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子どもや教育に関する記事

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親子関係、学校問題などに関する論考をまとめました。
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記事一覧

ある男子高校生の初恋

「僕は、今は自分のことが全然おかしくないと思っています。今までは『僕はおかしいのかな』と…

鳥羽和久
11日前
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合唱コンクールの不思議な力

10月は中学校の合唱コンクールが行われる季節で、多くの学校の生徒たちが昼休みや放課後の時間…

鳥羽和久
2週間前
51

ほめるのはダメなのか

ほめて伸ばすのがダメなのではなく、ほめるときに相手をコントロールする欲求が透けて見えるの…

鳥羽和久
1か月前
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カンニング行為について

16年前の10月に書いた記事。その10年後に大幅に改稿し、『親子の手帖』(鳥影社)に収録される…

鳥羽和久
1か月前
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親と子の間のさまざまなこと(その1)

~2024年、親と子の間で考えたことのつぶやき まとめその1~ 「良い親」の唯一の定義がある…

鳥羽和久
1か月前
66

受験後遺症の大人たちが子どもを追い詰める

 学生時代を遥か昔に通り抜け、中年と呼ばれる年齢になった大人たちが、「勉強」という言葉の…

鳥羽和久
1か月前
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国語授業の効力

昨日は国語塾(中1・中2対象)の授業で哲学者串田孫一が1955年に書いた文章(『考えることについて』)を出題した岡山県公立高校入試問題過去問(2018)を扱いました。 この文章の中で串田は「知ること」というのは、知りたいという意欲を持って真剣に知ろうとすることであり、そこで獲得の喜びを伴って得た真の知識が自身の成長の助けになるという話をしています。しかし、(学校を念頭に置いて)「教える-教わる」の硬直化した関係性の中では「機械的な学び」が生じ、外部からの強制的な力によって「

NotebookLMで中学生の8つの質問に答えてみる

NotebookLMに過去の自分の50の原稿を読み込ませた上で中学生の質問に答えてみるという試み。あ…

鳥羽和久
3か月前
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苦手意識について考える

大人のほとんどが、子供の頃できなかったことを、今もできないできないと胸に抱えながら生きて…

鳥羽和久
4か月前
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バランスについての心理的な話

自分の両親が多少バランスを欠いた人間だったとして、子供がそのことに容易く気づけるわけがな…

鳥羽和久
5か月前
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「反省」という病について

人が反省してるときって、単に他人の反省しろ落ち込め不幸になれという自分に向けられている(…

鳥羽和久
5か月前
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「やる気」という見立てを疑う

子どもに日々やる気を問う親たち教師たちはやる気があるんだろうか。(2021.2.8) 相手のやる気…

鳥羽和久
6か月前
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友達って

先日、「友達」についてのインタビューを受けて、その際に私の中での「友達」の定義を考えてみ…

鳥羽和久
7か月前
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勉強に対する大人の見立てはだいたい間違っている。

勉強に対する大人の見立てはだいたい間違っていて、それはおそらく自身の学生時代において、勉強に対する認識が間違った大人の影響を受けて形成されたから。多くの人は大人になってもその後遺症の中で生きている。以下 勉強に対する子供の「やる気がない」という親の嘆きは、現在の子供の内面を責める形で表出するが、その時に親が見て見ぬ振りをしているのは、子供がいかなる時間を過ごしてきたかという歴史の問題であり、その歴史には当然親も含まれる。このことに自覚的であれば、勉強しない子供のやる気を一方