テニス上達メモ144.対戦相手を楽にコート後方へ追いやるには?
▶同じ助走スピードでも「飛距離」が全然違う
走り幅跳びの記録を伸ばす方法。
陸上部でもない多くの中学生は、できるだけ遠くへ飛ぼうとして、前方へ踏み切ります。
でも、この「前へ、前へ」の意識が強すぎると、裏目に出る。
いくら速い助走をつけても、「前へ」の意識が強すぎると、地面と水平方向に低く跳ぶジャンプ軌道になりやすい。
そうすると、なかなか飛距離を稼げません。
走り幅跳びは「前へ」もさることながら、「上へ」跳ぼうとすると、記録を伸ばしやすくなるそうです。
中学時代の顧問に「高く高く!」と言われ、「高跳びじゃないのに?」といぶかりながらも試してみると、確かにぐーんと記録が伸びたことがありました。
そうなんです、距離を出すには高さを求める。
同じ助走スピードでも、飛距離が全然違ってくるはずなのです。
▶テニスも同じ
どうしてこんな話をしているのかというと、重力が働いている地球上でする運動である以上、「テニスも同じ」だからですね。
つまりストロークで深いボールを打ちたければ、力を入れて、頑張って前へ打とうとしなくても、高く打てば楽に深く飛んでくれます。
ご存じのとおり、深いボールは対戦相手をコート後方へ追いやりやすい。
しかも頑張らなくても楽に飛んでくれるから、心身に余裕、余力が残ります(関連記事「『しない』ための勇気を発動する」)。
そしてそのようなボールはネットミスしにくく、ダブルスであれば相手前衛に捕まりにくい効果も見込めます。
もちろん高く打つといっても、バランスしだいであり、こちらで述べているとおり、頭上の真上へ打ち上げれば、どんなに高く打っても飛距離はゼロメートルです。
▶高さと深さの共犯関係
テニスのコントロールというと、左右の方向性がイメージされがちですけれども、高さをコントロールするイメージが定着すると、ショットを安定させやすくなります。
何も、「いつもロビングを打ちましょう」と、お伝えしているわけではありません。
基本的なストロークを打つ場面でも、高さを打ち分けるのです。
そしてテニスは左右の方向よりも、深さの距離をコントロールする方が難しいスポーツ。
先述したとおりバランスしだいではありますが、弾道の高さは深さと共犯関係になりやすいので、コントロールするのが難しい距離感を操れる感覚が培われます。
先の走り幅跳びの例と同じように、「前へ、前へ」を意識すると、深さの感覚が分かりにくいですし、なおかつネットミスしやすい。
なおかつ球威が弱いとダブルスの場合は相手前衛にも捕まりやすくなります(浅く浮かせても捕まるというのは言うまでもありませんね)。
▶「打点目線」と「自分目線」は違うのだから
またテニスの場合は、ヒザから胸の高さが多用されやすい「打点目線」からではなくて、顔の高さに位置する「自分目線」から相手コートを見るので、うっかり「前へ、前へ」飛ばす弾道イメージになりやすい思い込みにも注意が必要です(関連記事「バックアウトとネットミスが繰り返される『そのワケ』は?」)。
実際に打ち出されるボールの位置よりも高いところからの風景を脳は認識しているので、本来、ショットを成功させるうえで必要な打ち上げるイメージになりにくいケースが多々あります。
▶テニスがもっと簡単になる!
今回の話をまとめると、ポイントは2つ。
1.高さを打ち分けるイメージを実装する。
2.「自分目線」ではなく「打点目線」から見た風景の空間認知を実装する(実際にしゃがんでヒザや腰や胸の高さから、相手コートを見てみる)。
テニスをプレーするにあたって難しい「距離のコントロール感覚」が身につけば、テニスはもっと簡単になります。
▶槍投げは「35~36度がいちばん飛ぶ」
ちなみに何の陸上競技大会だったか失念しましたけれども、槍投げの北口榛花選手が投擲するシーンで、解説者が「35~36度がいちばん飛ぶ」と説明していた記憶があります。
恐らく事実なのでしょうけれども、それを数字として理解するのではなくて、自分が高さをコントロールする感覚で距離感をつかむのです。
▶自分の感覚で「これくらい」
こちらでご紹介した、『レシピを見ないで作れるようになりましょう』に習うと、「何を何グラム入れる」と頭で計算すよりも、自分の感覚で「これくらい」とコントロールする。
それがひとつまみなのか、ふたつまみなのかは、食べる人の好みなのでしょうけれども、味見してみた味覚、あるいは味よりもさらに大事と説明されている食感(五感)を頼りに作れるようになると、美味しくできるそうです(ですから著者の有元葉子先生は、肉は薄切り肉よりも、厚切り肉を多用すると説明されていたと思います)。
これが、『はじめ人間ギャートルズ』に出てくる「ギャートルズ肉」が美味しそうに映る世界観を共有できる理由なのでしたね。
私は「1日1食」の生活スタイルで、夕食はほとんど自炊ですけれども、自分の満足いく料理はレシピを見なくても(恐らく見ないほうが)上手くかつ美味く、作れていると思います(関連記事「『カロリー計算』でダイエットはできない」)。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
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