【ちんちん短歌出版世界】藤田描

「ちんちん短歌出版世界」の世界長をしている者です。 ちんちん短歌同人誌『ちんちん短歌』…

【ちんちん短歌出版世界】藤田描

「ちんちん短歌出版世界」の世界長をしている者です。 ちんちん短歌同人誌『ちんちん短歌』を出版しました。これが世界なのかわかりません。

マガジン

  • 小説・ちんちん短歌

    短歌奴隷・公孫建は大伴家持の前で10年後、ちんちん丸出しで短歌を披露することになる。大伴家持は短歌が大好きで、ちんちんを丸出しのまま、建に短歌蒐集の旅を命じる。建はちゃんと服を着て、ヤマト全国短歌集めの旅に出るが、行く先々でちんちんを丸出しになるのであった。  奈良時代末期、ちんちんをむき出しにして短歌を集めた人間が、確かにここに居たのだ。

  • 「ちんちん短歌」を考える世界

    「ちんちん短歌出版世界」の世界長・藤田描が、ちんちん短歌同人誌『ちんちん短歌』の改訂増補をするために、ちんちん短歌について考える世界を作りました。酸素が一切ないので、生物たちはここに居ませんが、何も酸化させることのない、ゆるい星です。

  • オリジナルTRPG『頭部食品マンの夜』について

    藤田描作成のオリジナルTRPGについての記事です。 頭部が食品で出てきている世界に異世界転生してきたPLと、そのPLの正気を失わせようとするキーパーの、準備なしで30分で完結する二人用TRPGです。

  • ちんちんで見た映画感想記

    目ではなく、ちんちんで一般映画を見た感想を書いています。映画館で見たものだけ書きました。映画館ではちゃんと服を着ています。

記事一覧

小説 ちんちん短歌 第31話『フヒト②』

 不人(フヒト)は、その名の示す通り人ではなかった。  父にそう願われて名を付けられ、そして父の願う通り教育を施され、無事、人にはならなかった。 ・・・・・・・…

自分の「基礎」をちんちんと見つめる。

 「基礎」ってなんだ、とふと思った。  いや、学校の先生、よく言うじゃないですか。 「お前は基礎ができてない。応用をするな、基礎がない奴は『型無し』だ、死ね!」…

小説・ちんちん短歌 第30話『フヒト①』

 科学忍者村は建にとって、とても居心地が良かった。どうでもよかったからである。  浮島の忍者村の住人達――99人のメンヘラブスたち――常陸娘子は、セックス刑を終…

なぜ、野球に無関心でちんちんにしか興味がなかった私が日ハムを応援しに北海道へ行くチケットを予約するに至ったのか

 2024年、6月。  私は日ハムのにわかファンになった。  わからない。  野球、一年前は全く興味なかった。  それが、特定のチームを応援するために、北海道に行…

小説 ちんちん短歌 第29話『セックス刑』

 小舟には、建だけが乗ることになった。常陸娘子の遺体の入った行李と、建が、ぽん、と船に置かれる。  船頭もいない。ここまでついてきた異民族のケロケロの二人も、こ…

小説 ちんちん短歌 第28話『歌はいいから先へ』

 一歩歩くたびに、胸の傷の毒が体に染みていくのが分かる。よくないものが、じわじわと全身を犯していく。  つらい。  つらいが、しかし、つらがるほどにはつらくない…

小説 ちんちん短歌 第27話『心(シン)が死ぬ』

 心臓に近い位置だ、と思った、建。  左の脇の近くに、女から投擲された匕首が突き刺さっている。 ・・・・・・・・・・・・・・ 「ここを強く打つとね」  左胸の乳…

ちんちんエッセイ 『ウケない。』

「まいにち大喜利」の大喜利の講義回をみた。 『「まいにち大喜利 produced by au」・ともしげ大喜利勉強会』  この動画、とても面白いし参考になる。その一方、講義の肝…

小説 ちんちん短歌 第26話『エモのスイッチをただ押しているようなつまんねえ尻振り』

 令なる寒さが和らぎ、梅の花が咲くころになった。  村の農夫ら数名が、なんとなく区画を区切った泥濘に、穀物の種を蒔く。もう、適当に撒く。素人目に見ても、あきらか…

小説 ちんちん短歌 第25話『ごはん、住居、そしてちんちん』

 色がある、と思った。色は、食えるのか、とも。  建の目の前に膳が供えられている。椀の、鮮やかすぎる赤漆の色が食べ物たちに遷ったのかと思ったが、そうではない。食…

ちんちんエッセイ 『生雪見だいふく』

「それがね、ないの、ないんだよ、どこにも。前回出会ったOKマートに行ってもないんだよ。生雪見だいふく」  と、馴染みの商店で手にした雪見だいふくに語り掛ける。生雪…

小説 ちんちん短歌 第24話 『万の葉』

 大偉川から海沿いの道を歩くこと、7日。  道中、建は朝露を飲み樹液を啜り、食べ物は、疱瘡で滅びた村の蔵に分け入り、落ちている穀物をよく噛んで食べた。火を通して…

小説 ちんちん短歌 第23話 『人の営み』

 気がつけばその小屋で一晩を明かしていた、建。  この小屋は川渡しの順番を待つ臨時小屋であり、別の利用者がやってきて眠っていた建を起こしたところだ。  寝ちゃっ…

小説 ちんちん短歌 第22話 『サブカル貴族』

「さっきのあれ、『ムシオ』って子が話してくれたものだよね」  高橋文選の口から「ムシオ」という言葉が出た時、何かすごく、嫌な感じがした。 「正しくは、ムシマルと言…

小説 ちんちん短歌 第21話 『うんこちんちん』

 建はうなだれながら、ちんちんを見た。  真っ白なはずのちんちんが、茶色だった。  それはうんこだった。  川渡しのねぐらにはトイレがない。なのでうんこは普通に外…

小説 ちんちん短歌 第20話『誰が死んだほうがいいか話し合う会』

 川渡しの男たちのねぐらで、誰が死んだほうがいいか話し合う会が行われようとしていた。していたが、しようとしていただけで、誰もしていない。全員、黙っている。  3…

小説 ちんちん短歌 第31話『フヒト②』

小説 ちんちん短歌 第31話『フヒト②』

 不人(フヒト)は、その名の示す通り人ではなかった。
 父にそう願われて名を付けられ、そして父の願う通り教育を施され、無事、人にはならなかった。

・・・・・・・・・・

 父・中臣鎌足は、自分の親友でありサッカー仲間であった「兄弟の中の真ん中王子(中大兄)」という、特に名を持たない王族の男を、ついこの間、神にしてしまった。

「鎌足ぃ、どうだあ? 俺、神かあ?」

 元「真ん中王子」、天智天皇は

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自分の「基礎」をちんちんと見つめる。

自分の「基礎」をちんちんと見つめる。

 「基礎」ってなんだ、とふと思った。

 いや、学校の先生、よく言うじゃないですか。

「お前は基礎ができてない。応用をするな、基礎がない奴は『型無し』だ、死ね!」

 みたいに。
 本当、基礎ができてないことを、親の仇くらいに教師って指摘する。

 おれ、個人的に、基礎なんて本当どうでもいいと思っているんですよ。
 基礎だけではない。全部。全部どうでもいい。人生も、生命も、ちんちんも、全部どうで

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小説・ちんちん短歌 第30話『フヒト①』

小説・ちんちん短歌 第30話『フヒト①』

 科学忍者村は建にとって、とても居心地が良かった。どうでもよかったからである。

 浮島の忍者村の住人達――99人のメンヘラブスたち――常陸娘子は、セックス刑を終えた建をどうでもいいと思った。建もまた、彼女らの事はどうでもよかった。どうでもよくて、お互いに、とてつもなくどうでもよくて、だから、とても居心地がいい。多分、お互い、人間だと思ってなかったのかもしれない。

 本当に、それが、助かった、建

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なぜ、野球に無関心でちんちんにしか興味がなかった私が日ハムを応援しに北海道へ行くチケットを予約するに至ったのか

なぜ、野球に無関心でちんちんにしか興味がなかった私が日ハムを応援しに北海道へ行くチケットを予約するに至ったのか

 2024年、6月。
 私は日ハムのにわかファンになった。

 わからない。
 野球、一年前は全く興味なかった。
 それが、特定のチームを応援するために、北海道に行くまでになった。
 
 そもそも、何かを好きになるって、なんだ。
 好きになる理由が分からない。私は何も好きではない。自分のちんちん以外何も好きではない。恋人が二度(三度かも)いた時期もあったが、多分、私は、本質的に恋人すら好きになって

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小説 ちんちん短歌 第29話『セックス刑』

小説 ちんちん短歌 第29話『セックス刑』

 小舟には、建だけが乗ることになった。常陸娘子の遺体の入った行李と、建が、ぽん、と船に置かれる。
 船頭もいない。ここまでついてきた異民族のケロケロの二人も、ここでお別れだ、という。

「あの浮島がそう」

 と、ケロケロのケロッピが指をさすと、もうちょっと、本当、20メートル先に、葦が茂っている。

「別に、船でなくても渡ろうと思えば渡れるけど、ところどころ、川底、ヘドロで、足元取られちゃうから

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小説 ちんちん短歌 第28話『歌はいいから先へ』

小説 ちんちん短歌 第28話『歌はいいから先へ』

 一歩歩くたびに、胸の傷の毒が体に染みていくのが分かる。よくないものが、じわじわと全身を犯していく。

 つらい。

 つらいが、しかし、つらがるほどにはつらくない。
 この感じ、ああ、前に落ちた地獄で味わった奴。地獄は繰り返すんだな、と思う。繰り返し、繰り返し、繰り返し、無限で、だからつまんないんだな地獄って。新鮮さすらもうないんだなあと、建。
 一気に来るつらさなら、それはきっと、劇的なものに

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小説 ちんちん短歌 第27話『心(シン)が死ぬ』

小説 ちんちん短歌 第27話『心(シン)が死ぬ』

 心臓に近い位置だ、と思った、建。
 左の脇の近くに、女から投擲された匕首が突き刺さっている。

・・・・・・・・・・・・・・

「ここを強く打つとね」

 左胸の乳首の先に、冷たい青銅の矛の切っ先が触れる――これは走馬灯なのかもしれない。大伴家持から武技を習った時の事を思いだした。
「死ぬのよね」
 当時、10歳くらいか。建が奴隷になったばかりの頃。裸でちんちん丸出しの建に、大伴家持は青銅の矛を

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ちんちんエッセイ 『ウケない。』

ちんちんエッセイ 『ウケない。』

「まいにち大喜利」の大喜利の講義回をみた。
『「まいにち大喜利 produced by au」・ともしげ大喜利勉強会』

 この動画、とても面白いし参考になる。その一方、講義の肝の一つである「それを言う人に見合った解答」をせよ、というところに、正しいけれど、辛いなあと思った。

 特に動画の最後のほうの、ともしげさんの表情にそれを感じる。
 わかる。自分に見合う、とされたその答えをしたくない気持ち

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小説 ちんちん短歌 第26話『エモのスイッチをただ押しているようなつまんねえ尻振り』

小説 ちんちん短歌 第26話『エモのスイッチをただ押しているようなつまんねえ尻振り』

 令なる寒さが和らぎ、梅の花が咲くころになった。
 村の農夫ら数名が、なんとなく区画を区切った泥濘に、穀物の種を蒔く。もう、適当に撒く。素人目に見ても、あきらかにダメな種の撒き方をしている。
 建はその光景を、石の上に座りながら見ている。石の冷たさが、穿いているアフリカンパンツ越しにちんちんへ伝わる。
 農夫は建の視線に気づくと、笑いながら語りかける。

「食わしてんだよ、鳥に」
「なんで。貴重な

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小説 ちんちん短歌 第25話『ごはん、住居、そしてちんちん』

小説 ちんちん短歌 第25話『ごはん、住居、そしてちんちん』

 色がある、と思った。色は、食えるのか、とも。

 建の目の前に膳が供えられている。椀の、鮮やかすぎる赤漆の色が食べ物たちに遷ったのかと思ったが、そうではない。食そのものが鮮やかな色を放っていたのだ。こんなものを見るのは、建は初めてだった。食べ物とは白か茶色か黒だと思っていた。だが、この焼きエビの紅、茹でた菜の花の黄、生鮭膾の赤の鮮やかさはなんだ。この歓待はなんなんだ。

 クジ・ナガ・アラチ・ツ

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ちんちんエッセイ 『生雪見だいふく』

ちんちんエッセイ 『生雪見だいふく』

「それがね、ないの、ないんだよ、どこにも。前回出会ったOKマートに行ってもないんだよ。生雪見だいふく」

 と、馴染みの商店で手にした雪見だいふくに語り掛ける。生雪見だいふくがなかったので、仕方なく、いつもの普通の雪見だいふくを買った。
 そしてセックスをしている。ちんちんを、雪見だいふくの中に入れながら話している。
 僕は、セックスをしながらのこの話し方が好きだ。一番本音をしゃべれるからだ。
 

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小説 ちんちん短歌 第24話 『万の葉』

小説 ちんちん短歌 第24話 『万の葉』

 大偉川から海沿いの道を歩くこと、7日。

 道中、建は朝露を飲み樹液を啜り、食べ物は、疱瘡で滅びた村の蔵に分け入り、落ちている穀物をよく噛んで食べた。火を通していなかったが、もう腹は壊さない。地獄に慣れたからだ。疱瘡も経験している。病に免疫ができていた。
 人は地獄に慣れる。
 地獄に落ちて、落ちて生きて、生きて、生きたから、生きれる。

 すれ違う人はあんまりいなかった。行き倒れ、死にかけてい

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小説 ちんちん短歌 第23話 『人の営み』

小説 ちんちん短歌 第23話 『人の営み』

 気がつけばその小屋で一晩を明かしていた、建。
 この小屋は川渡しの順番を待つ臨時小屋であり、別の利用者がやってきて眠っていた建を起こしたところだ。

 寝ちゃっていた。
 歌を記憶したからだ。
 高橋文選の歌った長歌を記憶し、反復して何度も何度もつぶやき、そのつぶやきのまま体を動かし、何度も何度も染み込ませていたら、時を忘れた。日が傾いて小屋が闇に包まれても、その闇の中で、ぶつぶつと先の歌を口に

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小説 ちんちん短歌 第22話 『サブカル貴族』

小説 ちんちん短歌 第22話 『サブカル貴族』

「さっきのあれ、『ムシオ』って子が話してくれたものだよね」
 高橋文選の口から「ムシオ」という言葉が出た時、何かすごく、嫌な感じがした。
「正しくは、ムシマルと言います。面倒なので誰もそう呼びませんでしたが」
「……へえ」
 笑いながら、よっこらしょ立ちする高橋氏。
 
「「ムシマル」の名の縁もある。先の歌は我が祖父、高橋虫麻呂の作とする。そう記憶してくれたまえ、短歌奴隷君」

 高橋虫麻呂――。

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小説 ちんちん短歌 第21話 『うんこちんちん』

小説 ちんちん短歌 第21話 『うんこちんちん』

 建はうなだれながら、ちんちんを見た。
 真っ白なはずのちんちんが、茶色だった。
 それはうんこだった。

 川渡しのねぐらにはトイレがない。なのでうんこは普通に外でするのだが、川渡しの男たちは皆、もう疲労と寒さで頭がおかしくなっていた。うんこのために、というか、わざわざ自分の身のために外に行くのも煩わしくなり、寝ながらうんこをする者が後を絶たなかった。
 だからねぐらの床はうんことゲロにまみれて

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小説 ちんちん短歌 第20話『誰が死んだほうがいいか話し合う会』

小説 ちんちん短歌 第20話『誰が死んだほうがいいか話し合う会』

 川渡しの男たちのねぐらで、誰が死んだほうがいいか話し合う会が行われようとしていた。していたが、しようとしていただけで、誰もしていない。全員、黙っている。

 30人の痩せた男たち。ちんちん丸出しの、裸の男たち。なんらかの欠損がある男たち。肌に纏わる汗やよだれやうんこをちゃんと拭かないので汚い男たち。火が灯る囲炉裏を中心に、黙り、何か言おうとしているが、何か言うのが怖くて、どうしたものか、ただそこ

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