【議題】休日に仕事のことを考えてしまいます。
職場のお昼休みは、休憩室で
4、5人のメンバーと色んな話をしながら、
お昼ごはんをいただくことが
恒例となっています。
メンバーの年代はそれぞれですけれど、
それだけに、話の内容も幅広く
年代によるギャップがあるとそれがまた、
面白い話題になったりして
心地よい情報交換のできる、いい時間です。
その日は、ひとりが
休憩室に入ってくるやいなや話し始めました。
「聞いてくださいヨ。
昨日、有休をもらったんですけどね
休みの日の朝になって
前日にやり忘れていた作業のことを
思い出してしまって。もう大変!
こういう時、
考えても仕方ないとは思うんですけど
すぐに切り替えられなくって。
部屋でじっとしていると
余計にその事ばかり考えてしまうので
とりあえず歩こう、ということにしたんです。
そしたらなんと、
1万4千歩も歩いてたんですよ。
何も休まらない休日でした。」
「あらら、それは困った休日でしたね。
でも、わかります。急に思い出したりするの。
そういう時、
今はどうしようもないと分かっていても
グルグルと考えてしまうんですよね。」
私が頷きつつ言うと、
またひとりが話し出します。
「そうそう。お風呂に入っている時とか、
歯磨きをしている時に
ふと思い出したりして。
私はそうだなあ、、
できたら映画館に映画を見に行って
頭の中に違う情報を入れるようにしたり、
反対に、無心になれるように、
部屋の模様替えとか大掃除をしたりしますよ。」
いちばん年上のひとりが言います。
「そうねえ。
私はそういう時、インターネットで
『仕事の失敗談』みたいなのを
検索しちゃうわね。
本当に皆、色んなミスをしているものですよ。
発注を間違えて1千万円の損失が出たとかいう
体験談を読んでいると
まだ自分は大丈夫かなって思えてきたり。
アラッ、でもこれは
あまり参考にならない方法かしら。」
それもひとつの方法ですね、と
ひとしきり、みんなで笑い合いました。
どんな人も
心の底を叩いてみれば
いろんな悩みの音がします。
そして、
どんな人の悩みの音も
案外、似通っていたりします。
私は、社会人になりたてのころ、
お昼休みはもっぱらひとりで過ごしていました。
それがいちばんだと思っていたのです。
ですけれど今はこうやって、
皆と顔を合わせて
ちょっとしたことを
「分かる、分かる」と言い合う時間が
本当にありがたいと、感じています。
これは、歳を重ねたおかげでしょうか。
なにせ、私にとって
こういった時間が
どんなことよりも
心をふわっと軽くしてくれるのですから。
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