります……。
まして、子どもは学校という狭いコミュニティが世界の全てであるように感じてしまうので、学校で起こるツラい体験は自分たち大人が思うよりも大変なことだと思います。
まわりに助けを求められない場合は、家族のサポートやコミュニケーションが大事だとつくづく感じます。
家族、学校以外での習い事など、新しい環境をつくってあげる、自分から飛び込んでみることが大切。
〇働く目的を見出しにくい現代
しかし日本はすっかり豊かになった。すべての家庭に家電が普及し、皆が便利な暮らしに慣れてしまった。経済が豊かになると、人は仕事にやりがいや生きがいを感じにくくなるものだ。
戦後はみんなで日本という国を立て直す。
高度経済成長期は、豊かな生活を手に入れるために。
その時々で、働くことに関して大きな目標があったのが、何でも安く買える時代になって暮らしも不自由なく暮らせるようになったことで、個人が生きる目的を見出すことができにくくなりました。
目的がないから、なんとか仕事に目的を見つけていこうとするあまり、悩む人が増えてしまう。
僕を筆頭に、自分が好きなこと・やりたいことはなんなのか、多くの人がこん悩みを抱えているからこそ、こういった書籍が出版され続けているんだと感じます。
この問題を深く考えすぎてしまい、疲れた結果ひきこまってしまう気持ちも痛いほどわかる……。
〇引きこもりが自分自身に及ぼす影響
インターネットの普及で、誰ともリアルなコミュニケーションを取らなくても生きていける時代。
コミュニケーションを取らないことで、ネットなど一部の偏った意見に傾向してしまい、嫉妬やほかの人への恨みに変貌してしまうことも。
(中略)「自分がこうなったのは〇〇のせいだ」と、誰かを恨んだりする。自己中心的な解釈をするようになり、世の中への恨みつらみがたまる。その結果、世間を揺るがすような事件を起こす人もいる。
誰とも会わない状態だと、ネットでの過激な意見に感化されてしまう可能性もあるし、部屋にずっといることで衛生にも健康にも良くない。
嫌だいやだと働きながらも、人と接し社会に属することで、人生を楽しむことができる僕たち。
社会と孤立する影響は、本人にも家族やまわりの人にも悪影響を及ぼしかねません。
生きていく上で、自分の目的に向かって頑張る、社会の中で誰かとつながることは必須。
変化の真っ只中だからこそ生まれた、深刻な社会問題。
普段から自分を追い込み過ぎず、一つの居場所に固執せず、大人になっても趣味や習い事などをして自分の居場所を確保しないといけません。
ネットの普及で、どんどん孤立する機会が増えていく今。
社会問題としてメディアで取り上げられる機会が多い大人の引きこもりを、自分ごととしてとらえ考えるきっかけをもらえる一冊です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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