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本はなくても生きていける。これからの書店の在り方とは

紙の本が売れなくなったと言われつつも、一日に数百冊と本が出版され、生活のなかに根付いている読書文化。

電子書籍の台頭、インターネットでの本の購入、日々の忙しさで本を読む時間が奪われている感も否めません。

自分の住んでいる町を思い返してみると、田舎なのでしょうがないですが、本屋さんは一軒だけというさびしい現状。

町から本屋がなくなるのも、あながち冗談ではない危機的状況なのかも。

新聞記者、本屋になる」(落合 博 著)では、書店経験0で書店を始めた元新聞記者の著者が営業する個人経営の本屋としてのスタイル、考え方について書かれている本です。

おもしろいと感じたのは、著者はそこまで読書にのめり込んでいたわけではないという点。

ただ本を売るだけでなく、ライティングのレッスンを開催したり、家族のために営業時間を短くしたり、ひとりで切り盛りする書店ポイントがちりばめられています。

これからの本屋の在り方を考えさせられる一冊。

本屋の日々/考えていること”の章から、書店目線での紙の本のこれからに焦点を当てます。

今ならkindleunlimitedでも読めます。


〇これからは本が嗜好品となっていく……

「これから本は嗜好品になっていく」と話していたのは京都・誠光社の堀部篤史さんだ。本など読まなくても生きていけるし、読みたくない人が読む必要も義務もない。本屋に限らず、嗜好品を扱う個人店はなくならないという考え方に賛同する。

新聞記者、本屋になるより

あえて本を読まなければいけない状況でもない今の時代。

趣味としての読書という色が強くなる可能性も否めません。

読み物という面よりも、本棚にかざったり、インテリアのひとつとして扱われる面もあるのではと個人的に思ったり。(それは過ぎた考えかもですが)

そして本を読まなくてもインターネットの情報だけで生きていける時代が、追い打ちをかけているように感じます。

一般的でなくなったとしても、一部の支持する層がいつまでもいることで、本がなくなることはない。

広く本を知ってもらうためには、既存のユーザーに対するおもしろさを提供していくことで、新しい人たちが興味を持ってくれるものだと思います。

読書好きにいかに響く本を提供できるか。

書店の難しさであり、醍醐味でもあるかなと、ふと考えました。

〇常連さんが新たな発見をできる場所

僕の店はそこまでいっていないが、常連さんがいつ来ても発見、新たな出会いがあるような棚をつくっていかなければと考えている。

新聞記者、本屋になるより

売上で考えると、常連さんが経営を担ってくれていることは間違いありません。

常連の人たちがいかに飽きずに訪れてくれるか。

お客さん目線でも、行くたびに本の陳列が変わっていたりすると、新しい発見があってワクワクしますよね。

見た目でも楽しんでもらう。

嗜好品となっていくと考えると、目で楽しんでもらうのも一つの方法として考える。

読むだけでなく、広い視野から本の良さをアピールすることが大切なのかと思います。


今は、本を嗜好品としてとらえる時代になりつつあるのかもしれません。

さみしい気持ちになるものの、そういう時代の流れは致し方ないもの。

本の魅力を伝える書店ならではの品ぞろえ、お客さんとのやり取り、書店に足を運んでもらうイベントを企画するのも一つの方法。

大きな視点で本をとらえる、本を扱う書店目線を感じることができる一冊でした。

今ならkindleunlimitedでも読めます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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