【対話のタネ箱 #1】 "新たな対話の萌芽:『対話のタネ箱』がスタート"#1は---ジャニーズ事務所の社長交代記者会見と処理水をめぐるニュースにみる客観的な論点の重要性---です。
新しいコンテンツシリーズをはじめます
題して【対話のタネ箱】です。
各種ニュースやXで話されていることなど鮮度の高い話題について意見を聞かれることがあります。
速報性を優先するあまり話しっぱなしになってしまって後から思い出すと実は重要なことを積み上げ損なったんだなぁと反省することが多々あります。
そこで、鮮度の高い情報の背景にある課題を抽出し、noteに書き留めることで、【対話箱】や【広告系提案箱】でより踏み込んだ考察ができる準備をしておきたいと思います。
また課題を学ぶにあたりベストプラクティスを準備して【ケース箱】で分析することも可能になります。
noteの記事コンテンツの発展性・拡張の観点からもこのシリーズを開始しする背景です。
ステッピングストーン(飛び石)コンテンツ
対話は岸の反対側にある課題解決につながる飛び石だと考えています。
最初の飛び石を置かせてもらうことで新しい発想が見つかるのではないかなぁと思い【タネ箱】シリーズを開始します。
話のネタ、話のタネ、どっちにしようか悩みました、タネにしました。
話のタネがインターネットの風に乗って散らばってどこかで話の花が咲く、そんなこともイメージしています。
新シリーズのキャッチコピー
"新たな対話の萌芽:『対話のタネ箱』がスタートです"
にしました。Chat GPTさんとの対話からつくりました。
#1は広告系論点の設定について---ジャニーズ事務所の社長交代記者会見と処理水をめぐるニュースにみる客観的な論点の重要性---です。
ジャニーズ事務所の記者会見
今回の話のタネを考えるきっかけです。
ジャニーズ事務所の社長交代についての記者会見での一連のやりとりです。
僕自身は広報の専門家ではありません。ましてやリスク対応広報についての知識には乏しいので、今回の会見についての評論ではありません。
話の論点(つまり対話・インタクションの起点)の観点について考えをまとめます。
特に東山社長の「文春報道」についての質疑応答が気になりました。
同時に井ノ原ジャニーズアイランド社長は記者会見を通じて評価をあげています。
personality とHumanity
この二人への評価の違いはどこから来ているのでしょうか?
まず東山さんについてです。
件の記者の質問は個人的な興味(アジェンダ)から出ているように思います。それに対して社長の立場ではなく、個人(私人)の問題として対応したような印象を持ちました。会社と個人を切り離して、個人として問題を引き取るという方針があったのかも知れません。
結果としてですが、受けた答えを通じて双方が「個人的・パーソナルなイシュー」に注目に優先順位がついてしまった印象があります。
そして、公人でもある社長として機能するのかという疑問に繋がってしまったように映ります。
もし、論点・争点を「個人の問題としてあった」ことを明言して、「ハラスメントはダメ」という社会的な課題に設定すれば議論が違っていたと考えます。
つまり議論の対象において解決すべき課題は「ハラスメント」ということで整理・集約されたのではないでしょうか?
記者の質問が意図的なものであったとしても経営者として社会的な課題に立ち向かうというテイクアウトを形成することができたはずです。
一方、井ノ原さんは論点を客観的に設定して、そこにみんなで取り組もう、力を貸して欲しいと終始提言にしている態度に見えました。
この論点の置き方と彼の態度が経営者としての期待を生んだのではないかと推察しています。
経営者が今問われているのはHumanity(人間性=社会的な存在)です。それはPesonality(個性)よりも重視されています。
社長の個性・個人的な課題が分かる主観的なテーマ/subjective themeではなく、社長の人間性・社会的責任が理解できる客観的なテーマ/objective themeに論点を設定することが公に発言をする際に重要です。
(僕はあまり肯定的ではない)「パーパス」の設定時や社内外にメッセージを展開する際には留意したいところです。
ちなみにですが、東山社長は今まで積み上げてきたキャラクターに束縛されていたようにも感じられました。
整理すると
- 「主観的なテーマ」は、個人の意見や感情に関連し、主観的な評価に基づいています→Pesonality Issues
- 「客観的なテーマ」は、客観的な事実や証拠に関連し、客観的な評価を導きます→Humanity Issues
ここではPersonality=Subjective、Humanity=Objectiveと定義します。
ブランド(Value)は人格(Personality)で語られることが多いですが、その代表である経営者はPersonalityに加えてHumanityが求められます。
ブランドが果たす社会的責任との兼ね合いでは後者が重要です。
経営者として尊敬を集め、社員と共に前進するにはPesonalityもHumanityも大事です。
2つを俯瞰して見た上でコミュニケーションをする際に論点をどこに求めるかで、大きな結論の違いを生みます。
"Personality" と "Humanity" は異なる概念を表す言葉です
上記内容を含むコンテンツについては【対話#3】を参照ください。
PersonalityとHumanityが最もバランスされている日本の経営者
個人的にはTOYOTAの豊田章男さんです。
10年ほど前に中国で仕事をしていた時、モーターショーのプレゼンメッセージ研究をしたことがあります。
当時の多くの経営者はモーターショーのプレゼンテーションの冒頭で業績(販売台数の伸びや利益)の話をします。 いかに事業が好調であるかをアピールします。それは自分が優秀な経営者であることのようにも映ります。 しかし豊田さんだけが「自動車の夢」を冒頭で語るスタイルでした。
一緒に仕事をしていたクリエティブディレクターは「経営者がモーターショーというハレの場で、夢を語る会社には最後は勝てないなー」と言っていたことを思い出します。
豊田さん、中国のモーターショーに来たときも積極的に競合他社のブースに顔を出すなどされていました。 クルマが好き!もっとクルマを楽しもう!そんな意気込みを感じました。
ホンダの車に乗っても嫌味がないのは、彼の個性ですが、一連の日本の自動車業界の未来への提言と行動による社会的責任へのコミットが高いレベルでバランスされているからだと思います。
TOYOTAの現在の好調とEV後をフラットに見据えた世界戦略などは豊田さんを中心としたクルマを愛し、クルマで移動すること社会に責任を持つ社員のみなさんとのコラボレーションの結果だと思います。
Objectiveな論点を支えるのは?
Objectiveな論点を際立たせる、説得力をますのはまさしく客観的な根拠(データ)です。
処理水をめぐる議論、中国からのチャレンジについて日本市場は冷静に対応しています。
従来であれば「欧米では」「国際的な視点では」みたいな雰囲気基準に感情的に振り回されがちな日本ですが、今回はIAEAのお墨付き「国際基準」としっかり向き合えたのではないでしょうか。
朝日新聞がそのことに言及しているのはちょっとアイロニーを感じます。
対話のタネ
【対話のタネ箱 #1】はいかがでしたでしょうか?
このコンテンツシリーズはみなさんとの双方向性が命です。
ご意見をお待ちしております。
飛ばしたい対話のタネは以下の2つです。
マーケティングにおける経営者のPersonalityとHumanity
客観的指標の活用による意思決定
このタネがみなさんのところに届いて、対話に花を咲かせることができたら嬉しいです。
【対話のタネ箱 #1】はいかがでしたでしょうか?
このコンテンツシリーズはみなさんとの双方向性が鍵になります。
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ヘッダーには UnsplashのHerbert Goetsch さんが撮影した写真を使用しました。Herberさん、ありがとう!
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