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うちにある触り心地のいい本5選

触り心地のいい本を、つい買ってしまう。

ネットで知って、買おうかな、どうしようかなと迷っているときに本屋さんで手にとって、触り心地がいいと即購入!となってしまう。

そこで今回は、うちにあるお気に入りの触り心地の本をいくつか紹介したいと思う。

なお、本の内容の話は一切しないのでご了承ください。


⒈森田真生『数学する身体』新潮社

この本こそ、私が初めて手触りで購入を決めた本だ。

「これ面白そうなんだよな〜、買おうかな〜」とうだうだ迷っていた。本屋で見かけたこの本を、少し中身を見てみようと手にとった瞬間、お!!と思った。

なんとなくざらざらしたかんじだ。紙というよりも布…に近いような気がする。ビニール製のテーブルクロスみたいな、そういうかんじ。とにかくほかの本にはあまりない触り心地だ。ずっと撫でていたい。

さらにこの本で素敵なのは見返し(本を開いた最初のところ、表紙の裏のところ)だ。

このハッとするような美しい青!!!

帯の黄色との組み合わせが本当に目を惹く。ここばかり開いて見せびらかしたい。


2.益田ミリ『今日の人生』ミシマ社

これはかわいい。とにかくかわいい本。

触り心地がいいのは帯だ。

包装紙のようなつるつるした帯。とはいえよくあらカバーのようなツルツルとは違う。ツルツルテカテカしすぎないかんじがいい。

小学校で使う色紙のような色合いの紙もかわいい。


3.岸政彦『マンゴーと手榴弾』勁草書房

これはすべすべだ!本当にすべすべしている。

この本は筆者こだわりの装丁らしくTwitterで解説されている。

真っ白ですべすべの紙、シンプルなフォント、見返しはマンゴー色、花布(ハードカバーの本の背表紙のてっぺんと一番下のところ)は手榴弾色、スピン(本にもともとくっついているしおり紐)が白というのも珍しいと思う。

すごく綺麗な本だ。


4.上野千鶴子『女ぎらい 日本のミソジニー』紀伊國屋書店

これはなめらかだ。

よくあるツルツルのカバーのように見えるのだが、触ってみると思ったよりもやさしげな触り心地。つるつるとすべすべのちょうど真ん中のやうな、表紙の上で手が滑るようななめらかな触り心地だ。

開いてみると真っ赤な扉が力強く、そのギャップにもしびれる。


5.木下龍也、岡野大嗣『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』ナナロク社

こちらはさらさら。

しかし案外硬めの質感なのも面白い。

また、この表紙には仕掛けがある。

カバーがトレーシングペーパーのように透けており、外すとカーテンを開けたように窓の外が見えるようになっているのだ。

スピンの青もぱきっとして綺麗だ。

○おまけ

ここまでにいくつかスピン(しおり紐)の話をしたので、おまけに好きなスピンの本も紹介したい。

①燃え殻『ボクたちはみんな大人になれなかった』新潮社

この本に関してはほんの少しだけ中身の話をしたい。

哀しげな小説である。タイトルもそうだが、すこし切ないような本だ。

でもそこに、このスピンが付いている。

色は中身と同様に、少し暗い印象のブルーグレーであるものの、他の本についている通常のスピンに比べると、少し太いのだ。

私には、このスピンはリボンのように見える。

哀しい、切ない話だけど、そこには確かに祝福がある。それをこのスピンが示しているように思うのだ。

②新潮文庫のスピン

文庫本のスピン、といえば新潮文庫だ。

スピンがついている、という理由で「文庫本は新潮社」と決めている人も少なくないと思う。

通常は落ち着いたブラウンのスピンがついている。ここで紹介するのは新潮文庫創刊100年の時のものだ。

新潮文庫が創刊100年を迎えた2014年の文庫本には、このきれいな黄色のスピンがついている。

今でも時たまこの年のものに出会えるときがある。ラッキーな気持ちになるレアなスピンだ。


以上、うちにある触り心地のいい本5選と、おまけにすてきなスピンの本でした。

町の本屋さんが少しずつなくなっていき、私自身ネットで本を注文することも以前より多くなった。でもこの「手触り」というものは、本屋さんならではだなぁと思い立ってこれを書いてみた。

もし気になるものがあったら、ぜひ本屋さんで実物の本を手にとって、その触り心地や色を見てみてください。こういう本の楽しみ方も、またいいものだと思います。

この本も触り心地抜群ですよ!というおすすめの本があったら、教えてくださると喜びます。

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